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体育倉庫で濡れた日
厳しい猛暑が落ち着き、秋の気配が少しずつ現れ始めた10月の初旬。高校2年の僕は体育祭の実行委員会の1人に選ばれた。
もともと面倒くさがりな性格のため、高校に入学して以来、委員会の活動に1度も協力したことはない。
しかし、今回は別だ。隣の席の幼なじみ・美里(ミサト)も実行委員になったから。
「直樹、いつまで寝てるつもりなの?ほら体育祭の実行委員会の集まりが始まるから早くいかなきゃ」
美里は社交的な性格で、どれだけ僕が素っ気ない態度をとってもグイグイ話しかけてくる明るいキャラだ。
僕だって小学生の頃のように美里と話したいと思っていたが、周囲から冷やかされるため、素直になれない。
身長195センチで目つきの悪い僕が美里と一緒に居ると、たいてい“美女と野獣”と揶揄されるのだ。
そのため、体育祭の実行委員会の予定が全て頭に入っているにもかかわらず、美里が口うるさく言うから仕方ないという態度をとっている。見かけ倒しのへたれと言われてもいい、大好きな美里の横に居られるなら。
*~*~
ある日、珍しく美里が風邪を引いて高校を休んだ。僕はサボろうかと思ったが、ふと美里の顔が脳裏に浮かび、しぶしぶ実行委員会の部屋に向かった。
ドアノブに手をかけようとすると、室内から男子たちの雑談が聞こえる。
「競技中の女子って、やばいよな」
「確かに、尻とか揺れ具合がえげつない」
プリンスという異名を持つ3年生の先輩・隼人(ハヤト)が輪の中心となり、下ネタで盛り上がっていた。
この状況を女子が見たら、さぞ失望するだろう。
僕は気にするまいと思っていたが、次の瞬間やり過ごせない会話が始まった。
「ってかさ、2年の美里ちゃん、俺マジで好みなんだけど」
「アイドルみたいに可愛い顔してるし、性格もいいよな」
「なんといっても、あのプロポーションだろ?!」
僕はドアを開けて、無言で男子たちに近づく。同級生の1人が僕に気づき、手を振りながら言った。
「いいところに来た!直樹って美里ちゃんの幼なじみだよな」
「え~超うらやましいんだけど、もしかして裸とか見たことあるのか?
おっぱいも太ももと同じように乳白色なのかぁ?」
僕が気持ちの悪い質問にうんざりしていると、ニヤニヤしながら隼人が近づいてきた。手に持っているスマホの画面には、ダンスを踊る体操服姿の美里が写っている。
僕は必死に怒りを抑えながら言った。
「それ今すぐに消してください」
「えっなんで?お前、美里ちゃんの彼氏なの?そんなわけないよね、釣り合わないもんね」
そう言い終えるやいなや隼人が殴りかかってきた。僕はただ美里の写メを消してほしかっただけなのに…隼人の取り巻きまで面白がって加わり、取っ組み合いの喧嘩になった。
体格に恵まれている僕はかすり傷で済んだものの、隼人たちはアザがいくつもできた。痛々しいほどに。そして隼人のスマホの画面には大きなヒビが入った。
この事件をきっかけに僕は、“すぐにキレて暴力を振るうやつ”というレッテルを貼られた。おそらく隼人たちが保身のために、いい加減なことを言いふらしたのだろう。
クラスメイトの男子は「すごいな、たった1人で先輩と喧嘩したんだって?!」と僕をもてはやした。一方、女子には「体格差があるのに暴力を振るうなんて最低」と罵られた。
確かに、あの場に居た男子の中で僕は最も背が高く、運動神経も優れていたと思う。だから、なにも弁解しなかった。
しかし美里はそれを許してくれない。
「直樹どうして喧嘩なんてしたの?どうして説明してくれないの?」
毎日のように質問してきた。そのたびに僕は「今、眠たいんだ放っておいて」とか言って適当に話をはぐらかした。
~*~*
数日後、体育の授業中に体育祭の準備をすることになり、生徒ぞれぞれの役割分担が教師から伝えられた。
僕は玉入れや綱引きなど各種目で使う道具の状態を点検する係。運動場の隅にある体育倉庫を訪れた。
案の定、いずれの道具も長年にわたって保管されているため、いたるところが劣化している。
ため息をつきながら地べたに座り、黙々と修復作業をしていると、足音が近づいてきた。振り向くと、そこには美里が立っていた。
「1人で作業するのは大変でしょ、私も手伝うわ」
「あっ、ありがとう、でも抜けてきていいのか?」
「うん大丈夫、向こうは人手が多すぎるくらいだったから」
そう言って美里はなんのためらいもなく僕の横に座った。
栗色のボブヘアがふわりとなびき、せっけん特有の心地よい香りが僕の鼻孔をくすぐる。いつになく僕は美里を異性として意識してしまい、目をそらした。
「えっと、玉入れ用のカゴがところどころ破れているから布用テープを巻いたりして直しているんだ」
「そっか、分かった」
美里はもともと器用で裁縫が得意なため、手際よく修復作業を進めた。時折、僕と美里の二の腕が触れるが、顔色ひとつ変えない。
「女子の二の腕の柔らかさはおっぱいと同じらしい」
同級生のだれかが口にしていたことを思い出し、僕はドギマギしているのに。すると美里がパッと顔を上げ、僕の方に身体を向けて言った。
「あのさ、直樹は私のために怒って先輩と喧嘩したんでしょ?」
僕はいつものように誤魔化そうとしたが、美里の凛とした表情に圧倒されて口をつぐんだ。体育倉庫のドアから顔を出し、周囲に人が居ないことを確認してから、「全部、知っているのか?」と聞いた。
美里はうなずき、事件の概要を知った経緯について話してくれた。隼人の取り巻きの1人が罪悪感に耐えられなくなったために、担任に相談したらしい。
「隼人先輩、生活指導の先生に連れられて、泣きながら謝罪しに来たわ
例の写メも削除してくれたのよ」
「そっかぁ、よかった」
僕は憑き物が落ちたかのように、気持ちがラクになった。あの時、美里の画像を削除できなかったため、ずっと後悔していたのだ。
僕が胸をなでおろして安堵する傍らで、美里は今にも泣き出しそうだった。
「よくないわよ、こんなに傷を作ってまで喧嘩して、どれだけ私が心配したと思っているの?!」
美里は僕の顔や腕を撫でて、唇を震わせていた。大きな瞳が涙でうるんでいる。
僕はギュッと鷲掴みされたように心が痛み、美里の手をにぎった。美里の優しさが心に沁みる。
「ごめん、美里を傷つけたくなくて、守ろうとしたんだけどさ、うまくいかなかった
僕、ずっと美里のことが好きだったんだ」
慎重に言葉を選び、思いを伝えた。今まで美里と2人だけで真剣に話したことなんてなかったため、恥ずかしさで顔が熱くなる。
チラッと美里の方を見ると、同じように頬を赤らめていた。
「そんなふうに直樹が思ってくれていたなんて、全然、気づかなかった
私の片思いだと思ってた」
僕は、ぼうぜんとした。まさか美里も同じ気持ちでいたなんて。
肩に手を回そうかどうしようか迷っていると、美里が僕の方にすり寄ってきた。
美里の二の腕と胸が、僕の身体に当たる。
理性が飛びそうになった時、美里がボソッと言った。
「直樹って、いつも無関心を装っているけど、Hなことに興味あるの?」
「えっ、当たり前だろ、男なんだから
ただし、だれでもいいわけじゃない、美里じゃなきゃ嫌だ」
「う、うん、私も一緒」
美里が瞳を閉じて、ぷるんとした唇を僕の顔に近づける。
僕は、はやる気持ちを抑えつつ、美里を抱き寄せた。小鳥がついばむように優しく口を当てて、美里の唇の隙間を舌先でなぞる。そして、ねっとり舌をからませた。
ふと瞳を開けてみると、美里の顔が上気しており、とろんとした色っぽい表情になっていた。
「美里、大丈夫?」
「私こういうの初めてなの、でも直樹が相手なら怖くないよ」
僕は、お姫様だっこして美里を膝の上にのせた。美里の胸と太ももが揺れる。
美里は両手を頬に当てて、もじもじしながら言った。
「あっあの、重たくない?」
身長およそ160センチで細身の美里を、いかつい体躯の僕が支えるなど造作もない。
「全然、重たくないよ、むしろずっと座ってもらってもかまわない」
そう言って僕は美里の髪の毛を耳にかけ、再び激しく舌を舐め合うようにディープキスをした。互いに吐息が荒くなり、体温と鼓動を感じる。
「もっと美里の身体を触りたい」
僕がせがむと、美里が少しうつむいて答えた。
「私の胸、大きくないよ?それでもいいなら」
「大きさは問題じゃないよ、大事なのは感度だ」
僕は体操服の上から手をはわせ、美里の胸を包み込むように触った。小ぶりだが綺麗な形で、心地よい感触だ。ここに顔をうずめて眠りたいと思ってしまうくらい。
しばらく触っていると、手のひらの中心あたりで、なにかが隆起していることに気づいた。美里の身体が反応し、乳首が硬くなったようだ。
僕はたまらず美里の背中に手を回してブラのホックをはずした。体操服の中に手を滑り込ませ、ブラをよけて乳房を触る。体操服ごしも悪くなかったが、やはり生の感触は格別だ。
みずみずしく柔らかい肌が僕の手に吸いつき、時折ぷりっと硬くなった乳首が指先に当たる。
「少しだけでいいから、おっぱい見せてほしいな」
「えっ、さすがにそれは…」
美里は口ごもった後、体操服の裾をぎゅっとにぎり、困った表情をしながら「ほんと少しだけだよ」と言った。
僕は美里の仕草に高揚し、夢中で体操服とブラをめくり上げる。美しい乳白色の乳房に釘付けになり、ごくりと生唾を吞んだ。じっと僕が見ていると、ピンク色の乳首がひくつく。
「そんなに見ないで、恥ずかしいよ」
「僕に見られて反応しているの?美里は最高に可愛いね」
僕は果実をむさぼるように、美里の乳房をしゃぶった。
「とろけそうだよ、美里のおっぱい」
美里が僕の肩に手をのせ、身体を震わせながら耳元で囁く。
「しゃべりながら乳首、吸っちゃダメ」
甘い言葉によって、僕は背徳感が増幅し、より一層に股間が熱くなる。思わず、硬くなったモノを取り出し、こすりつけるように美里の太ももに当ててしまった。
美里が「きゃっ!」と言って、目を丸くする。
「すごく大きくなるのね」
「あまりにも美里が魅力的だから我慢できなくなって」
僕がモノを手で隠そうとすると、美里にさえぎられた。美里が手のひらに僕の亀頭をのせて、指先で撫でたのだ。自分で触るのとはまったく違う、えも言われぬ快感が押し寄せる。ビンビンにそそり立ち、僕は「うっ」と喘いだ。
すると、僕の反応を楽しむかのように、美里は舌をぺろっと出した。裏筋を舌先でなぞり、亀頭の付け根から先端の部分まで緩急をつけながら何度も舌をはわせる。
さらに僕がもだえると、美里は小悪魔っぽく笑ってモノを口に含んだ。ちゅぱちゅぱと吸いながら舐め回す。
ほぼ半裸で献身的に続ける美里。その姿に僕の血潮がたぎり、モノが跳ねるように美里の口から出た。その瞬間に我慢汁が垂れたものの、まだまだ性欲がみなぎっている。
しかし、これ以上、無理をさせるのは申し訳ない。そう思って僕が背を向けようとすると、美里が言った。
「もう少しだけ」
「その気持ちだけで十分だよ、そろそろ戻ろう」
「でも私…してもらってばっかりで、なんか不公平だと思うの」
僕は思わず苦笑し、「イカせてくれる?」と聞いた。
すると美里が僕のモノを持ち、ぎこちなく谷間にはさんだ。美里の肌の弾力と温かみがダイレクトに伝わってくる。
僕が腰を動かすたびに乳房と精器がこすれ合い、性感帯を激しく愛撫されているような感覚に陥った。
ドクンドクンと白濁した愛液があふれ、汗で湿った美里の肌を流れ落ちていく。
僕は慌ててポケットからハンドタオルを取り出し、丁寧に拭いた。
「ごめん、汚してしまって」
「ううん、いいよ、直樹の意外な一面を見られて嬉しかった
今度は学校の外でね」
僕は美里と軽くキスをした後、一緒に運動場へと向かった。
大勢の男子に嫌味を言われるだろうと覚悟しながら。
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