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二番手の私と彼と
「ごめん、待った?」
息を切らして駆け寄って来た彼に、笑みが零れる。
約一ヶ月ぶりの再会は何とも嬉しいものだ。
仕事が忙しいと連絡をくれてから、一ヶ月近く待ってやっと彼と会うことが出来た。
私の頬を撫でてくれる彼を見つめて、腕にしがみつく。
「ホントごめん…一ヶ月忙しくてまともに会えなくて…」
「気にしないで、仕事が忙しいんだもの。仕方ないわよ」
申し訳なさそうに顔を俯かせる彼の頬を掴んで、軽く唇にキスをすると嬉しそうに笑みを零して、彼の方からキスをしてくれた。
何度でもキスがしたくて、もう一度彼にキスをせがんだ所で、彼の手によって遮られた。
「こんな公然の場でそんな顔しちゃ駄目だよ。その顔は、俺と二人きりの時じゃなきゃ」
そう言って額にキスをしてくれる彼に、胸が締め付けられるような嬉しさが込み上がり、彼の手を握った。
こうして二人で会うのも、一ヶ月ぶりのデートでご飯を食べるのだって、全部が久しぶりだ。
毎日だって会いたいのに、仕事の忙しい彼に迷惑をかけたくなくて、我慢をしていた。
会えなくても彼と連絡を取ったり、忙しい合間を縫って会ってくれるだけ嬉しいものだ。
彼の車に乗り込んで、久しぶりのデートを楽しんだ。
彼の決めたデートコースは、いつも海辺の道路を走ったり、綺麗な街並みの見える景色を楽しみながら会話をしたり、たまに止まってキスをしたりだ。
時折、パーキングエリアに止まって道の駅などに立ち寄って一服したり、何もない所で止まって景色を楽しむ。
そのデートコースは、他の人からすると味気ないデートコースになるかもしれない。
それでも仕事が忙しい時は、こうして車で何気ない会話をしながら楽しむのが私は好きだった。
時間も経過して、辺りが薄暗くなってきた頃。
人気の少ないパーキングエリアに車が止まった。
そこはいつもとは違う場所で、いつものデートコースなら、そのまま彼行き付けのホテルに向かって愛を育むはず。
それが今日に限ってホテルに向かう気配もなく、彼はそのまま車を停車させて、私の座っている座席シートを倒したのだ。
思いがけないことに、小さく悲鳴を上げてしまい身を固めた。
真っ暗の車内で見えるのは、薄らとした彼の姿だけ。
辺りは林などで覆われており、人通りなんてまずない。
街頭が少しあるだけで、周囲に車が通る気配もない。
少しばかりの恐怖心が湧き上がり、辺りを意味もなく見渡してしまう。
「きょ、今日はいつものホテルに行かないの…?」
「…今日はさ、カーセックスしよ…?いつもホテルばかりじゃなくてさ、こういうスリルも大事だと思わないか?」
そう言って楽しげに笑みを見せた彼は、運転席から身を乗り出して、私に覆い被さってきた。
熱に浮かされたような眼差しはいつもよりも爛々で、舌なめずりをする彼を見た瞬間に小さな恐怖心が湧き上がった。
こんな狭い所で誰かに見られたら。
そう考えるだけで胸が早く脈打ち、彼の胸を軽く押し退けた。
「や、やっぱり止めた方が良いんじゃないかしら…その、人が通りでもしたら大変だし…その見られたくないし…」
苦笑いを浮かべながら、彼にやんわりとした口調で伝えてみるが、すんなり受け入れてくれる訳がなかった。
優しさはあり、人の話もある程度聞いてはくれるが、自分がこうだと決めたことは曲げない性格だ。
どうやら今日はどうしてもここで体を重ねたいようだ。
「なあ、誰も来ないって…静かで、二人きりで良いだろ?」
頬をすりっと優しく撫でられてしまえば、胸が熱くなり強く締め付けられるような愛おしさが込み上がる。
自分の為に忙しい時間を割いてくれる彼。
一ヶ月ぶりに会えた彼の要望に応えてあげたくなった。
恥ずかしさと誰かに見られたくないという不安感の間で揺れ動きながら、彼の背中に腕を回して引き寄せた。
目と鼻の先に彼がいて、視線が交わった瞬間にはお互いの唇が重なり、舌を絡めあっていた。
軽いキスから徐々に深いキスに代わり、彼の肉厚な舌が少し開いた唇の隙間から、ググッと咥内に入り込んできた。
突然の舌にビクリと肩が震えてしまい、背中に回した腕に力が籠る。
先端から根元までゆっくりと舌で撫でられ、ぢゅるっと強めに吸い上げられて、大きく体が跳ねた。
甘い痺れが頭の先から足の先まで届いて、自然と視界が生理的な涙で滲んでいく。
潤んだ視界の中に見える彼がネクタイを外して、ワイシャツのボタンを二個目まで外したのが見えた。
ワンピースを太ももまで捲られてすぐに足を大きく左右に開かれ、あられもない姿が彼の目の前に広がった。
恥ずかしさに負けそうになり、思わず唇を噛み締めて顔を逸らした時だった。
ショーツ越しに、ゴリッとした熱く硬いモノを押し当てられたことに気付く。
目を大きく見開いて彼の方を見つめると、目を細めて扇情的な目で私を見下ろす彼と視線が交わった。
グリッと膣の割れ目を指でなぞられたのも束の間で、すぐに火傷しそうな程熱く、硬いモノを膣の割れ目に押し付けられた。
「な…何をして…そんな、だめ、よごれちゃ…」
「たまにはこういうのも良いだろ。案外布越しってのも興奮するらしいさ」
体を丸めて、私の腰をがっしりと両手で掴みながら、ゴリゴリと膣の割れ目に沿って擦り付けてきた。
あまりしたことのない行為に、ピクッと腰が震えて、微弱な快感が背中を駆け抜けていく気がした。
腰だけをガクガクと動かし、ショーツ越しに陰茎を押し付けてくる彼に、堪らず喉が鳴ってしまう。
期待に膨らむ胸と、もどかしさでモジモジと動いてしまう足。
いつもならすぐに中を指で解して柔らかくしてくれているはず。
それなのに今日に限ってお互いの熱だけを布越しに感じるだけのもどかしい行為のみ。
一ヶ月、彼に抱かれることのなかった体は既に火照り、早く欲しいとジワジワと膣内から愛液が溢れていた。
ゴリゴリと押し付けられる彼の腰と、布越しの膣からは徐々に粘着質な音が響き始める。
ヌルつく音が聞こえ始めて、彼が嬉しそうに笑みを零したのが薄暗い室内の中に見えた。
頬や首筋に何度もキスをしてきて、熱い吐息を吐き出しながら彼は腰を更に激しく振り乱す。
布越しだろうと、割れ目に押し当てられながら突き上げられてしまうと、体は嫌でも反応して、膣内はヒクつき始める。
「は…ぁ…ッ可愛い…まだ布越しなのにこんなに感じて…」
悩ましげに吐き出された吐息と共に、徐々に腰を打ち付ける速度を早められる。
ゴリゴリと音がしそうな程、昂ったモノを膣の割れ目に押し当てられていたのが突然。
強い衝撃と共に、膣の入口をグポッと突き上げられて、大きく背を仰け反らせた。
「ひ、うぅ!?それ、や、やぁッ!」
「なんで?気持ち良いでしょう?でも…そろそろ俺も…中に挿れたいかな」
熱い吐息を吐き出しながら、彼はズボンのチャックを下ろして、既に先端から先走りを垂れ流した陰茎を取り出した。
待ちに待った彼のモノに、自然と喉が鳴って見入ってしまう。
そそり立つ陰茎は、先端から先走りが溢れて、浮き出た血管や裏筋を通って、滴り落ちていくのを見て胸が高鳴る。
ゾクリとした興奮が背筋を駆け抜けて、そそり立つ陰茎を迎え入れる準備をする為、ショーツを横にずらして、彼に見せるようにジッと見つめた。
彼の喉が上下に動いた気がして、小さく熱い息を吐きながら、先端を濡れそぼった膣に押し当てられる。
ヒクヒクと開閉を繰り返す尿道の振動が、膣の入口に伝わって、大きく身震いをした。
「は、やく…あなたが…ほし、いの…ッがまんできない…!」
切羽詰まったように彼を求めて、もう少し左右に足を開いて、完全に彼を受け入れる体勢をすると、そそり立った陰茎が膣内に入り込んできた。
張り詰めた呼吸を大きく吐き出して、グポッと激しく打ち付けられる腰に、ひぐっと情けない声を上げて背を仰け反らせた。
ガクガクと震える腰と、ぴゅるっと膣内と陰茎の隙間から溢れ出す愛液が、シートを濡らしていくような気がした。
至近距離にある彼の顔を見つめる度に、高鳴る胸にどうしようもない愛しさが込み上がる。
久しぶりの彼の匂いに包まれる嬉しさに歓喜しながら、最奥を突き上げられる快感にガクガクと腰が痙攣する。
「あ、ぁッ、んあぁぅッ!も、っとぉッ!ほしぃ、ひ、ぅぅッ!」
「そうかそうか。もっとだな、分かったよ」
額に優しくキスをされながら、腰を激しく打ち付けて来る彼に、堪らず強く背中に爪を立ててしまう。
それでも、彼は気にしたような素振りは見せずに、ガツガツと浅い所から深い所まで一気に引き抜いては、すぐに最奥まで突き上げてを繰り返す。
敏感になっている膣内は、激しく膣内を犯される度に、痙攣してきゅうっと何度も陰茎を締め付けてしまう。
根元、先端と畝ねるように、脈打つ膣内の顔が徐々に切羽詰まったものに変わっていく。
ガツガツと突き上げられる快感に、腰を震わせながら、求めるように私も慣れないながらも腰を揺らめかせた。
「は、ぁ…ッも…でそう…ッ…」
「き、てぇッ、も、っとほしいの…奥までぇッ、きてきてッ…んうぅッ、いくッ、いっちゃッ…!」
ガツガツと最奥ばかりを突き上げられる快感に、体が痙攣した瞬間に絶頂を迎えた。
喉をさらけ出して、背を仰け反らせてビクビクと震える私の腰をがっしりと掴んだまま離さず、徐々に彼の腰を打ち付ける速度も早まっていく。
真っ暗な闇の中に、自分達だけの影と荒い呼吸音だけが聞こえて、余計に官能的だった。
その光景がたまらなく、ビクビクと痙攣する膣内に彼の陰茎を強く締め付けた時。
低い呻き声が目の前から聞こえてきてすぐに、激しく動かしていた腰がビクンと大きく震えた。
ビュクビュクと膣内に吐き出される精液の感触に、体がビクビクと震えて歓喜する。
久しぶりの彼の熱とドロドロとした精液が、降りてきていた子宮口に打ち付けられる感触がたまらなく好きだった。
荒い呼吸音だけが車内に響き、コプコプと彼の吐き出した精液が、膣内から溢れてくる音が聞こえてきて顔に熱がこもる。
一ヶ月ぶりの彼の熱が嬉しくて、縋り付くように彼に抱き着くと、ふと彼のスマホが鳴った。
悪いという言葉が荒い息遣いの中から聞こえつつ、すぐに電話に出た彼。
「もしもし…ああ、分かった。先に寝ててくれ。俺ももう少ししたら帰るから」
その言葉に胸が傷んだが、帰るのならば仕方ないだろう。
所詮私はただの二番手なのだから。
電話を切った彼は、数回腰を振って陰茎を引き抜こうとした瞬間。
きゅうっと強めに膣内を締め付けて、首を横に振った。
「まだ、一緒にいたい…おねがい…まだいっしょがいい…」
彼に強請るように首筋に甘く吸い付いたり、耳元で吐息混じりに囁くと、彼の喉が大きく鳴る音が聞こえてくる。
私の言葉に彼は嬉しそうに笑みを零して、ゆったりと腰を動かし始める。
どうやら自分の方が奥さんよりも愛されているようで胸が嬉しくなり、そのまま彼と日付けが変わるまで情欲に溺れるのだった。
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