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鎖に繋がれる恋
「いい加減にしなさい。退かないと怒るわよ」
私の上に覆い被さる彼を強く睨み付ける。
しかし彼は、顔を顰めたまま私の上から退く気配はない。
「どうして俺じゃ駄目な訳?あの男だって他の女と遊んでるって言ってるだろ」
私の顔の横に手を置いて、逃げ道を塞ぐように彼が詰め寄る。
その言葉に唇を噛み締めて、更に強く彼のことを睨み付けた。
教え子である彼が、そんなことを知ってどうするというのか。
そもそもどうしてそこまで調べあげているのか。
「それが何よ。私達夫婦のことに口を挟まないでちょうだい。あなたはただの生徒なの。他人のあなたには関係ないわ」
強い口調で彼に詰め寄ると、流石に堪えたのか、彼の表情が曇りだす。
そしてスマホを取り出して、夫と女性が一緒にホテルの中に入っていく動画を見せてきた。
「こんな男を本当に選ぶんですか?絶対にやめた方がいい。こんな男はあなたのような女性に相応しくない」
真剣な眼差しで私のことを睨む彼から視線を逸らした。
夫の浮気のことなんて一ヶ月前から知っていた。
今までずっと私の友人として、結婚式にまで参列し、私の良き理解者として、苦楽を共にした親友が彼の横にいたのだ。
あの日の早朝、帰宅した首元にたっぷりとキスマークが付けられていたのを彼はハイネックの服で隠していた。
全てを知られていることも知らないで、私を激しく求めてきたり、あの女を抱いた当日に私のことを求めてきたり。
それでも彼のことは憎めなかった。
自分の所に戻って来て、自分を求めさえしてくれればそれで良かったのだ。
周囲からどれほど別れろと、苦言を呈されようとも彼がまだ私のことを愛してくれればそれで良い。
一ヶ月前まではそう思っていた。
けれど、もう彼の心には彼女しかいないのだと知れば知るほど限界になっていた。
「相応しくないから何よ。私が誰と付き合おうと結婚しようと、ただの生徒であるあなたには関係ないわよ。これ以上話を進めるなら大声で人を呼ぶわよ」
それでもいいの、と彼を強く睨み付ける。
私が選んだ相手のことを、彼にとやかく言われる筋合いなどない。
けれど彼は私の言葉に、反応を見せることはなく。
そのまま私の口元を手で抑えて、自らしていた腰のベルトを外して私の両手に縛り付けたのだ。
使われていない物品庫は物で溢れており、誰かが来てもこんな奥まで来てくれるかも怪しい。
ギュッと縛られた両手は、埃の被った机に括り付けられた。
「な、何をするの!?あなたこれ以上したら退学にするわよ!それでもいいの!?」
「良いですよ。どうぞ大きな声を出して誰かに助けを求めて下さい」
悪びれた様子もなく、彼は私の顔をしっかりと見据えてくる。
あどけない表情で照れるように笑って、私の話をしっかりと聞いてくれる優秀な生徒ではなくなってしまった。
そんな彼を悪者になんて出来るはずもなく、腕から力が抜けていく。
失望よりも悲しさの方が上回る。
「…そんなことできるはずないでしょ。大切な生徒なんだから。ねえ、どうしてこんなことをするの?あなたにとって私はただの大学講師よ」
先程とは違って物腰を低くして、柔らかな声で彼に問い掛ける。
その間に何とか腕をベルトから抜き取ろうと試みるも、思った以上にキツく縛られた腕ではどうすることもできなかった。
彼は顔を俯かせたまま小さく囁いた。
「先生が大事だから、あんな男よりも俺を選んで欲しいだけだよ…」
そう甘く囁かれた声に思わず胸が弾んだ。
夫からも聞いたことのない甘い声が消えた瞬間に、首元に顔を埋められてすりっと鼻を寄せられた。
元から彼には好感を持っていたし、女子生徒からも影で人気であることは知っていた。
けれど誰かと付き合っている噂だけは聞いたことがなかった。
その対象がまさか自分だったなんて。
待って、と声を出そうとした時には、既に服の中に彼の指が侵入してきていた。
「ひ、ッ…やだッ!やめて…ッ!」
「そそる声してるね、先生。その可愛い声も全部旦那さんに聞かせたの?勿体ないなー…」
耳元で囁かれる言葉に、嫌々と首を横に振って抵抗を見せるも、彼の指はどんどん上へと登り詰めていく。
腹筋を這う指先が少し冷たくて、肌の上を指が滑る度にビクビクと震える。
それを楽しそうに見つめて、肌の上を滑っていた指が一点で止まった。
ゆっくりと捲り上げられた服の上から顕になったブラに、彼の目が嬉しそうに細められた。
「可愛い下着だね。こんなにフリルのついたの身に付けてたなんて…皆知らないよね。お固くて厳しい先生がこんなに可愛い下着身につけてるなんて」
ブラの隙間から指を挿入され、グイッと持ち上げられると、少し小さめのブラをしていたこともあってか、コンプレックスの大きな胸が顕になった。
隠したいのに隠せない。
目を瞑ることしかできない状況に顔に熱が集中する。
ふっくらとした胸の上にぷっくりと主張する乳首に、余計に恥ずかしさが込み上がる。
肌に指を這わされただけの行為に、私は快感を覚えてしまったのだから。
ぷっくりと主張する乳首を見て、彼が嬉しそうにそれをカプっと口に頬張った。
「ひッ、うぅ!?」
咥内に含んだ乳首を、舌の先端でクリクリと弄られ、ビクンと体を跳ねさせた。
体に走る強い快感に、顔を逸らして唇を噛み締める。
こんな若い子に自分の体を弄ばれていること自体恥ずかしいのに、彼に乳首を舐められる度に、体はビクビクと震えてしまう。
舌先を器用に使って、コリコリと弾いてみたり、舌と上顎を使ってぢゅるると吸い上げられた。
夫との行為もご無沙汰だったこともあってか、あまりにも強い快感が体を駆け抜けていく。
ビクビクと体を震わせながら、首を横に振って、脚を閉じたり開いてみたりと、快感を逃がそうとしてみる。
「んぶッ…先生の胸…やっぱり大きいや。手で収まりきらないよ。それにこんなにピンクの乳首してるなんて…可愛いね」
ねっとりと見せつけるように舐めながら、赤子のように上目遣いに私を見つめて、胸に吸い付く。
恥ずかしくて堪らないのに、ぢゅるぢゅると乳首を吸い上げられると、甘い喘ぎ声が漏れて膣内がキュンと収縮し始める。
彼が私と目線を合わせるように身を乗り出してきて、軽くキスをしてきた。
彼がしてくれる愛撫に、何度も胸が高鳴ってしまう。
他の女性と体を重ねる夫に愛されなくなって寂しさを感じ始めた頃に、こんなに強い快感を与えられて耐えられるはずもなかった。
は、と熱い吐息を吐き出して、ねっとりと乳首にしゃぶりつく彼を見つめた。
舌先で乳首を絡め取りながら、ぢゅうっと強く吸いつかれてしまえば、甘い痺れが下腹部を駆け抜けていき、魚のように体を跳ねさせて絶頂した。
一生懸命に乳首に吸い付く彼の姿が妙に可愛く見えて仕方なかった。
こんなに無我夢中になって自分のことを求めてくれるなんて。
唾液を纏わせた舌を乳首から離して、口端を上げて楽しそうに笑みを見せる。
「先生…気持ち良かったんでしょ…?ねえ、素直になって、俺だけを見てよ。俺先生のこと好きなんだよ。ねえ、おねがい」
まるで見捨てられた子犬のような眼差しで見つめられ、胸が跳ね上がる。
夫からもこんなに甘えられたことはない。
それにこんなに熱烈に愛されたこともない。
それでも私がしている行為は夫を裏切る行為なのに、どうしてかどうしようもない嬉しさが込み上がる。
ジュワッと滲み出す愛液がショーツを濡らす感覚。
太ももを伝い落ちていく感触に、唇を噛み締めながらはくっと口を開く。
「ひさ…ぶ、りなの…ッ、もッ…がま、んできなッ…ねえ…なか、に…いれて…ッ」
涙声で震えてしまう声に、彼の目が嬉しそうに輝き、すぐに私のスカートを捲り上げた。
「…なら、要望に応えてあげなくちゃね」
舌なめずりをして、スカートを太ももの付け根まで捲り上げて、しっとりと濡れるショーツを
剥ぎ取られた。
脱がされたショーツには、べっとりと愛液が糸を引いているのが見えて、思わず喉が鳴ってしまう。
彼の手によってここまで感じていた自分に恥ずかしさが込み上がる。
早く太くて逞しいモノで、中を突き上げて欲しい。
彼が私の脚を左右に開いて、その間に体を割り込ませてきた。
荒い呼吸を吐き、急ぐようにガチャガチャとズボンを下ろして、そそり立った陰茎を取り出す。
トロッと先端から先走りを垂れ流す陰茎が、今にも下腹とくっついてしまいそうな程に天を仰いでいた。
その光景に思わず喉が鳴り、小さく舌なめずりをする。
「先生…大好きな先生…俺で…沢山満たしてあげるからね。あんな男やめて…俺にして…?」
甘く囁くようにうっとりと私を見つめる彼に、甘い痺れが子宮を駆け抜けていき、腰がビクビクと震えた。
「…きて…はやく…ッ、うぅ!?」
最後まで言い切る前に、濡れそぼった膣内にゴリッと勢いよく挿入された。
詰まる息とビクビクと震える膣内に、生理的な涙が溢れた。
久しぶりの陰茎の感触に、強い快感が体を駆け抜けていくのが嬉しくて堪らない。
がっしりと腰を掴まれながら、激しく突き上げてくる陰茎に、何も敷いていない床に擦れる背中が徐々に痛み始める。
きゅうきゅうと強く膣内を締め付けながら、早急に、激しく浅い所から最奥まで引き抜いては突き上げてを繰り返される。
「ふぁ、ッあぁ!や、ぁッあ!きもちぃ、きもち、ぃ、ッのぉ!んあぁッ!」
「は、ぁッ、そんなに大きな声出したら…誰かに聞かれちゃうよ…?鍵、締めてないんだから」
快感に支配された脳に響いた彼の言葉に、間抜けな声が零れる。
もし誰か来たら、と想像してしまい、きゅうっと強く膣内を締め付けた。
その瞬間に、彼の眉間の皺が深くなり、困ったように笑みを浮かべて私を見つめた。
「や、ぁッ!や、だあぁッ!み、られちゃッ、やだッ、やぁッ!」
「うんそうだね…誰か、きちゃうかも…」
うぐっと彼から呻き声が聞こえて、中を突き上げる速度が上がり出す。
ゴリゴリと膣壁を激しく突き上げたり、ゆったりと腰を動かしてみたりと、もどかしい快感が体を駆け抜けていく。
唇を噛み締めて声を我慢しても、中を激しく突き上げられてしまえば、抑えることなどできなかった。
腰をよじって、きゅうきゅうと膣内を締め付けて絶頂が近いことを知らせる。
「や、ぁッ、やだやだッ、ぁぁ!みられ、たくなッ、や、ぁぁ!や、なの、にぃッ、」
「ッ、はぁ…いいんだよ…イって…俺も、イきそ…ッ!せんせいの中…ッ出す、よ…!」
ググッと質量の増した陰茎の速度が上がり、腟内を圧迫し始める。
苦しいまでに中一杯に陰茎で満たされて、思わず笑みが零れてしまう。
自分で気持ちよさそうにしてくれるのが、嬉しくて堪らない気持ちになる。
ガツガツと激しく突き上げられて、子宮をググッと強く押し上げた瞬間。
ビュルルッと勢いよく精液が中に吐き出された。
ジワジワと膣内を満たしてくれる精液が、逆流するようにどぴゅっと膣と陰茎の隙間から溢れて出てくるのを感じ、自分も絶頂を迎える。
静かな物品庫に響くお互いの荒い息遣いに、再熱するように興奮が体を駆け抜けていく。
もっとして欲しくて、自分も腰をゆっくりと揺らめかせる。
「はは…ッ、先生、好きだよ…そんなに俺の良かった…ッ?」
熱い息を吐きながら、耳元で甘く囁かれて甘い痺れが下腹部に走る。
彼の物を締め付けながら、縛られた腕さえも忘れて彼が中を突き上げる快感に溺れるのだった。
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