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あなたに逢えて幸せな日々に乾杯
私の名前は「ドウミョウジ エミカ」、二十八歳で大手企業の受付嬢の仕事をしている。
夫がいて、出産のための育児休暇からの職場復帰に時間はかかったけれど……やりがいのない仕事に復帰したことを少しだけ後悔していた。
ただ、それでもよく来る人とかは「久しぶり!」と声をかけてくれるからいいのだけど、それでも最近、特に気になっている人がいる。
「ドウミョウジさん、お久しぶりですね!」
「ああ、サトウさん……お久しぶりです」
この人は新聞記者の「サトウ マコト」さん、二十六歳で背の高い童顔の男性で、私と同じ既婚者だ。
彼は新聞の記事を書くための取材でこのオフィスに通っていて、その際の受付で仲良くなった人のひとりだ。
なんでその人が今更気になっているのかというと、私は元々童顔の人が好みで(夫も童顔だ)子育てに仕事にといろんなものに追われていてくたくたなところでサトウさんに癒されているからだ。たった数十秒の会話に心を弾ませているくらいに。
「お子さん、どのくらい大きくなったんですか?」
「もう年長さんです、写真が見せられたらよかったんですけど……」
「……よければ今度飲みに行きませんか?」
日頃の疲れの労いですと笑う彼の誘いに乗って、お互い次の日が休みの仕事終わりに飲みに行くことになった。
もちろん夫には職場の飲み会だとある意味本当のことを話して許可を取ったので、問題はないはず。
仕事終わりにサトウさんと合流して、飲み屋街を歩き回る。
「ドウミョウジさんはどういうところで飲んでたんですか?」
「ええっと、大衆居酒屋ですかね……あまり小洒落たところは苦手で」
「はは、僕もです!じゃあ近くの居酒屋に入りましょうか」
入った居酒屋で早く出るおつまみと焼き鳥に私はコークハイ、サトウさんは生ビールを注文した。
飲みながらお互いの近況や仕事の話をしていると、次第に話の内容が仕事の愚痴になっていく。
「新聞記者も大変なんですね」
「まったくですよ、本当のことを書こうとしたらこっちのデマにしろって上司に言われて……」
酔ってくだを巻くサトウさんはなんだか幼くて可愛らしく見える。
そんなサトウさんの話を聞きながらうなずいていると、サトウさんは酔い潰れて寝てしまった。
そんな彼を抱えて帰るのは大変だから、近くのビジネスホテルに入った……これが過ちの始まりだとは知らずに。
「よいしょっと……」
受付を通って部屋に入り、ベッドにサトウさんを寝かせる頃には夏の少しだけ涼しい夜だとしても汗だくで、シャワーを浴びることにした。
(……やっぱりちょっとじゃないくらいは太ったよなぁ……)
産後から体型が戻らず、今もまだぽっちゃり体型のままになってしまっている。
なんとかダイエットを続けても長続きしなくて、すぐリバウンドしてしまう。
ぷよぷよとした肉のついた全身はむくみやすく、代謝が悪いのも原因だとは思うが……。
「……ドウミョウジさん」
「うわぁ!!」
背後から聞こえてきたサトウさんの声に驚いて大きな声を出してしまった。
とてもびっくりしたし、なによりこのだらしない体型を見られたことが嫌だった。
「……きれいだ」
「は、ぁ……!?」
背後から抱きしめられて、まさぐるように胸を揉まれる。
やわやわと揉まれて少し気持ちよかったけれど、サトウさんの左手の指輪の感触で一気に意識が戻ってくる。
「サトウさんっ!やめてくださいっ!」
「やめていいんですか?」
ここ、こんなに濡れてるのに……。
そう言いながらサトウさんは私の濡れた秘部に触れてきた。
……恥ずかしい話だが、私の秘部は濡れやすい、夫にもバカにされるくらいは。
そんな私だからってサトウさんは私をバカにせずに「かわいい」と言ってきた。夫もそんなこと言ってこないのに…。
「かわいいわけないじゃないですか……」
「ドウミョウジさん……エミカさんはかわいいよ、だって」
「ひ、ぁんっ……!」
「すごくかわいい声を出してくれる」
そんなことを言ってくるサトウさん……マコトさんの方がかわいい顔をしている。
だからってマコトさんとの行為を許したわけじゃない、このままじゃ不倫になってしまう!
「サトウさん、これ以上は……」
「浮気になってもいい、エミカさんと一回でもセックスがしたかったんだ……!」
(ああ、もう……)
そんなに強く求められたら止められない。
振り返って、受け入れる決心をしてマコトさんの唇に噛みつくようなキスをする。
しばらく水音を立てながらキスをしていると、マコトさんの腕が私の腰に回ってぎゅっと密着する。
意外と鍛えられているたくましい腕に抱かれるのは心地いい……うっとりとした気持ちでいると、マコトさんは私を浴室の椅子に座らせてぺろりと私の秘部を舐めてきた。
「や、きたないから、ぁ……!」
「きれいですよ」
「ひ!っ……!!」
マコトさんの舌と私の愛液が絡んで出るぴちゃぴちゃという水音で耳が犯されたような感覚がしてくるし、なにより浴室で音が反響する。
マコトさんは舐めてきたそこを愛おしそうに舐めてきて、舌先でクリトリスを刺激されてしまい、快感から喘いで何度もクリイキしてしまう。
「感度良いんだ……かわいいね……」
「も、もぉやめ……!!」
「エミカさん、欲しい?」
「……ほ、ほしい、ほしいからぁっ!」
焦らすように入り口に(いつの間に付けていたんだろう)コンドームを付けた男根をぴたぴたとくっつけては離してを繰り返していたマコトさんは私の懇願を聞いて笑い、ぬぷぬぷと音を立てて私の内側に侵入してきた。
それはとても熱くて硬く、どくどくと音を立てているように感じるくらいのものだった。
こんなかわいい顔の下に凶悪な肉棒を隠していたものだと驚いてしまうし、その肉棒は夫のものより大きくて長い……普段夫が入ってくる限界のところよりもさらに奥に入り込んできたのはちょっと怖かった。
「あ、ぁ、あっ!」
……怖かったのに、どうしてこんなに気持ちいいのかがわからない。
とてもじゃないけど、夫の男根とは比較にならないくらいマコトさんのモノは気持ちいいということだけはわかった。
「エミカさん、どうですか?」
「す、ごぉっ……!おっとより、すごいぃっ……!!」
がつがつと腰を振られ、二歳しか歳が変わらないのにあまりにも若い抽挿にただただ揺さぶられることしかできない。
「だ、します!」
「ふぁ、あ、ぁあっ……!!」
どくどくと注がれる迸りからはコンドームに守られているが、気持ちとしては完全に雌としてマコトさんに屈服していた。
「あの、申し訳ないんですが……もう一回シてもいいですか?」
「え、ぁ……?」
あのすごいのを、もう一回?
あんなの何回もやってたら私が意識を飛ばしてしまう、それに……。
(気持ち良すぎて、壊れちゃうかもっ……!)
マコトさんの男根が一度引き抜かれて、彼がコンドームを外して再度取り付けるまでの数十秒が待ちきれなくて、胸にマコトさんの男根を(夫がたまにやってと言ってくるものだ)挟んでこすってみた。
「エミカさんっ!」
「……私だって……」
マコトさんを気持ちよくさせたい。
そう言って男根を挟んだ胸を持ち上げて落としてを繰り返すし、もちろん胸に収まりきらなかった先端は舌でちろちろと舐めて奉仕する。
「うわ、それやば……!」
びくびくと震える男根に息の上がったマコトさんの声から絶頂が近いのがわかる。
「だして、いいですよ」
そう告げた次の瞬間、舐めていた先端から吹き出るように精液がどぷどぷと吹き出してきて、顔にかかってしまった。
「ぁ、エミカさん、ごめんなさい……!」
「いいんです、気持ちよかったですか?」
「も、もちろん!最高でした!」
興奮気味に返事を返してくるマコトさんの様子から本当に気持ちよかったんだと内心ほっとする。
「それで……その、もう一回は……」
「ヤりましょう」
決心してうなずいた、これで気絶してもしかたがない、だってセックスは気持ちいいのだから。
**
「ドウミョウジさん、お疲れ様です。もしよろしければ仕事終わりに飲みに行きませんか?」
届いたメールのこの文面は誘い文句、答えはもちろん「行きましょう」だ。
あれから何度か、家族に怪しまれない頻度で「飲み会」をしていて、ついでに言うとマコトさんを夫と会わせたことがある。
「あなた、この人はサトウさん、仕事で知り合って仲良くなった人なの」
「へぇ、はじめまして……エミカの夫です」
「はじめまして、サトウと申します……ドウミョウジさんとは仲良くさせてもらっています」
「失礼ですが、ご職業は?」
「新聞記者です、時々ドウミョウジさんが受付の仕事をしている企業様の記事を書くことが多いのでよく会うんですよ」
「そうだったんですね」
実はその男に妻である私は何度か抱かれているんだぞ、とは言えなかった。
それを言ったらおしまいだし、黙ってないといけないことだったからだ。
娘もマコトさんに懐いていて、私もマコトさんの妻と息子に会わせてもらったことがある……お互いの子どもが意気投合して仲良くなったのもあって、家族ぐるみの関係は今もまだ続いている。
そんな彼、マコトさんとの性生活は満足のいくものだ。
ただ毎回酔ったフリをしたマコトさんをビジネスホテルに連れて介抱するフリをするのは面倒だけど、それをやるだけの価値がこのセックスにはある。
特にする回数が多いのはビジネスホテルの浴室かベッドの上だ。
マコトさんはぽっちゃりとした私の身体の肉が好きなようで、よく「脇に挟んでしごいてほしい」だの「おっぱいを吸わせてほしい」だの言ってくる。
私は別に構わないからしごいてあげたり吸わせてあげたりするのだけど、あの童顔の男性がちゅうちゅうと私の乳を吸うのは面白い。
なにより必死な姿がとてもかわいい、撫で回したくなるくらいはいいので童顔の特権だよなぁ、とは思う。
そんな私とマコトさんは今日も居酒屋に行って乾杯する。
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