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痺れるような甘いスリル
「ちょっと今日は趣向を変えてみたいんだ」
意気揚々と私の前に差し出したのは真っ赤な首輪。
数回瞬きをしてから目を擦って、もう一度その物体を確認して、再度目を擦った。
幻覚ではないのだろうか。
そう思ってしまう程、真新しい首輪はしっかりと細い鎖と一緒に繋がれていて、それがどうしてか彼の手に握られていたのだ。
確かに彼との結婚生活はまだまだ短くとも交際期間が長かったこともあって、彼はマンネリ化をしているかもしれない。
けれど私は今の彼との行為には満足している。
「ど、どうして首輪なんか…」
「だから趣向を変えてみようって言ってるだろ? これ着けてさ、ここ歩くの」
にっこりと満面の笑みを浮かべて、彼はコツコツと車の窓を叩いて真っ暗な外を指差した。
顔を真っ赤に染めて、首を横に振って嫌だと叫んだ。
「い、嫌よ!そ、んな恥ずかしいの着けて外になんて出たくない…ッ!」
「んー…似合うと思うんだけどなあ…どうしても駄目…?」
惚れた弱みというやつだろうか。
それとも誰かの頼みを断れない私の性格を知っての行動なのか。
葛藤を繰り返した末に、彼に向かって顔を突き出した。
歓喜する声と共にスルッと首に巻かれ、チョーカーとはまた違う感触を感じた。
犬用なのか、それともそういう店で買ったのか。
どちらにせよ知りたくもない情報だった為、敢えて聞かないことにした。
「うんうん、似合ってる似合ってるよ!はあ…可愛い」
恍惚とした表情で私を見つめて、首に着けられた首輪をスルリと撫でてから、クンッと軽く鎖を引っ張る。
「なら、ここからは俺達は主従関係にならないとね」
やる気満々の彼の言葉に、一瞬目を丸くして言葉を理解する。
まさか彼にそんな趣味があったなんて、と驚きつつもしっかりと鎖が彼によって握られていた。
「もう嫌…帰りたい…」
「でも、たまにはこういうことしたいだろう?ずっと興味があったんだよ、付き合ってくれてありがとう」
優しい声で頬にキスをされてしまえば、
小さくため息を吐いて彼に付き合うしかなかった。
この時間帯はいつも人通りが少なく、仕事帰りの時はいつも私一人でこの道を歩いて家に帰宅している。
鎖を渡されて、そのまま助手席を降りてからおずおずと彼に鎖を手渡した。
「大丈夫誰もいないさ。ずっとやってみたかったんだよ。可愛いね、本当に可愛い」
可愛い、可愛いと言われてしまえば、やはり惚れた弱みで嬉しさの方が上回る。
チャリッと揺れる鎖を持った彼が、そのまま前を歩いて行き、一歩後ろを私が歩く。
傍から見れば、今の格好は犬の散歩と同じ姿をしているだろう。
こんな格好で、もし誰かに見られたらという背徳感に、変に周囲を見渡してソワソワとしてしまう。
街頭もなく、辺りは月明かりしか見えない。
「さ、ここからは俺と二人で楽しもうか」
そう言って私の方を振り向いた彼は、鎖をグンッと引っ張ってきた。
そして腕を強く引き寄せられて、薄暗い路地に連れ込まれたのだ。
何が起きたか一瞬分からないまま、不安げに彼を見つめると嬉しそうな目と視線が交わる。
「一度やって見たかったんだよ」
何をと、聞く前に彼の手はワンピースの裾を捲り上げてきていることに気付く。
太ももに手を滑らせて、ワンピースを下腹部の所まで捲り上げると満足げに笑みを見せた。
まじまじと私の下腹部を見つめながら、スルッと臍の下辺りに指を這わせる。
ひんやりとした冷たい感触が肌に伝わり、ヒクンと下腹部が反応した。
屋外でこんなふしだらな格好をしている自分に恥ずかしさが込み上がる。
もし誰かに見られでもしたらと、想像するだけで肝が冷えるのに、どうしてか体は期待に満ちていく。
「これしっかり手で持って?離したら…お仕置だからね」
耳元に寄せられた甘い声に小さく身震いをしてしまう。
震える指先で裾を持ち上げて、彼に見せつけるような形となり、顔に熱が集中する。
顔を逸らして、恥ずかしさから逃げようとしたが、それは彼の指によってできなくなった。
ショーツを横にずらして、膣の割れ目に指が滑り込んできたのだ。
「ひ、ッ…!?」
肉壁を割り開きながら中に入ってくる指が、上壁をクンクンと刺激してくる。
立っているせいか、普段とは違う箇所を押し上げられて徐々に腰が震え出す。
真っ暗の中にいやらしい水音が徐々に響き出すのが、余計に羞恥を煽る。
「や、ッ…そ、こぉ、ッ…だめ、ぇッ、んひッ…ぅッ…」
抑えられない声を押し殺しても、鼻から甘い声が抜けていき、どうしようもなかった。
唇を噛み締めても、いつもとは違う上壁を折り曲げた指で啄かれてしまえば、簡単に体は快感を拾ってしまう。
何かが違う。
そう思った時には、ゾクゾクと迫り上がってきた強い快感に抗えず、体を大きく仰け反らせて体をガクガクと痙攣させて絶頂した。
「あ、ッひ…!?な、んでッ…ぇ、ぅッ…?」
確かに絶頂を迎えたはずなのに、膣内がずっと痙攣していて、物足りなさを感じているのに気付いた。
強く指を締め付けているのに、電気のような甘い痺れがずっと膣内にあったのだ。
グチュッと指が動かされる度に、大袈裟な程ガクンと体が痙攣し、首を仰け反らせて連続して達した。
しかしやはり物足りないのだ。
ずっと膣内が痙攣し続けたまま、強く彼の指を締め付けるだけ。
「ぇ、ッ…んぅ、ぁ…?」
「ここ気持ち良いでしょ?これからもっと気持ち良くなるからね」
首輪を軽く引っ張られ、愛おしげに唇に軽くキスをされた。
絶頂を迎えても、中を強く締め付けて痙攣し続ける膣内に、突然指が何かを探るように上壁だけを啄き始める。
指を折り曲げて指の腹や指の先で、何かを探るように押し上げてくる。
物足りない刺激から、徐々に何かが下腹部からジワジワと込み上がってくるのを感じた。
膣内から溢れる愛液の量が増えていき、ヌチャヌチャとした粘着質な音に変わっていく。
「ひ、ッ、ひッ…ぅッ…?、なん…ッへ…ん…ッ、なん、か…ッ、や、ぁッ、そ、こぉ、そこぉッ、!…や、だッ、やだぁッ、あぁぁッ!?」
指先がゴリュッとふっくらとした箇所を押し上げた瞬間。
プシャアッと勢いよく噴き出る潮に、足がガクガクと震え、その場で崩れ落ちそうになった時、彼の腕が私の腰を引き寄せた。
しかしそのせいで更に強く敏感な箇所を指で押し上げられて、彼の肩口に額を押し付けて、止まらない潮を噴き出した。
膣内を強く締め付けても、指の動きが止まることはなく、それどころか先程よりもクンクンと激しく敏感な箇所を押し上げられて、何度も噴水のように潮を噴き出す。
「や、あぁぁッ!!んあぁッ、ぁ!!んぶッ、うぅぅんッ!!」
「駄目だよそんな可愛い声を出しちゃ。皆に聞こえちゃうじゃんか」
頭や頬に軽いキスをされながら、今度は中を掻き出すように指を折り曲げて、敏感な箇所を擦り上げられる。
とうとう耐えきれなくなり、絶頂を迎えるも膣内から噴き出る潮だけが止まらない。
恐怖心すら感じてしまう程、指を激しく出し入れされる度に噴き出る潮に、強烈な快感が体を駆け抜けていく。
「んんッ、あぁッぁ、ぁぁッ!!ひぶッ、んぅぅぅ、ッ!!」
ブシャアッと今までで一番勢いよく噴き出した潮に、痙攣する体。
何が起きたか自分でもわかっていない程、背を仰け反らせてびちゃびちゃと地面に潮を飛び散らせた。
潮やドロドロとした愛液で滴った指がやっと引き抜かれ、声にならない声を上げてまた絶頂を迎える。
もう耐えられそうになかった。
目の前がチカチカと点滅し、痙攣する体に彼の肩口に力なく項垂れることしかできない。
ぐったりと彼に身を預けていると、グンッと首輪を引っ張られ強制的に上を向かされた。
「ほら、ワンピースがずり落ちそうになってるから、しっかり持たないと。それに一番欲しがってるものをここに入れてあげないとね」
優しい声なのに熱を帯びた色気のある声で、囁かれてしまいコクッと息を飲んだ。
期待に震える膣内からはボタボタと愛液が滴り落ちて、地面に水溜まりを作り出す。
どこで誰かに見られるかも分からない状況に、興奮している自分がいるなんて。
ドロドロに濡れた指でガチャガチャとズボンのチャックを下ろして、窮屈そうに布を押し上げる股間に目がいってしまう。
無意識に舌なめずりをして、早くその昂ったものを入れて欲しいと望んでしまった。
下着をずり下ろして姿を見せた陰茎が、ズルンと勢いよく飛び出して彼の下腹にくっついてしまいそうな程、そそり立っていた。
見るのは初めてではないのに、どうしてかいつもよりも太さも長さも違うように思えて、喉が鳴ってしまう。
数回陰茎を上下に擦り上げて私の足をがに股にしてすぐに、陰茎を割れ目に数回擦り付けたかと思えば、グポッと勢いよく中に挿入した。
待ち望んでいたものが中に与えられて、私の膣はヒクヒクと嬉しそうに彼の陰茎をキツく締め付けた。
「はは、可愛い…そんなに待ちきれなかったんだ…少しぐらい待てを覚えないと、ね?」
甘い声で、首輪をグンッと引っ張られ頬にキスをされた。
早いペースで中を激しく突き上げられれば、我慢などできるはずはなかった。
深い所から浅い所まで一気に引き抜いたかと思えばすぐに深々と突き入れられる。
「や、ッ、あぁぁッん!!んんぅ、ぁうッ!!」
肉壁を押し上げて最奥に突き進んでくる陰茎の感覚に、いつも以上に敏感に感じ取ってしまう。
グリグリと回すように奥を突き上げられれば、声にならない喘ぎ声を漏らして体を痙攣させる。
スリルのある状況で、こんなにも自分は興奮してしまうのか。
真っ暗闇の中に響く、お互い下腹部をグッショリと濡らしながら突き上げる度に噴き出す潮。
恥ずかしさよりも、すでに快感の方が上回っていた。
「はあ、ぁッ…も…でそう…だし、ていい…?しっかり…子宮で受け止めて…」
グンッと少し強めに鎖を引っ張られ、上を向かされる。
まるで乱暴に犯されているような気分になって、無意識にキュウッと強く中を締め付けていたようだ。
歯を食いしばったのが見えた瞬間。
ビクンッと大きく脈打った陰茎の突き上げる速度が上がる。
体をガクガクと揺さぶられながら、必死に壁に縋り付き、体を駆け抜けていく快楽に酔いしれた。
ググッと強く一番奥を突き上げられた瞬間。
ビュクビュクッと勢いよく精液を膣内に吐き出された。
火傷しそうな程熱い精液が、お腹を満たしていくように下腹部がほんのり熱を持っていく。
自分の愛液と潮で濡れる地面に目が行き、顔が真っ赤になってしまう。
「は、ぁッ、ぁんッ…も…つかれ、た…ッ」
「ん…ッ、ごめん、まだ足りない」
「んぇ…ッ、?」
意味を理解する前に、ガツンと奥を突き上げられてしまい、ひゃうっと間抜けな声が口から零れた。
何が起きたか理解出来ず、呂律が回らない声を上げてしまう。
萎えてきたはずの陰茎が、既に硬度が上がり、最奥を強く突き上げられる。
「ひぅッ、えぁ、ぁッん!や、だッ!なん、で…ッ!も、やぁッ…!」
「こんなにビショビショにしちゃったんだからさ、我慢を覚えないと。俺の言う通りにちゃんと出来るよね?君ならさ」
甘い声で言われてしまえば、キュンと下腹部が甘く疼いて、情けない声が漏れた。
首輪をグンッと引っ張られてペットのように無理矢理視線を合わせられる。
うっとりと私を見つめる彼は実に満足そうで、あんなに嫌だったはずなのに、私もいつしかこの状況に酔いしれていることに気づいたのだった。
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