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汗に塗れた真夏のできごと
「ッ、ね、え…暑いんだけど…」
うだるような暑さの中で、体を密着してくる彼に、鬱陶しさが込み上がる。
エアコンも生ぬるい風しか出てこなくて、頼りになるのは海から漂ってくる潮風だけ。
私も他のコテージで一緒に眠れば良かったと後悔したが、既に隣のコテージのカップルは濃密な時間を過ごしていることだろう。
こんな暑くなるなら水着で寝たいくらいだ。
いやいっそのことなら裸で寝たい。
少しでも身動きするだけで汗が額に滲み出して、折角シャワーを浴びた体にじっとりと髪が張り付く。
それなのに今日知り合ったばかりの彼は、何度も何度も私を求めてきた。
腰に腕を巻き付けて、一切離れてくれない彼の頭を流石にググッと強く押し退ける。
「暑いんだからどいてよ。早く外に行くの。もう中から抜いてッ…」
「ええ?何言ってるんだよ。まだ満足してないんだからさ、お願いもう一回しよ?」
「絶対にやだ!もう暑いの!離して!抜いて!さっきもあと一回って言ったでしょ!?」
私の言葉に、拗ねるような顔で見つめてくる彼に胸がキュンと甘く疼く。
来れなくなった友人の代わりに、アプリで代用して誘い出したのは、ただの遊びだった。
最近友達代用として、マッチングアプリを利用する人がいるなんて話を聞いていたから、思い切ってやってみるかとなったのだ。
それがまさか自分好みの男性が来るだなんて思いもしなかった。
それに体格も良くて、スポーツインストラクターをしているらしく、程よく肌も小麦に焼けているのが何より好青年のように見えた。
他の友人達は恋人や好きな人を連れて来ているのに、私だけが初対面の人。
そんな不思議な空間なのに、年齢も近いことからすぐに友人達と打ち解けていた。
「はな、してよ…ッ、もうシャワー浴びたいの!」
「んー…じゃあ自分で抜けたらいいよ」
そう意地悪そうな顔で言い放った言葉に耳を疑う。
この人は一体何を言っているのだろう。
根元までしっかりと埋まった陰茎は、愛液を纏わせたゴムを装着したまま、まだまだ勃起していた。
簡単そうに思えて、中々抜くことなんてできない。
ずっぽりと腟内に深く埋め込まれた陰茎は、少しでも動けばトロトロと愛液が押し流されてシーツを濡らしてしまう。
首を横に振って、そんなことはできるはずがないと訴えてみるが、彼は嬉しそうに微笑むだけで折れることはなかった。
「ほら、早くシャワー浴びたいでしょ?ならきちんと抜かなきゃ。でも、こんなにずっぽり埋まったままで抜けるかな?でもぶっちゃけさ…興奮してない?中ヒクヒクしてるんだけど?」
図星を突かれたように、身を乗り出して私の耳元で甘く囁く彼に、思わず肩が跳ね上がる。
ググッと更に深々と奥まで到達してくる陰茎に、思わず身震いしてしまい、きゅうっと中を甘く締め付けた。
早く抜きたいと思うのに。
少し萎え始めていたはずの陰茎が、中で徐々に張り詰めていくのを感じる。
肉壁を押し上げてはみっちりと膣の中を埋めていく。
下腹部の急な圧迫感に、身悶えながらシーツに顔を埋めては、と熱い息を吐き出した。
このままでは本当にこの男の思う壺となってしまう。
それだけは阻止しなければならない。
唇を噛み締めて、目一杯腰を引こうとするが、みっちりと隙間なく埋め込まれた陰茎が、少し引き抜こうとすると肉壁をズリズリと擦り上げてしまう。
「ふ、ぅ…ッ、うぅッ…」
「ほらほら、頑張らないといつまでたっても抜けないよ?それにゴムの方が先に抜けちゃいそうだよ」
むにむにと臀部を撫でられながら、彼は身を起こして私の状態を眺めていた。
口角を上げて、さも楽しそうに見下ろす彼に、唇を噛み締めてググッと膣内を緩めようと小さく息を吐き出す。
しかし、抜けば抜くほどみっちりと埋め込まれた陰茎が良い所を掠めていき、堪えきれない喘ぎ声が漏れてしまう。
早く抜かなければと思うのに、中々思うようにいかない。
じっとりと肌に張り付く汗が気持ち悪くて、髪を掻き上げながら、グニュッと陰茎が中間まで抜けてきた頃。
コリっとした箇所を先端が掠め、思わず体を震わせて絶頂した。
「ふぐ、ッうぅ…!!」
「あらら、イッちゃった?こんなきゅうきゅう締め付けてたら抜くに抜けないよ。また埋めてあげるから観念しなよ」
ビクビクと痙攣する膣内に耐えきれずに、体を震わせながら余韻が消えるのを待った。
もう限界も近い。
みっちりと埋め込まれた陰茎の形がくっきりと分かる程、膣内が既に限界を迎えていた。
もどかしい快感と、裏筋やカリ首が肉壁を的確に擦り上げてくる感触に、腰を捩っていることも分かっている。
けれど早くシャワーを浴びたい気持ちと、この肌に張り付く気持ち悪さを何とかしたいという気持ちで、また引き抜こうとガクガクと震える腰に力を込めた瞬間。
ゴリュッと背後から突き上げられた。
「ひ、ぐッ、うぅぅ!!」
私の体に腕を回して逃げられないように抱き締められてしまい、折角中間まで抜けていた陰茎が、また深々と奥まで埋め込まれている。
顔を向けると、心底楽しそうな笑みを見せる彼と視線が交わる。
「な、んでッ、ぇ…?や、だぁッ、や、なのぉッ…」
「だって全然抜けないでしょ?いつまでも待ってられないよ。でもどうしてもって言うなら、上に乗ってくれたら、早く抜けるかもしれないよ?」
ぐるんと体を持ち上げられて、騎乗位をされ、深々と突き刺さった陰茎が、根元までずっぽりと埋め込まれた。
「ひぅ、うぅぅ!」
「ほんと俺のこれを受け入れてくれるのは君が初めてだよ。いつもは女の子達の方が先に泣いちゃってね。もう入らないって泣くもんだから中途半端なセックスしかできてなかったんだけど…君となら上手くできそうだよ」
うっとりと私を見つめる彼と視線が交わる。
深々と突き刺さった陰茎が、強く子宮を押し上げていて、先程とは比べ物にならない快感が体を駆け抜けていく。
体を前のめりにして、腰をガクガクと震わせ、ずっぽりと埋め込まれた陰茎を、中で締め付けることしかできなかった。
ポタポタと口から溢れる唾液が彼の胸板を濡らしていき、首を横に振って嫌々と抵抗する。
「むり、ぃッ、むりぃッ…や、だぁッ…も…うご、けなッ…」
「そう?じゃあ、このまま俺が動いたらどうなるのかな?さっきよりもずっぽし埋まってるし…君、壊れちゃうかもね」
悪い笑みを見せた彼に、生理的な涙が溢れた。
こんなに強い快感が頭を支配してるのに、もしこのまま突き上げられでもしたら。
そう想像しただけで、きゅうっと中を締め付けてしまったようで、彼が楽しそうに声を上げて私の腰をがっしりと強く掴んできた。
「なら、応えてあげなくちゃね」
私の臀部をぺしんと軽く叩いた瞬間。
ゴリュリュッと強く下から突き上げられて、声を上げる間もなく、背を仰け反らせて絶頂を迎えてしまう。
痙攣する体を抑えることができなくて、彼の腹部に倒れ込む形で、体を震わせていると。
下から突き上げるように激しく腰を動かし始めた。
「やだやだッ、ぁ、あぁ!!そ、れぇッ、んあぁぁッ!…むり、なのぉッ、な、かぁッ、ごり、ご…しな、でぇッ!!」
抑えきれない喘ぎ声が口から漏れ出して、何度も激しく下から突き上げられてしまえば、絶頂を迎える以外なかった。
連続して何度も達してしまい、ぜえぜえと息も絶え絶えに呼吸をして、ただ彼に身を任せるだけ。
ゴリゴリと激しく中を突き上げられる度に、強く膣内を締め付けて、ずっぽり埋め込まれた陰茎が中を動くのを感じる。
下腹部からコポコポと陰茎が中を押し上げているのが薄らと分かり、更に強く中を締め付けてしまった。
それに気づくように、彼が私の臀部を再度軽く叩いて笑みを見せた。
「は、ぁッ、おれのふといからさ…なかなか、ッ…うけいれてくれる子…すくない…んだよねッ…」
困ったように笑みを見せて、更に激しく下から突き上げてくる彼の言葉に、嬉しさが込み上がる。
そんな嬉しいことを言われてしまえば、喜ばないはずがない。
子宮だけを押し上げて、突き上げてくる陰茎に何度も絶頂を迎えて、こんなものを一気に引き抜いたらどうなるのか。
そんな僅かな興味が湧き上がる。
彼の下腹部に力なく手を置いて、ゆっくりと上体を起こして、ガクガクと震える足に力を込めて、ゆっくりと奥から引き抜いていく。
「ん…どうかしたの…ッ?」
不思議そうな顔で私を見つめる彼の下腹部に甘くキスをして、一気にずろろっと陰茎が抜けそうな所で止まる。
ドクドクと脈打つ陰茎の感触が気持ち良くて、期待に胸が膨らみ、小さく息を吐いて腰の力を抜いた瞬間。
ドスンッと腰を一気に降ろし、深々と陰茎を沈めた。
かはっと声にならない声を上げて、目を大きく見開いた。
肉壁を抉り、良い所全てを掠めながら中を突き上げられて、びゅっと勢いよく潮が噴き出す。
舌を突き出して、動けないままでいる私。腰を掴んでいた彼の手に力が入るのを感じた。
今突き上げられてしまったら、と焦る気持ちが湧き上がる。
「まッ、…!ひゃうぅ、ぅぅ!!」
「ほんとさ、いやらしい子だよね。潮まで噴くなんてさ」
そう嬉しそうに、早急に激しく中を突き上げてくる陰茎に、声にならない声を上げて背を仰け反らせた。
中を押し上げる度に、鋭い快感が体を駆け抜けていき、ビュッビュッと勢いよく噴き出す潮が、愛液と共に彼の下腹部をぐっしょりと濡らしていく。
もうそろそろ朝だというのに、一向に止まる気配のない彼に、ただ身を任せることしかできなかった。
「はひッ、や、ぁぁッ!!いやぁッ、そこぉッ!だめぇ、ッんあぁ!やだぁッ、いぐぅ、ッ!いくぅッ!!」
「ん…イっていい、よ…ッ!おれも、出すからぁッ…」
たっぷりと先端に溜まった精液が、ぷちゅんと中で弾けたような気がした。
トロトロとした液体が中を埋め尽くす感覚にさえ感じてしまい、大きく背を仰け反らせて体を痙攣させて達した。
ビュビュッと噴き出す潮が、彼が腰を動かす速度に合わせて飛び散っていく。
その刺激でずっと中を締め付ける形となり、彼の顔も徐々に余裕のない表情へと変わっていくのが分かる。
中を激しく突き上げられる刺激に、勢いをなくした潮を噴き出し、ガクンと体から力が抜けて彼の上に倒れ込んだ。
もう一歩も動ける力は残っておらず、かひゅーかひゅーと弱々しい呼吸をするだけで、ただ人形のように彼に揺さぶられ続けた。
「んぁ、ッ、あぁ!!やだぁ、うご、けなぃッ…!も、やめ…ッ、てぇッ…!」
「は…ッ、でッる…!」
ビクンッと激しく脈打った陰茎からビュルルっと吐き出された精液に、ゴムが破けたことに気づく。
膣内を満たしていく精液の量に、私も絶頂を迎えて、カクカクと腰を震わせた。
痙攣する陰茎から吐き出される精液が、ドプドプと奥から溢れてきて、臀部にまで垂れてきた。
ゆったりとした動作で子宮口に塗りつけるように、数回腰を軽く振って、彼の動きがやっと止まる。
ぼやける視界と回らない頭で、ぜえぜえと息をしながら何もない天井を見つめた。
すると油断していた体に強い衝撃が走る。
「あうぅッ…!?」
「何休んでるのさ。朝日が昇るまで一時間あるんだから…もう一回しようね」
優しい声とは裏腹に、強い衝撃が下腹部を駆け抜けて、汚い喘ぎ声が口から零れた。
「や、だッ、も…ッうそつきぃ!はな、してぇッ…や、なの、にぃッ…なんで…ッ」
疲れ果ててるはずなのに、中を強く締め付けてもっと精液を搾り取ろうとしてしまう。
彼の嬉しそうな顔と、舞い戻ってくる快感の波に、観念するように彼に縋りつきながら、自分も腰を振り乱すのだった。
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