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怒らせてはいけない人
「ねえ…これ本当に付けるの?」
彼の手に握られた物体を不安げに見つめた。
彼は私の不安げな表情を見た途端に、困ったように笑ってゆったりと中を突き上げる。
散々弄ばれた体内は過敏に反応をして、彼の突き上げに合わせて背を仰け反らせた。
彼はそれでも、良いところだけは外しながら、あくまでゆっくりとした動作で腰を動かしていた。
激しい突き上げではなくとも、先程の余韻が抜けない体では簡単に快感を拾ってしまう。
熱い息を吐きながら、何かの準備を始める彼に息も絶え絶えに声を掛けた。
「や、やっぱり…やめな、い…?それ使ってやる、んぁッ、の…ッ、は、ぅッ…やだ…ッ」
「ん…ッ、もっと気持ち良くなるからさ…ほら、抜くよ?」
ズルンと中から引き抜かれていく感触に、腰を震わせて唇を噛み締めた。
少し萎え始めた陰茎が、全て引き抜かれたことで、栓を失った膣の入口がくぱくぱと物足りなさそうに開閉してしまう。
枕に顔を押し付けながら、体を縮こまらせて全力で嫌だと意思表示をする。
しかし彼がそんな些細なことで止めてくれるはずもなく。
私の顔の横に手を置いて、すねないでと耳元で囁きながら、腰に指を滑らせる。
トプトプとひっきりなしに彼の出した精液が溢れ出し、シーツに溜まっていく。
その光景を想像するだけで、膣内がヒクヒクと痙攣してしまうのもまた長年彼に愛されてしまっていたせいだろうか。
ねっとりと彼の出した精液で満たされる膣にグチュッと指を挿入され、身を強ばらせる。
今まで散々中を蹂躙されたせいもあってか、彼の指だけでも充分に感じてしまう。
「んぅ、ッ、やぁッ、ゆ、びッ、やだぁッ…」
「嫌じゃないでしょ?ほら、欲しい所啄いてあげるからさ。どこが好きだったんだっけ…」
独り言のように呟きながら、彼がゆっくりと指を回転させたり、奥へ挿入してまた入口まで引き抜いたりと弄んでくる。
グニグニと膣内を弄ばれて、体を縮こまらせながらキュッと強く膣内を締め付けると、嬉しそうな声が上がった。
「…やっぱりここが好きだったんだ。いつもここ突き上げると声押し殺すよね?」
「ち、ッ、違うッ…!そ、んなとこ…ッやあぁ!?」
グポンッと上壁を擦り上げながら、一気に引き抜かれた指に、背を仰け反らせて絶頂した。
彼の精液で満たされた中が激しく痙攣し、ビュッと中から潮のように噴き出す。
ビシャビシャと膣内から噴き出す精液を、彼が掻き出すようにまた指を挿入して上壁を擦りだす。
何度も挿入されてはすぐに引き抜かれを繰り返されて、徐々に先程の熱が再熱するように湧き上がる。
ゾクゾクとした快感が背筋を駆け抜けていき、シーツを強く握り込んで、ただ終わるのを待つしかできなかった。
それからある程度掻き出したのであろう、膣内から指が引き抜かれ、代わりに別の物が宛てがわれた。
フワフワとした尻尾のような物が付いたバイブが、今まさに膣に当てられていた。
トゲトゲとした禍々しい突起物が、根元から先端に掛けて付いており、先端はシリコン製だとしても鋭利に尖っている。
恐怖でヒクッと喉が震えて声を失う。
そんなもので中が満たされるはずがない。
それに今までそんな物を使った行為など一度もしたことはないのに。
けれど一つだけ思い当たる節があった。
禍々しいソレを手に持って楽しそうに笑みを浮かべる彼の方を、恐る恐る見つめて問い掛ける。
「ね、ぇ…ッ、き、のうのこと…怒ってるんで、しょ…ッんぅ…」
私の言葉に彼は一瞬、笑顔をなくして私を見下ろしていた。
たったふざけた一言だった。
交際期間5年、結婚して3年。
彼のことは何でも分かってるつもりだったし、その程度で怒る彼ではないと思っての言葉だった。
見くびっていた訳ではないけど、ただ他の夫婦のように嫉妬をしない彼に少しだけでも、嫉妬して欲しかったのだ。
涙の浮かぶ視界で彼の姿を捉えながら昨日のように謝罪をした。
「ご、めんなさッ…べ、べつにあなたを見捨てる訳じゃッ…!そん、なつもりなんてこれっぽっちもないのッ…!」
「でも、あの言葉は傷付いたなあ…だからさ、そんな言葉を二度と言えないように、俺で満たしてあげるから」
嫉妬して欲しかっただけだったのに。
彼と結婚して以来、男性と一緒に飲みにも行ったことはないし、冗談でもそんなことは一度も言ったことはなかった。
だが友人達の話を聞いて、自分にも少しだけ嫉妬して欲しいと思ってしまったのだ。
男性と二人きりで飲みに行くのも嘘だし、ずっと仲が良かった男性なんてのも嘘だ。
けれど彼はあの晩、何の疑いも持たずに男性と二人きりで飲みに行くことを伝えても笑顔で行ってらっしゃい、と送り出したのである。
まさかここまで寛容だったとは。
なんて友人達に関心されていたが、それがまさかこんな形で報復されるなんて。
弁解するように、彼に手を伸ばして違うと叫んだ。
「ち、違うのッ…!あの時はただ、あなたに嫉妬して欲しくて嘘をッ…」
「…知ってるよ。君が嘘をついていたのも。君の友人達から聞いたからね。それでも、嘘をついたことは良くないよね?」
今までにないくらいの笑みを見せて、バイブのスイッチを入れて、動きを試す彼に顔から血の気が引いていく。
彼を嫉妬させたいからって、なんてことを言ってしまったのだろうか。
そう後悔するも、時既に遅しだ。
ローションをたっぷりとバイブに塗り込んで、しっかりと馴染ませている姿を見て首を横に振った。
謝っても彼はきっと実行する気なのだろう。
ならばと、逃げようと上体を起こそうとした時。
グパッと指で膣を押し広げられ。
強い衝撃と共に、刺々しいバイブが肉壁を抉りながら入り込んできた。
「ひぐッ、うぅぅ!!」
長さも太さも規格外で、刺々しいシリコンの突起物は、案外硬くて肉壁をゴリゴリと抉られていく。
「や、あぁッ!いやぁ、ぁぁッ!!それ、やだぁッ!いた、ッぃ、ひゃう、ッ!?」
身悶える私を嬉しそうに見つめながら、バイブのスイッチを入れた彼。
ブブブッと聞こえてくる機械音と、グリングリンと回るようにバイブが動き出す。
駆け抜けていく快感に、どうすることもできなくてただ腰を震わせながら、強くシーツを握り締めた。
はひはひ、と舌を突き出して体を駆け抜けていく快感に、シーツに顔を埋める。
バイブが蠢く中で、フワフワと宙を舞う尻尾に、恥ずかしさを感じて思わず目をギュッと閉じた。
しかしそのせいで余計に体に響くバイブ音と、駆け抜けていく快感を拾ってしまった。
何度も中に出された精液が滑りを良くしているようで、ヌチャヌチャと激しい音を立てながら、バイブが蠢いていた。
浅い所から深い所までを一気に刺激され、背を仰け反らせて絶頂した。
「ひぐッ、うぅんッ!!やだやだぁッ、ぁあんッ、ひゃぅ、ッ、あぁぁッ!」
「何が嫌なんだよ。こんなに気持ち良さそうにしてる癖にさ。ほら、もっと弄って欲しいんでしょ。もっと奥まで欲しいって言えば良い」
まるで呪文のように耳元で甘く囁かれ、首を必死に横に振って抵抗することしかできなかった。
ビクビクと痙攣する体では、膣内を強く締め付けてしまうだけだった。
そのせいでくっきりとバイブが蠢くのを感じ取ってしまい、体を震わせて連続で絶頂を迎えた。
震える体を抑えたくても抑えられなくて、必死にシーツにしがみついた。
それを彼は気に食わなかったのか、拗ねるような声で体を仰向けにされ、更に深くバイブを押し込まれた。
バイブを握られて、彼の思うままに深く奥まで挿入された。
「ひぅ、うぅ、ぅッ!!そこ駄目なのぉッ!や、ッ、ぁぁッ!!やだぁッ、や、だぁッ!!」
泣き叫んでもしっかりと押し込まれたバイブのせいで、子宮を押し上げられる。
ガクガクと腰を震わせて、涙をポロポロと流し彼に向かって手を伸ばした。
それを彼は満足気に見つめて、やっと私の体を抱き締めた瞬間。
ずろろっと、勢いよくバイブが肉壁やらGスポットやらを抉りながら、引き抜かれたことで絶頂を迎えた。
ビクンビクンと魚のように体を痙攣させて、まともに息も吸えずに、引き抜かれた余韻を感じていると、彼が私に覆い被さってくる。
「や、ぁッ、や、だぁッ…や、すみた…ッ、きゅう、け、させ、てぇッ…!」
そう懇願しても彼は、一切休ませてくれる気配はなく、それどころか私の腕を押さえつけてきた。
無理矢理されている訳ではないのに、逃げることも隠れることもできない状況に、恐怖心が込み上がる。
首を横に振り乱して、これから彼が何をしようとしているかをそそり立っている陰茎を見て気付いた。
今こんな敏感な所に挿入されでもしたら、耐えられる自信なんてない。
彼を説得するように、体を走る快感をやり過ごそうと彼に声をかけようとした時。
「ホント動物の交尾って感じだよね。今までの甘ったるい恋人のようなセックスと比べると。ねえ、本当は興奮してるんでしょ。嫌だって言う割にこんなに垂れ流してさ」
責め立てられるような言葉遣いに、ボロボロと涙を零して、首を振って否定する。
しかしそんなものはきっと何の意味も持たない。
「素直になりなよ。動物のような激しい交尾を俺達もしようよ」
そう甘く囁かれてしまえば、何かがブツリと切れるように笑みが零れた。
自分でも何をしているのか分かっていないし、何を口走っているのかも分かっていなかった。
彼の首に腕を回して引き寄せ、自分の濡れる股を押し付ける。
もう我慢なんてできなかった。
早く彼のモノが欲しくて、もっと強い快感が欲しくて、彼に向かって笑みを見せた。
陰茎が粘着質な音を立てて中に挿入された。
浅い所から深い所まですんなり入れられて、ガクガクと腰を痙攣させて歓喜する。
やっと玩具ではない望んでいたものを挿入されて、嬉しくて堪らなかった。
「んひッ、あぁぁッぁ!!それ、すきぃッ、しゅ、きなの、ぉッ、!」
「あ、ははッ…可愛い…可愛いよ…もう、あんなことしないでね。俺だけに溺れて、俺だけを見てよ」
何度も確認するように、優しく問いかけられて素直に頷くだけだった。
ガツガツと最奥を貫かれ、腟内を痙攣させて絶頂を何度も迎えた。
それでも快感はずっと押し寄せてきて、早く早くと陰茎を強く締め付ける。
彼が腰を動かすのに合わせて自分も激しく腰を動かす。
その振動が体に響いて、たまらなく好きだった。
そのままずっぽりと根元まで埋まった陰茎を、きゅうッと強く締め付けると、彼も張り詰めた息を吐き出す。
「は、ッ、ぁッ…!も、でる…ッ、でそう…ッ!」
「んあぁッ、!ひぅ、ぅッ、あ、ぁぁ!きて、えぇッ、も、いくぅ、ッいくいくぅ!!」
お互いに獣の咆哮のような声を上げて、バチュバチュと激しく粘着質な音を響かせて、最奥目がけて何度も浅い所から深い所まで、一気に突き上げられた。
腟内で脈打つ陰茎をキュンッと強く締め付けて、ビクンビクンと別の生き物のように痙攣した瞬間。
ビュルルッと勢いよく、膣内に精液が吐き出された。
ビシャビシャと子宮口手前まで吐き出されて、嬉しさが込み上がる。
硬度を失った陰茎が、すんなり膣内から引き抜かれヒクヒクと膣が痙攣した。
物足りなさを感じて、ジッと熱い視線を向けると、はたっと嬉しそうに口端を上げた彼と視線が交わる。
「そんな熱烈に見つめんなって…ほら、もっと楽しもう」
そう言って、根元から先端に掛けて激しく陰茎を擦り、またそそり立ち始めた陰茎に、私の笑みが零れるのだった。
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