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BL

独占欲に溺れて

 単純に見た目がタイプだった。つい目で追ってしまっている俺の姿は、周りの目にはストーカー予備軍として映っていそうだ。それでも追うことをやめられない。他の人と話していたり一緒に歩いているところを見ると胸がざわついたが、それには気がついていないふりをしていた。ただの友達でいられれば十分だと思っていたから。
 大学に入学し、1番最初にビラを受け取った飲みサークルの新歓に行った日、俺はルキに出会った。お店を貸し切るくらいたくさんの学生がいる店内。ルキは真っ白な肌に髪を深めの青色に染めており目立つ見た目だからか、読者モデルをやっていると噂されているからか、ずっと誰かしらに話しかけられていた。俺は適当にそこらへんにいる人たちと話しながらも、代わる代わるいろんな人と話しているルキを目で追っていた。
 少し人が減った時に近づいていくと、ルキはカルピスソーダを飲みながらちまちまとフライドポテトを食べていた。そんな姿も絵になっている。
「ずっと見てたよねえ僕のこと」
「えっ」
「あんなにガン見されてたらさすがにわかるよー」
「そっか……ごめん」
 謝ると、ルキはフライドポテトをつまむ手を止めて、俺の顔を見ながらくすくすと笑った。目を細めて笑う顔も綺麗で目が釘付けになってしまう。
「謝んなくっていいよ。見られるのは慣れてるし」
「そうなんだ」
「今度一緒に講義受けない?」
「え、いいけど」
 顔面が好きな人に誘われるだなんて。突然のことに戸惑いよりも嬉しさが上回り、勝手に口角が上がってしまうのを慌てて堪える。
「ショウね、よろしく」
 ラインを交換し、登録名を見てまたルキはにこにこ笑っている。その笑顔を見ていると、自分が気に入られたみたいな気分になってくるから不思議だ。そう思わせるのが得意な人間なのかもしれない。送られてきたラインのスタンプを確認していると、また他の人が近づいてきた。
「またね、ショウ」
 席を立つと、ひらひらと手を振ってきた。それに振り返して、俺はさっきまで座っていた席に戻っていった。
「どうだった?あいつ」
「なんか、人がひっきりなしに喋りかけにいってる意味がわかったわ」
 さっきまで少し話していた人に聞かれそう言うと、なぜかそいつは小声になった。
「あいつさ、すげえ綺麗な顔だけどモデルやってる以外の噂もあって、」
「何?」
「まあこの先仲良くしたいなら知らない方がいいかもなー」
 にたにた笑いながらそう言われ、それならいいやと話を遮った。
 それからルキとはちょいちょい会うようになった。同じ講義を受けたり食堂や大学近くのカフェでご飯を食べたりといろんなことをしたが、いつも誰かしらがそばにいて、完全に2人きりになることはない。だいたい5人ぐらいでいてそのメンバーはいつも違った。そこには新歓で見た顔もいれば、全然知らない人もいる。初めはみんなで話せるように気を配っていたが、だんだんその人たちに自己紹介するのもめんどくさくなってきて、会ってもルキとしか会話をしなくなった。
 そんなある日の夕方、珍しくルキの方から連絡がきた。とある建物のリンクと「ここに今日19時」とだけ書いてあった。アクセスを調べてみると駅から近く、何も予定がない俺はすぐに家を出て電車に乗った。
 なんのために呼ばれたのかは全く検討がつかない。ただ、自分の好きな友達からの建物のリンクと短文だけの連絡に心がざわざわしていた。今度こそ2人っきりになれるのかもしれないと思うだけで胸の鼓動が速くなっていくのを感じる。目的の駅で降り、そこから少し歩いたところのビルに入る。インターホンを押すと知らない男がすぐに鍵を開けてくれた。また2人きりではなさそうだ。
 そのまま奥の部屋に入っていくと、大きめのベッドの周りをパンツだけ履いている人が取り囲んでいた。静かな部屋に、ぴちゃぴちゃと卑猥な水音だけが響いている。
「ルキ……?」
 まさかと思って近づいていくと、ベッドには何も纏っていないルキが、同じく何も着ずに横たわっている男の人のちんこを咥えていた。目を瞑り、それを大きくしようと必死に口を動かしている。その近くでは、小さめのカメラで動画を撮っている人もいる、
「おぉ、きたきた」
「君も個人撮影の男優さん?」
「え、撮影?」
「……っ、その人は、違うっ」
 口から取り出したものを手で刺激しながら、ルキが口を開いた。動画の撮影を停止する音がして、一旦撮影が中断されたことを察する。やらしい内容の個人撮影、新歓の時に近くにいた人が言いかけていたことを思い出す。
「ショウ、そこのソファーにいて」
「えっ」
「座って、ただ僕が犯されるのを見てて」
 言われた通りにベッドの近くにあるソファーに座ると、また動画の撮影開始を知らせる音がした。手で刺激していたものを再び口に含んでいる。小さい口に入るには大きすぎるちんこが、吸引するたびにどんどん大きさを増している。
「ルキくんかわいいねえ」
「小さいお口で咥えててえらいねえ」
 周りを取り囲んでいる人たちがにちゃにちゃと笑いながらルキに言葉をかけている。喉奥まで突っ込まれたルキが涙目になっているのを見て、1人の男が下着をおろした。完全に硬くなったちんこが顔を出し、急ぎめにそれにゴムを被せている。口からちんこを抜かれ、物欲しそうな顔をしたルキくんがゆっくりとベッドに寝そべった。
「ルキくん、そろそろなかに挿入してもいい?」
「んぅ……ほしっ……」
 ルキがとろんとした目でゴムをつけた男を見ている。その艶かしい目つきに、俺のモノもズボンを押し上げていた。やばい、こんな酷いことされてるんだから、反応しちゃいけないのに。男としては正常の反応だとしても、友達にこんなことは。
 いや、最初から俺はルキのことを、ただの友達として見ていなかった。顔がタイプだという言葉に逃げていただけで、本当は性的な目で見ていた。そんなことは言えない。最近会ったばかりの男にそんな感情を抱いているなんて言えない。
 四つん這いになるルキ。もう準備ができているらしい秘部にちんこを押し当てられている。
「ぁああ……はいって、くる……ッ」
 はちみつのようにとろとろの声を漏らしながら、後ろから腰を掴まれ挿入されている。さっきまで口で奉仕されていた男が、ルキのお尻の近くでちんこを扱いている。
「ぁんっ、あっ、あっ、はげしっ」
 腰を強く掴まれ、勢いよく腰をぶつけられている。ぶつけられるたびに太ももががくがくと震え、始まったばかりなのに今にも崩れ落ちてしまいそうだ。
「ルキくん……っ、出るっ」
 自分のちんこを扱いていた男が気持ちよさそうなうめき声を出してすぐ、ルキの白いお尻に精液をかけた。まだ精液が垂れているちんこを口元に近づける。後ろから乱暴に突かれながらもちゅぶちゅぶと残りの精液を吸い取るルキ。
「こんなに強く吸われたからまた勃っちゃったな……次終わったら俺入れようかな」
「じゃあ俺もう出すわ」
 後ろで腰を振っている男が、さらに速く腰を動かしていく。
「ぁあっあっ、あ……ッ」
 もう声が枯れかけてしまっているルキを気にすることなく、肌と肌がさっきよりも激しくぶつかり合っている。ぐっと腰を掴み、奥の方で吐精したらしい。
「ぁ……あ……出てう……っ」
 ゴム越しにもどくどくと震えている感覚が伝わるのか、ルキがぎゅっと目を瞑っている。後ろからちんこを抜いてすぐ、さっき口で精液の残骸を吸われていた男が挿入し始めた。
「やっ……連続でっ、やだやだぁっ」
 泣きながら足をばたばたさせても、男の人は抜いてくれることなく腰を振り始めてしまった。もう膝を立てていられず完全にうつ伏せになってしまっても、それまでと同じくらいの強さで腰を振られている。涙でべしょべしょになった顔を見て、さっきよりも自分のちんこが硬くなったのを感じた。
「相変わらずルキくんのなかは気持ちいいなあ」
「ぁあああっ、あっ……もっ、やらッ」
 ぐりぐりと奥を抉るような腰の動きに、本格的に泣き始めている。それでも誰も止めないどころか、カメラを持った男が近づいて泣き顔を撮っている。
「なかに出すぞっ」
「ん……ぁああッ」
 腰の動きがゆっくりになり、男がなかに射精したことを察する。男がちんこを抜くと、動画の撮影を停止する音がした。
「ルキくんありがとう。いい感じに修正してまたアップしとくから」
「はあ……はあ……ありがとう、ございます」
 ルキが横たわったまま息も絶え絶えに礼を言うと、男たちはぞろぞろと出ていった。
「ルキ、大丈夫か?」
「……どうだった?」
「どうっ、て」
「ショウが僕のこと好きだって、気づいてないと思った?」
 息が整ってきたルキが妖しい笑みを浮かべながらそう言った。俺のこと全部見抜かれていたらしい。俺がルキを性的に好きなことも、全部。
「今まで2人っきりにならなかったでしょ?それでも何もしてこなくて……いかがわしい撮影の現場見せたら、ショウの独占欲引き出せるかなあって」
 その言葉を聞いた瞬間、俺はうつ伏せになっているルキのお尻を掴み、ぐるりと仰向けにした。乱暴に服を脱ぎ、何も纏っていないちんこを挿入していく。太ももを掴み、さっきの男たちよりももっと激しく腰を打ち付けていく。
「ぁ……っ、やっと、独占っ、してくれるんだあ……ッ」
「もうあんなことするな。俺としかしないって約束したら、このまま中に出してやる」
 肌と肌がぶつかる乾いた音のあいだに、俺たちの話し声が響く。出す、という言葉に急激になかがきゅんきゅんと締まるのを感じた。
「ん……っ、嫉妬させるため、だったから、あ……っ、も、しないッ」
「わかった」
「好き……っ、ショウ、最初にあったとき、からぁっ、すきっ」
「俺もだよ……ルキ」
 腰を振りながら上半身を倒し、唇を重ねる。ぬるぬるした舌が絡み合った瞬間、今までにないくらいの興奮に脈がますます速くなる。ごりゅごりゅと奥を抉るような動きをしてすぐ、俺はルキのなかに出した。
 なかから萎えたものを抜き、ぐったりしたルキを抱きしめる。もう俺だけのものだ。もう他の誰にも、指一本も触れさせるものか。

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ichigomilk

つたない文章ですが、みなさんの心に届きますように!どうぞよろしくお願いします!

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