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いじわるなあなた
「ねえ、ここまで来て仕事なんて持ち込まないで」
ホテルに着いて早々に、パソコンを開き出した彼に小さくため息を吐いた。
これから二人だけの楽しい行為が待っているというのに。
それでも彼は全くこっちを振り向こうとはせず、真っ直ぐにパソコンと向き合ったまま微動だにしない。
折角二週間ぶりに会えたというのに、彼は全く私に見向きもしてくれず、拗ねるように唇を尖らせて、シャツのボタンを外しながら彼に近付いた。
そんな私の行動すら気づかない彼の前の椅子に腰を掛けた。
そして、ホックを外してスカートも脱いで足を組み、テーブルに肘を着いて彼を見つめた。
「まだ終わらないの?」
「すみません…これ終わらせないと部下が怒られてしまうんです」
「…ホントお人好しよね。部下の失敗をあなたが被る必要なんてないのに」
「それでも、結局誰かがやらないといけませんし…」
そう言ってまたパソコンに向き合った彼に、唇を尖らせて、じとりと睨むように見つめる。
それでも私の不機嫌に全く気付きもしない彼に、ワイシャツを脱ぎ捨ててテーブルに肘を付いた。
ヒールを脱ぎ捨てて、彼の座った椅子に向かって足を伸ばし、つま先で膝をスルリと撫で上げた。
それでも彼は私の方を見ることはなく、ただのイタズラのようだと思われているらしい。
むくれるように、更に上へ上へとつま先を滑らせて、コリっと股間につま先を軽く押し当てた。
すると流石の彼も体を跳ねさせて、顔を真っ赤に染めて大きく目を見開き私を見た。
何事もなかったかのように、頬杖を付きながら鼻歌を歌い、気付かぬ振りをした。
「な、何をしてるんですか…ッ!」
「何が?ほら、仕事に集中しなきゃ。部下の仕事終わらないわよ?」
眼鏡を掛け直して、こちらをじとりと見つめるも、すぐにパソコンと向き合う形となって、キーボードを打つ音が室内に響き出す。
それを横目に見ながら、またクリクリとつま先で股間を弄る。
けれど彼は時折ビクッと肩を震わせるだけで、それ以上の反応はない。
これだけ反応が薄いと、流石に寂しく感じるし、少しばかりムキにもなっていく。
ならばもっと私を見てくれるようなことをしてあげよう。
そう心の中で静かに決心して、啄いていたつま先を、今度は足の指を開いて股間をコリコリと刺激すると、流石にムクッと股間が反応を示した。
熱い昂りが一瞬ビクッと震えたのを感じ取り、思わず口端を上げてもっと反応を見てみたくなる。
そのまま足の指を使って、前後に擦り上げると徐々に硬く質量の増していく股間に、ふふと声を抑えられずに笑ってしまう。
チラリと彼の方を見ても、顔を真っ赤に染めたまま一切こちらを見ようとしない。もう我慢がならなかった。
早くこっちを向いて構って欲しい。
ビクビクと震えてきた股間に、口元を抑えながら静かに自分も熱い吐息を吐き出した。
今日彼と会う為に、一人ですることも我慢したし、体だって綺麗にケアをして来たのだ。
彼とアプリで知り合って、体を重ねるようになってから既に一年ちょっと。
セフレも何人か作って来たが、彼が私の体を満たしてくれるようになってからは、セフレとの関係も全て切った。
周囲からも驚かれるような私の変貌っぷりは、彼だけが何も気付いていないだろう。
優しくて、時折見せる年上とは思えないイタズラを思いついたような子供っぽい表情がたまらなく好きだった。
いつもは主導権を握って、いい様に腰を振って楽しむのが普通だったが、彼と出会ってからは私に主導権などなくなった。
あんなに荒々しく抱いてくれるのは、彼だけだったから。
思い出すだけでも、下腹部が疼き熱い吐息を吐き出さずにはいられない。
仕事ばかりに打ち込む彼を見つつ、私も自分の太ももに手を滑らせて、ジワジワと滲み出していた、しっとりと濡れる膣に触れた。
指先で弾くように、布越しに膣の割れ目を擦り上げると、途端に甘い痺れが体を走り、久しぶりの快感が体を駆け抜ける。
しかし、やはり物足りなさを感じるというもの。
自分の手でもそれなりに、楽しめるには楽しめるが、彼が目の前にいるというのに、何もしてくれないのは、正直な所少し虚しい。
は、と熱い吐息を吐き出しながら、膣を弄りつつ、ふっくらと既に臨戦態勢で、今にも布を突き破ってきそうな程、主張し始めた股間にグリッと指で強く擦り上げた。
その瞬間、ビクンと大きく震えた股間からビュルビュルッと何かが吐き出される感触が足先に伝わった。
深い呼吸音とパタンッと強く何かを閉じる音が目の前から聞こえてくる。
ガタッと勢いよく椅子を引く音が聞こえて、目の前の彼に視線を向けると、顔を真っ赤にして、歯を食い縛り、強く私を睨み付ける彼と視線が交わった。
「…イタズラが過ぎますよ」
「あら、イタズラしても良い状態で私を放置したのは誰かしらね」
私の言葉に小さくため息を吐いて、堪忍したように私の横に立つと、ネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンを外し始める。
そして熱の孕んだ目で私を見つめながら、頬を両手で掴んで、乱暴に深いキスをされた。
唇を吸い上げるようにちゅうっと、吸い付かれつつ、少し空いた唇の隙間から火傷しそうな程熱さを持った分厚い舌が咥内に入ってきた。
上壁や歯列などをなぞっては、一人で楽しむように咥内を動き回る。
今度は奥へと逃げていた舌を絡め取り、ぢゅるっと強く吸い上げられた。
甘い痺れが体を走り、ビクンと体が魚のように跳ね上がる。
久しぶりのキスに咥内まで犯されているような気がして、もっと欲しいと自分も彼の舌に自分の舌を絡めて、吸い付いた。
すると彼も堪えきれないように顔を顰めて、目を細めて口端を上げたかと思えば、無防備だったしっとりと濡れる膣に指が這わされ、強い力でコリコリと秘豆を擦り上げられた。
「ひ、んぅぅ、ッうぅぅ!!」
久しぶりの強い刺激に、ビクビクと腰が震えて、大きく背を仰け反らせて絶頂してしまった。
彼の唇を僅かに甘く噛んでしまったようで、唇に私の歯型が付いてしまっていた。
それでもキスが終わることはなく、何度もついばむように唇に吸い付かれ、足がカクカクと震えてしまう。
それと同時に秘豆もコリコリと擦り上げられれば、簡単に二度目の絶頂を迎えた。
ひぐ、と情けない声を上げて、腰をガクガクと震わせた所で、椅子からずり落ちそうになった。
その瞬間に、脇の下に彼の腕が入って、床に落ちる所で体を軽々と持ち上げられ、抱き上げられた。
私をベッドへと押し倒して、覆い被さってくる彼。
流石に仕事をするような目ではなくなっており、情欲を纏った強い眼差しに思わず喉が鳴る。
トロトロと愛液がショーツの隙間から溢れて、ベッドのシーツに滴り落ちた所で、足を持ち上げられた。
「足を持ってて。これから君をもっと気持ち良くしてあげるから」
体を丸めるように、足をゆっくりと持ち上げた。
力の入らない手では今にも足を離してしまいそうで、彼に限界が近いことを伝えるように見つめた。
すると腰を少し浮かせられて、ショーツを中途半端に脱がされた。
太ももまで下ろされたショーツには透明な液体がべっとりと張り付いていて、数滴太ももに滴っているのが見えて、顔に熱がこもる。
コクッと喉が鳴り彼を求めるように見つめると、カチャカチャとチャックを下ろして、ズボンを少しだけ脱いだ。
下着には先程吐き出した精液の染みが浮かんでいて、思わずゾクゾクとした快感が走る。
熱い吐息を吐き出しながら、ずらした下着の中からズルッと姿を見せたのは、白濁とした精液を纏わせて、既にそそり立っている陰茎。
ビクビクと上へ上へとそそり立つ陰茎の先端は、べっとりと精液が張り付き、張り出たカリ首にはまだ精液が滴っているのが見えた。
「そんなに俺とセックスしたかったんだね。可愛い子だ。なら君が望むように、いつもよりも優しく抱いてあげようか」
掛けていた眼鏡をベッドサイドに置いて、目を細めてから、私の足を撫でる。ちゅっと軽くキスをされた。
その感触さえも、敏感に感じ取ってしまった体に膣内がヒクッと震えた。
その光景が目に入った様子で、うっとりと嬉しそうに股を見つめて、トロトロと愛液の流れる膣に、陰茎を押し当ててきた。
ビクンと陰茎が膨張したのを感じ取り、膣内が嬉しそうにヒクヒクと畝り出す。
張り詰めた息を吐き出してすぐ、ググッと陰茎が肉壁を割り開いて挿入された。
久しぶりの硬くて太い陰茎に、心臓が早く脈打ち、期待に胸を弾ませながら、肉壁を押し上げながら入ってくる陰茎に背を仰け反らせた。
「んひぅぅ、ぅぅ、あぁッ、ふとぃ、のぉッ、すきぃ…ッ!」
カリ首が浅い所を引っ掛けながら突き上げてきて、久しぶりだったこともあって、狭い膣内には痺れるような快感が走る。
ググッと狭い肉壁を押し上げながら、どんどん奥へと挿ってくる陰茎に、足を支えていた指に力がこもる。
いつもとは違った体勢だったこともあって、ゴリゴリと、普段は突き上げることのない上壁をカリ首が引っ掛かりながら挿入されてくる。
彼の張り出たカリ首が膣内で何度もコリコリと肉壁を引っ掛けてくる感覚が堪らない。
だからこそ、彼とのセックスは最高に好きだった。
甘ったるい喘ぎ声がひっきりなしに口から溢れて耳を塞ぎたくなる。
早く最奥を突き上げて欲しいのに、ゆったりとした突き上げしかくれなくて、首を横に振り乱し涙が溢れた。
「は、やくぅぅッ!も、っとぉッ、んあぁッ!お、くぅッ、おくぅ、ほ、しぃッ、あぁッ!!」
「…待たせた分、優しくしてあげようと思ったけど…俺が、そろそろ限界かな…ッ」
困ったように笑みを浮かべた彼は、バチュッといきなり勢いよく腰を打ち付けてきた。
喘ぐ暇もなく油断していた体は、呼吸を上手く吸えなくて、大きく目を見開き涙を溢れさせることしかできなかった。
グリグリと押し上げるように、最奥を突き上げてくる彼に、首を横に振り乱した。
「や、ぁッ、あぁッ!!いや、ぁぁッ!それ、やぁッ、やだやだぁッ!」
「嫌って言ってもここ好きなことぐらい知ってるよ…ッ、ん…あんなに煽ってきた癖に…ほら、もっと頑張って耐えてね?」
意地悪そうな笑みを浮かべて、ガツガツと私の好きな所ばかりを打ち付けられて、少しでも強い快感を逃がそうとするが、自分で足を持っている為、どうすることもできなかった。
優しい声とは裏腹に、荒々しい突き上げをされる。
私はそれがたまらなかった。
弱々しいいつもの彼とは違った一面を見れることが何より好きだった。
私よりも年上の癖に、ひ弱でいつもオドオドしているのに、性行為の時ばかりは荒々しい雄を見せてくる。
バチュバチュと激しく中を突き上げられる度に、止めどなく甘い喘ぎが漏れて、ゴリュッと強くカリ首を肉壁に引っ掛けた時。
「そ、こぉぉッ、だ、めだめぇぇッ!!」
大きく体を仰け反らせて、ガクンガクンと体を前後に震わせて、絶頂を迎えた。
絶頂したことで、強く陰茎を締め付けた瞬間。
ビクンと陰茎が大きく震えて、質量が増したような気がした。
歯を食いしばり、熱い吐息を吐き出す彼が限界を迎えるように、腰を打ち付ける速度を上げる。
絶頂を迎えたばかりの膣内は、突き上げてくる陰茎をただ強く締め付けてしまうばかり。
「ぐぅ、うぅん!!あ、ぁッ、だめッ!いくぅ、いくいくぅッ!!」
「は…ぁ…ッ、も、でそう…ッ!」
そう言って唇を噛み締めた瞬間、ビクンと大きく陰茎が脈打ち、熱い精液が膣内に勢いよく吐き出された。
ドプドプと先端から溢れ出している感覚が伝わり、体に快感が走り思わず身震いをした。
お互いの荒い呼吸と、ゆったりと腰を打ち付けるいやらしい水音が室内に響いていた。
私の頬を撫でながら、髪や額にキスをしながら笑みを見せた彼に、心臓が大きく脈打ち、もっと欲しいと望んでしまう。
「俺に構って貰おうとしている君が可愛くて、わざと君の前で仕事をしてるって言ったら…怒るかな…」
いつものイタズラを思い付いた子供のように、口端を上げて楽しげに笑った彼の言葉は、快感に酔いしれている私の耳には届かなかったのだった。
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