0

0
不倫

そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか

 明日は娘の誕生日なのに、また仕事!?

 そう言ったものの、夫は「そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか」と言うだけで、話はまともに進まない。

 感情的になる私もいけないとは思うけど、こんなに何度も記念日や誕生日を仕事だと断られたら感情的になるだろう。

 なんでそんな頻繁に仕事が入るんだと疑問に思い、こっそり後をつけてみると、夫は見た目も若い男性と合流してホテル街に消えていった。

 ……今月小学校に入学する子どもがいるのに、同性と浮気してる。

 絶望的な気持ちにさせられたものの、浮気をしている証拠集めをしないといけないと考えていたら、娘が治験の体験者募集のチラシがポストに入っていたと手渡してきた。

 ……正直、月々の小遣いを探偵に使うのは違うだろうと思っていたものの、アルバイトもパートタイム勤務の仕事もなかなか見つけられないし採用されなかった私は、娘を両親に預けてその「痴験(この段階で治験ではなく痴験であることに気がつかなかった)」を受けることにした。

 ……それで、これはいったいなんの治験なのだろうか?

 ただ、どんな内容でも私はお金を集めて浮気の証拠集めをしないといけない。

**

 妻のヨシコが治験のバイトに行ってくると言ってきて、娘を妻の実家に預けて行ってしまった。

 俺としては、会社の部下に手を出していたところだったから都合がいい……ヨシコが治験から帰ってくるまで俺は自由だと思うと悪くない、むしろいい事づくめだ。

 自由に部下の呼び出しができるし、なにより娘のチエの世話をしなくていいところが最高だ。

 ……そういえば、ヨシコの受けた治験はどのような内容なのだろうと思い、ポストに入っていたらしいチラシを手に取って確認してみる。

「……痴験?」

 タイプミスか? 治験の「治」は「痴」ではないはずだ。

 まったく、こんなタイプミスをするようなところで治験だなんてヨシコはなにがしたいんだと思っていたら、がちゃりと玄関のドアが開いた音が聞こえてくる。

「……ヨシコか?」
「……」

 返事はない。

 なにかと思って玄関まで歩いていくと、妻のヨシコが手術着(に見えなくはない服装だ)のままびしょ濡れで立っていた……確かに外は大雨だが、傘をささないで病院から家まで帰ってきたのか?

「ヨシコ、なにをしてるんだ!?びしょ濡れじゃないか!」

 風邪を引く前にシャワーを浴びろと言おうとした瞬間、俺は妻の身体に異変が起きていることに気がついた。

「ヨシコ……?」

 ヨシコ身体のちょうど股間部分、ぐっしょり濡れたスカートがはりついているそこが異様な形に盛り上がっている。

 なにかと思ってよく見ていたらそれはむくむくと大きく反り返ってきて、完全に形を変えたそれはちんこだった。

「は、ぁ……!?」
「……」

 無言のヨシコは不気味に笑うと俺のそばに近寄ってきた。

「ヨシコ!?なにか言ってくれ!」
「……」
「だめじゃないパパ、ママの声が聞こえないの?」

 背後からチエの声が聞こえてきたと思ったら首筋に鋭い痛みが走ってなにかを注入される。

「チエ……!?」
「パパ、ママのこと好きじゃないんでしょ?……なら、好きになってもらわないとね」

 がくりと足に力が入らなくなり立っていられず床にへたりこむ。

 するとヨシコがにじりよってきて、俺の衣服を破り捨ててきた。

「ヨシコっ!?なにをするんだ!」
「ママはね、パパが他のお兄さんにしてもらってる『本当にしてほしいこと』をしてあげようとしてるんだよ?」
「チエ!ふざけるのもいい加減にしなさい!」

 ヨシコはともかくとして、まさかチエにまで浮気がバレていたとは思いもしなかった。

 ヨシコは自身の服を脱ぎ捨て、あるはずもないちんこを勃たせて先端からぽたぽたと先走りを垂らしている。

 その光景に生唾を飲み込んでしまう。

 ……浮気相手の部下にしてもらっていたことは、ケツの開発。

 本当なら俺は女を抱きたいんじゃなくて抱かれたくて、叶わないならと部下に上司命令として抱かれていたくらいにはそのことに飢えていた。

 ヨシコとの結婚は半ば強制的なもので、男性が好きなのかちんこが好きなのか把握できていない時にたまたま抱いて、チエを授かってしまったから結婚したようなものだ。

 言ってしまえば、そこに愛はない。

 ……ただヨシコは俺に惚れていたようで、結婚できて幸せだと言ってきたことがある。

 俺は不幸せだと言いたくなったのを我慢して、俺もだと答えたのを覚えている。

 とにかく、それでいて部下に掘られて悦んでいた俺がなぜかちんこの生えた妻のヨシコに襲われるというありえないことが起きている。

 しかも今年小学校に入学する娘のチエはそれを笑顔で見守っている異常事態だ。

 なんとかしないといけないのに、身体に力が入らなくてなにもできない。

「……」
「ヨシコ!だめだ!入らな、いっ……!!」

 ついさっきまでひとりで遊んでいたのもあってケツの中は綺麗でローションも多少残っているとはいえ、この大きさを受け入れるのは難しい。

 そう言っているのに、ヨシコはぐりぐりと乱暴に俺のケツにちんこをこすりつけてくる。

 みちみちと音を立てて侵入してきたちんこは固く、そして熱かった。

「あ、ぎっ……!?」

 痛くてたまらないそれが気持ちいい謎の感覚に襲われて困惑していると、ずんっと一気に最奥までちんこをねじ込まれた。

 かひゅっと変な声が漏れて、同時に圧迫感から快楽より違和感が強いなと異常事態に混乱する頭と離れたところに感じた。

 違和感から逃げ出そうとしても、ヨシコはそれを許してくれない。がつがつと腰を振るヨシコに揺さぶられながら、違和感と戦う。

 次第に慣れてきたら(慣れるまでが本当に大変だが)、極太のちんこから得るケツの快楽に溺れるしかなかった。

 差し出されたものに対して夢中になって媚びていると、ヨシコのちんこは大きくなり犯す勢いも早くなる。

 ぱんぱんと小気味よく響く音にチエの笑い声が部屋に響く、辱められている感じがたまらないが、これはヨシコの夫として……チエの父親として正解の形なのか?

「ヨシコ、はげ、しいっ……!」
「ママ、『痴験』がよかったみたいだね、気持ちいいんでしょ?」
「……ぅ」

 そうだ痴験……痴験に行ってからヨシコはおかしくなった。

 痴験とはなんなのか、ヨシコの身になにが起きたのかわからず困惑していると、チエは笑って「痴験のチラシをママに渡したのは私だよ」と言ってきた。

「な、おまっ……!」
「私、見ちゃったんだよね……パパが知らない男の人とどこかに行くの、だからセンセイに相談したの」

 センセイ? 知らない人物だ。

 誰のことを指しているのだろうかと考えていると、チエはヨシコに命令して俺のケツを叩かせてきた。

「センセイはね、いつも公園にいて『ジッケンザイリョウ』を探してるらしいから、ママならセンセイのお願いを叶えられるんじゃないかなって思ったの」

 そうしたらダイセイコウ! ってセンセイは喜んでたの! と嬉しそうに語るチエには申し訳ないが、なにが大成功したのか教えてほしい。

「……」
「く、ぅっ……やめ、ろぉっ……!!」
「パパ、うれしい?だってパパってこうやってお尻ぐちゃぐちゃにされるの好きなんでしょ?」

 センセイ言ってたもんと言う娘が恐ろしい、いったいどこまで把握されているんだ。

 チエが話している間は止まっていたヨシコの動きが、チエの話が終わった途端に急に早くなり、翻弄される。

「あ、ぁっ!?らめ、はやいのらめぇっ!!」

 その速さに翻弄されて、母音しか出なくなった頃にヨシコはどくどくと俺の腹に精液を注ぎ込んできた。

「お、ほぉっ……」
「パパ、これならママのこともっと好きになるでしょ?」

 センセイに感謝しないとね、そう笑うチエは幼いながらも両親の不仲を察していたのか、心底安心したといった声で俺とヨシコの一方的な行為を見ていた。

「おお、やってるな」
「センセイ!」

 チエの言葉でばっと顔を上げる。

 センセイとは誰のことなんだと顔を確認しようとしたが、ちょうど逆光で顔だけが確認できない。

 男性に見えなくはない体格に白衣を着ていて、確かに「センセイ」と呼称されるのはわからなくはない。

「欲の解放は必要だとわかっただろう?……これでよかったかな」
「うん!センセイ、ありがとう!」

 無邪気なチエと、センセイと呼ばれた男性の笑い声が混じって気が狂いそうだ。

***

「なぁ、いいか?」
「……またですか」

 先輩を抱いた回数が両手では足りなくなった頃、やけに艶やかな肌をした先輩に声をかけられた。

 なにかと思えば今日は結婚記念日らしく、妻のヨシコさんが人を招きたいらしい。

 勝手にやってろと言いたかったがちょっとした好奇心で、妻のヨシコさんの顔が見たくて誘いに乗った。

「ただいま」
「パパおかえり!ママは二階で待ってるよ!」
「……初めまして、部下のカンザキと申します」

 初めまして!と元気よく返してくれる先輩の子どもは無邪気で罪悪感に胸が苦しくなる、なんてことはなく、ただ既婚者が部下とあんなセックスしてていいのかと思うだけだ。

「ママ、楽しみにしてるって!早くサプライズしてあげて!」
「ああ」

 階段を上がっていき、寝室にまで通される……いいのかと思ったけど、まあ先輩の妻が寝込んでるとかそんなのだろうと思っていたら、部屋は暗くしんと静まり返っていた。

「先輩?これって──」

 振り返った瞬間、ばたんと扉が閉じた。

「先輩!?ちょっと!変な冗談はやめてくださいよ!」

 ひたひたとなにかが近づいてくる音が聞こえてきて、余計に怖くて扉を叩く。

「ひっ!なんだっ!?やめ、ろぉっ……!!」

 なにか、女性の手のようなものが俺の衣服をはぎとっていく。

「なんですか、これっ!暴力ですよ!」

「……そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか」

 ヨシコがお前を抱きたいって言うんだから。

Profile Image

うさはな

お目に留まりましたら幸いです!色んなジャンル書いていきます~✨

XLineShare