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不倫

旦那が気付かぬ合間に

「今日は招いていただき、ありがとうございます」

そう言って家の中に入ってきたのは、旦那の部下だった。

手土産を持参してきたのか、大きな荷物を持って私に渡して来た。

「わざわざすみません…新築祝いにこんな…」

「いいんですよ、気にしないで下さい。新築第一号の客人が僕だなんて…嬉しい限りですよ」

「はは、そう言って貰えると嬉しいよ。ゆっくりして行ってくれ。悪いけど、家の中を案内して貰える?俺この後すぐに会社に行かないといけないんだ」

「松田さんに呼び出されたんですか?」

旦那は部下の言葉に困ったように笑って、しょうがない人だと愚痴を零して、身支度を整えにリビングに向かった。

彼は小さくため息を吐いて、旦那を不憫そうに見つめた。

「松田さん、人使い荒いですから…折角の休日なのに、夕方まで帰って来れないんじゃ…」

「多分そうなると思います…。最近は松田さんに呼び出されてばかりで、家にも中々帰って来ないものですから…」

「…それは奥様も大変ですね」

お互いに顔を見つめ合いながら、困ったように笑うと不意に彼の視線が私を捉えた。

一瞬だけ見えた鋭い目。
けれどそれはすぐに消えて、また穏やかな柔らかい笑みを見せてきた。

その時に、リビングから準備を整えた旦那が姿を見せて、私に近寄って来てすぐに頬にキスをしてきた。

「休日に一緒に過ごせなくてごめん…今度埋め合わせするから」

「ふふ、そう言って何度目かしらね」

「そんなこと言わないでくれよ。愛してるよ、行ってきます」

「…ん、行ってらっしゃい」

部下の前だろうと、いつも通りに私の頬と唇にキスをして、家を出て行く彼の後ろに向かって、軽く手を振った。

本当ならもう少し早めに帰ってきて欲しいと、前までは思っていた。

毎日のように遅い時間帯に帰って来ては、すぐにベッドで就寝。

結婚して一年しか経っていないのに、私はいつも一人でキングサイズのベッドで眠っていた。

新品同様のベッドで彼と一緒に寝たのは数回だけ。

帰って来てもすぐにソファーで一人で眠る彼に、何度寂しさを覚えたことだろうか。

既に彼の姿はなく、家の前に置いてあった自家用車も駐車場にはなかった。

すると、突然グンッと後ろ手に腕を腰を引かれ、彼の腕の中に収まった。

「…久しぶりね、元気にしてた?」

「ずっと会いたかった」

か細い声で、強く私のことを後ろから抱き締めてくる彼に、笑みが零れてしまう。

どことなく子供っぽさを感じる彼の仕草に、腰に回った彼の腕に手を乗せた。

すうっと匂いを確かめるように、私の首元に鼻を押し付けて、軽いキスもされる。

それが少しもどかしくて、熱い息を吐いてしまう。

仕事が忙しいと聞いていたが、まさか本当に一ヶ月も顔を出さないとは思わなかった。

今までの寂しさを埋めるように、体の向きを変えて、彼に正面から抱き着いた。

旦那のいない寂しさを埋めてくれるのは彼しかいなかった。

私の誕生日に、夜遅くまで彼の帰宅を待っていたというのに、彼はキツイ香水の香りを漂わせて、上司と一緒にキャバクラに行っていたのだ。

信じられなかった。
自分の方を優先してくれると信じていた彼は、迷うことなく上司を優先して、私に対する祝いの言葉も何も言わなかった。

その時に旦那を支えて連れて帰って来てくれたのが彼だ。

私に謝罪の一つもない彼に、私が誕生日だということを伝えても、酔っ払った彼は不満げに私を見るだけだった。

「上司の付き合いなんだから文句言うなよ」

そう言われた瞬間、涙が溢れてどうしようもない悲しさに襲われた。

彼は上司の評価ばかり気にしていて、私のことなど一切見ていないことを知ったのだ。

その時私の味方になってくれたのが彼で、たった一言の短い言葉だったが「誕生日おめでとうございます」と言ってくれたのが、何より嬉しかった。

旦那に言われた時や両親、友人に祝って貰うよりも、彼に言われたあの時程嬉しいものはなかった。

それから何度か家にやってきては、お酒に酔った旦那を運んでくれるのが彼の仕事になっていた。

まだまだ若くて、こんな私よりもきっと良い人は一杯いるのに自分を選んでくれたのが何より嬉しかった。

彼の胸に顔を寄せて、きゅっと強く抱き着くと彼もまた私のことを優しく抱き締めてくれる。

そのまま軽々と抱き上げられて、向かった先はいつもの場所だ。

きっちりと今朝整えたはずのベッドのシーツの上には、旦那が脱ぎ散らかした寝巻きや、ワイシャツなどが投げ捨てられていた。

「…折角掃除したのに…」

「まあまあ、そんなこと気にしないで。これからもっとシーツが乱れることをするんですから」

そう言って私のことを抱えながら、旦那のシャツや寝巻きなどを床に投げ捨て終えた瞬間。

バフッと勢いよくベッドに押し倒されて、目の前の熱を孕んだ目と視線が交わった。

それが酷く扇情的で思わず息を飲んだ。

久しぶりの彼との逢瀬に、先程から胸がバクバクと高鳴っているのに、これからもっとそれ以上のことをするのだと期待すればする程、下腹部が甘く疼く。

私に覆い被さる。ふにっと胸を撫でられ優しく揉み込まれる。

やんわりと優しく握ってみたり、まだ反応の見えない乳首を指先でクリクリと弄るようにされる。

キュンキュンと疼き出す下腹部に、足をモジモジと動かしてしまう。

ジュワッと膣内から滲み出す愛液が、いつもよりも早くショーツを濡らす感触を感じる。

そのことを分かってか、クリクリと乳首をほじるように弄りつつ、スカートの中に手を差し込まれる。

太ももに指を這わせて、ゆっくりと撫でるように徐々に太ももの根元まで指を滑らせてくる。

そして、しっとりと濡れているショーツに指の腹が触れた瞬間、うっとりと嬉しそうに私を見つめてきた。

「もうこんなに濡らして…ッ…可愛いですね」

その言葉でさえも、膣内から愛液が溢れ出しショーツを濡らしていく。

徐々にブラを押し上げて主張し始めた乳首を、コリコリと弄っていた手が離される。

下腹部に集中するように、彼の指がショーツの上から膣の割れ目をなぞり、上下に擦り上げられた。

「んひッ、うぅッ…!」

久しぶりに彼に触れられていると考えるだけで、膣内からは止めどなく愛液が溢れ出し、彼の指さえも濡らしていく。

くちゅくちゅといやらしい水音が聞こえ始めて、割れ目を擦っていた指が今度は秘豆に触れ始めた。

クリクリとほじるように弄られ、あまりの強い刺激に腰が大きく震えて、浮いてしまう。

それでも彼の手が止まることはなく、コリコリと秘豆を指の腹で弄ったり、ほじるように擦られたりとされて、徐々に息も荒くなっていく。

布に擦れる感触さえ、敏感に感じ取ってしまい、噛み締めた唇からは堪えきれない甘い声がひっきりなしに零れてしまう。

「ひ、う、ッうぅん!!」

「もう我慢ならないんでしょ…イっていいよ。その可愛い顔を見せて…ッ」

困ったように私の顔を見つめたまま、秘豆を擦る速度を上げられて、ビクビクと腰が痙攣した瞬間に、背を大きく仰け反らせて達した。

ピュクッと膣内から僅かに噴き出す愛液が、ショーツをじっとりと濡らしていき、隙間からは布に吸収されなかった愛液が伝い落ちていくのを感じる。

は、は、と荒い呼吸をしながら、息を整えようとした所で、腰を浮かせられて、ショーツが剥ぎ取られ、彼に体を抱き上げられた。

ぴったりと体を彼にもたれ掛けるように抱き着くも、すぐに体を反転されて、ベッドへとまた沈んだ。

久しぶりの彼をもっと感じていたかったのに。
そんな不満が僅かに込み上がる。

「この、かっこう…やだ…ッ…」

「知ってるよ。だけど、この格好だと一番あなたが喜ぶってことも知ってる」

腰だけを高く上げられてスカートを無遠慮に、勢いよく捲られれば、彼の目の前にはトロトロと滴り落ちる愛液が見えてしまう格好になった。

その光景に一気に顔が赤くなり、腰を下ろそうとするも、すぐに彼の手によって阻まれる。

がっしりと腰を掴まれ、彼に全てが見えてしまっている光景を想像するだけで恥ずかしくて顔から火が吹き出そうだった。

「でも、そろそろ俺もあなたの中に入りたいかな…」

そう聞こえた次には、ズシッと体重が背中に乗せられて、彼が伸し掛ってきたのだと気付く。

背中に感じる熱い体温と、項や首元に掛かる火傷しそうな程熱い吐息。

ゾクゾクとした快感が背中を駆け抜けていき、思わず身震いをして、強く目を閉じた時。

ゴリュッと突然膣内に感じた圧迫感に、はくっと息が詰まって、強くシーツを握り締めて、頭を擦り付けた。

ゴリゴリと肉ひだを割って入ってくる陰茎の感触に、無意識に腰が痙攣し、愛液が子宮からトプトプと溢れてるような気さえした。

すっかり滑りのよくなった膣内は、きゅうっと強く陰茎を締め付けてしまうも、ゴリゴリとお構い無しに奥へと打ち付けてくる。

バチュッと彼の下腹部が私の臀部に当たる感触に、大きく体を跳ねさせて、飲み込めない唾液がシーツに染み込んでいく。

「ひ、ぐぅぅッ!や、ぁッ、いやッ、!ま、ってぇッ、あぁッ、んぁぁッ!!」

ガツガツと腰を打ち付けられる感覚に、強くシーツを握り締めて快感を逃がそうとするが、ぴったりと密着した腰では、引くことも快感を逃がすこともできなかった。

何度も激しく子宮口を突き上げられる度に、陰茎の先端と子宮口の入口がちゅぽちゅぽとキスをするように吸い付いてしまう感覚。

入口まで引き抜かれてもすぐに、最奥まで打ち付けられては堪えきれずに、背を丸めて額をシーツに擦り付けながら、ヒクヒクと膣内を痙攣させて絶頂した。

きゅうっと締め付けても尚、激しく最奥を突き上げてくる陰茎に、気付けばボロボロと涙を流して首を横に振り乱していた。

「ぃ、やあッ、や、ぁッぁ!い、ってるぅッ…!いって、ッ、からぁ、ッやぁぁッ!!き、もち、のぉッ、も、やぁッ!!」

「こんなにキュウキュウ締め付けて可愛い。もっと感じて、もっとよがって…は、ッ…ぁ…俺も…そろ、そろッ…ぐッ…!」

項や耳に甘く噛み付かれながら、ガツガツと腰を打ち付ける彼は、腰を掴んでいた手を、シーツを握る私の手に重ねて、強く握り締めてきた。

それがたまらなく嬉しくて、自分をここまで求めてくれる彼に愛しさが込み上がる。

ゴンゴンと激しく子宮口ばかりを突き上げられて、キュッと強く陰茎を締め付けてしまった瞬間。

ビクンと大きく陰茎の質量が増して、熱い精液が膣内に吐き出された。

吐き出しながらゆったりと腰を打ち付けられる感覚が気持ち良くて、大きく体を痙攣させて、ひぐっと情けない喘ぎ声を漏らしてまた絶頂した。

痙攣し続ける膣内を堪能するように、ゆったりと打ち付けられながら、背中や項に軽いキスをされた。

「ごめんね…まだ俺…足りないんだ…もっとあなたを感じたい…」

耳たぶを甘噛みされながら、囁かれた言葉にゾクゾクとした快感が駆け抜けていき、熱い吐息を吐いて自分もゆったりと腰を動かした。

粘着質な音の中に喉を鳴らしたような音が聞こえてきて、また彼が私の上に覆い被さってくる。

それが合図かのように、徐々に腰を打ち付ける速度が上がるのが嬉しくて、あへえと汚い笑みを零しながら、二人の世界に溺れるのだった。

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うさはな

お目に留まりましたら幸いです!色んなジャンル書いていきます~✨

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