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寝具で囁く甘いこえ
「大丈夫?今日はやめておこうか?」
そう優しく声を掛けてくれるのは、今の恋人の雅人。
あの悲しみを乗り越えて、やっと巡り会えた彼と、幸せを掴んだのだ。
それなのに、ベットの上でいつも身体が強ばってしまう。
今の恋人は、私のことを裏切ったりしない、優しい彼なのに。
あの日のことを何度も思い出してしまう。彼との行為は、きっとこの先も忘れることが出来ないだろう。
***
「なあ、しようか。」
会社ですら見たことない程、意地悪そうな顔で私を見つめる健介。
いつもは上司として男らしく、とても頼りにしており、私を導いてくれる彼。
そんな彼が、今は私の恋人として、愛してくれている。
魅力的な低い声が、私の耳元で囁いて、ゆっくりと押し倒された。
掻きあげられた前髪が、やけに色っぽく見えて、思わず喉が鳴ってしまう。
年上という魅力の詰まった彼の、扇情的な切れ長の目が、じっくりと私の身体を吟味するように見つめてくる。
ブラウスの上から少し乱暴に胸を揉まれ、小さな電気が下腹部にまで走った。
ジュンっと、子宮に響くような快感に、思わず甘い喘ぎ声が漏れてしまう。
「ひ、んぅ…ッもど、かしい…」
「ここじゃ足りないよな。だけど、まだ触れてやらない。」
子供っぽく目を細めて笑う健介に、心臓が跳ねる。
時々見せる子供っぽい表情が、10歳上だと思えない程、可愛らしかった。
さっきまで綺麗に整えられていたはずのシーツが、クシャリと皺になっていくのを肌で感じる。
私の短い髪に指を通し、唇を引き寄せる…。
お互いが引き合うように、見つめあう。大好きな彼の瞳が、じっと私を見つめてくる。
それだけで体が熱を帯びていき、ジワっと膣が濡れていく感覚を感じてしまう。
トロトロと止めどなく溢れてくる愛液に気付かれないよう、ゆっくりと足を閉じて、彼から視線を逸らした。
しかし、そんなことを、彼が許してくれるはずがない。
「駄目だ。ほら、脱がすから足を開いて。」
立てた膝の間に、彼の手がゆっくりと太ももに滑っていく。そして、指が食い込む程に強く掴まれた。
熱い指の感触をしっかりと感じて、ジュンっと下着が湿っていく感覚。
恥ずかしくて、見られたくないはずなのに、散々愛された身体は、すっかり彼の声に反応してしてしまうのだ。
タイトスカートを捲りあげて、ゆっくりと彼の要望通りに足を開いた。
全て見えてしまった中を見て、彼が嬉しそうに口元を吊り上げる。
「ホント濡れやすいよな。それとも…散々俺が可愛がったから?」
そういいながら、スカートを一気に太ももの付け根まで捲り上げられ、思わず小さく悲鳴をあげる。
「や、やだっ…!全部見えちゃうからぁ…」
余りの恥ずかしさに顔を手で覆って、震える声で、首を横に振った。
いつもなら脱がしてくれるはずの衣服を、今日はなかなか脱がしてくれない。
軽い抵抗をしても、彼の声は嬉しそうに笑うだけだ。
「こんなに下着にシミ作って、何が恥ずかしいわけ?期待してるから濡れてるんだろ。こんなにぷっくりさせて…楽にしてやるからな。」
しっとりと濡れている下着に向かって、彼の顔が真っ直ぐ近づいてきた。
「嫌ぁっ!き、たないから…!!」
彼の頭を必死に押し返しても、男の人の力に勝てるはずはなかった。
湿り気を帯びた下着に、伸びる舌が見えたのが最後。
スカートに阻まれて、見えなくなる彼の表情に不安が過ぎる。
高鳴る心臓は、不安感ではなく期待を含んでいて、今か今かと、彼の舌が来るのを待っている。
今日の為に、少し布生地が薄い白の下着を選んだのだ。
「可愛い後輩の為にも、しっかりと味わってあげなきゃ…淫乱な体に失礼だからな。」
フッと吹き掛けられる吐息に、小さく悲鳴をあげる。
近づく彼の唇から感じる熱い吐息にすら、身体は反応し、大きく跳ねる。
見えない角度から感じる彼の吐息に、自分の呼吸も早くなっていくのが分かる。
強くシーツを握り締めた瞬間、ねっとりとした熱い舌が、ぷっくりと膨らんだ秘豆をなぞっていく。
「い、やぁぁぁ!?」
今まで散々可愛がられたはずなのに、感じたことのない興奮が体に走った。
ジワっと更に膣から愛液が滲み出し、下着を濡らしていくのが分かる。
そんな私の体に、彼は嬉しそうに鼻で笑う。そして、今度は大きく膨らんだ秘豆を、唇で挟んだ。
突然やって来た刺激に、声をあげる暇もなく、弓なりに背中がしなり、涙が溢れた。
ぷっくりと膨らんだ秘豆を吸ったり、甘く噛み付いたりを繰り返す。
押し込まれた身体は、ゆっくりと彼色に染まっているような気がした。
弱く、強く、と繰り返し秘豆を吸われ、愛液が止めどなく溢れてくる。
「やだ、やだあぁぁ!も、もうそこばっかり嫌ぁ…!」
背中を逸らして、気を紛らわせたくても、彼の唇が秘豆から離れることはなかった。
ぢゅる、ぢゅうぅ、と吸い付かれる度に、痙攣する身体。もう我慢できない。
込み上げる快楽に、為す術もなく、仰け反る体に電気が走る。
「だ、ダメぇ!んあ、あぁぁ!」
体を駆け抜ける快楽に、上手く呼吸ができなくなる。
溢れる涙で視界が滲み、大きく息を吸える余裕なんてこれっぽっちもなくなり、シーツを強く握り締めた。
「もうイったのか?まだまだこれからなのに?」
「ぇ、え、ま、待ってっ!まだイッたばかりなのぉ…!?」
乱れる呼吸を整える隙もなく、彼の厚い舌が膣の中へ、ゆっくりと入り込んでくる。
彼の陰茎を入れている感触とはまた違う感覚に、喘ぎ声が一層大きくなってしまう。
こんな感覚は初めてで、足を閉じたくても、彼の身体が邪魔をして、ぱっくりと開脚させられる足。
膣から溢れる愛液を飲み干すように、何度もぢゅ、ぢゅ、と吸い上げられる。
こんなことは初めてだ。
今までは、大人の玩具で弄ばれていたのに。
今日はどうやら、とことん彼に愛されてしまうらしい、と察した。
肉壁を舌でグリグリと押し上げられる度に、悲鳴に近い喘ぎ声が、嫌でも漏れてしまう。
「あ、あぁんっ!や、あぁ…!も、だ、めえっ!」
跳ね上がる身体に、絶頂が迫り来る瞬間だった。
ヌルッと上壁を持ち上げるように、舌が勢いよく引き抜かれ、声にならない快感が身体中に走った。
いつもよりも激しく痙攣する身体。私は、何がなんだか分からなくなってしまった。
「今ので何回目だろうな。こんなに濡らしてさ、どんなエロいこと想像してた?もしかしてここに俺の太いの挿れられるの想像した?」
嬉しそうに目を細めて、愛液で濡れる唇を一舐めした。
そして、すぐにグニっと膣を指で押し広げられて、身体が跳ね上がった。
休む暇さえない状況に、頭の中が蕩けていくよう…。
止めどなく溢れる愛液が、太ももを伝い落ち、シーツを濡らしていく。
いつもなら道具や、彼の指で弄ばれるのに。
今日は一段と甘やかされてしまう身体がいじらしくて、「もっと」と彼を求めてしまう。
早く次をして欲しいのに、彼の指はただ膣を広げたり、息を吹きかけたりとするだけで、それ以上の進展がない。
ふう、ふう、と短い呼吸を繰り返して、膣を弄る彼の腕に指を這わせた。
「もう…挿れ、て…がまんできないの…ッ!」
彼の腕を導くように、膣へと誘導した。
「へえ、ならどうして欲しい?指だけで満足出来るのか?」
身体を起こして、私をジッと見つめる彼の目に、息を飲む。
ゆっくりと一本、二本と挿入されていく指のもどかしさ。
中をぎゅうぎゅうと締め付けることの出来ない、物足りなさ。
あの太く脈打つ、彼のモノが欲しい。
何度も出たり入ったりを繰り返す指の感触に、身体を振るわせて、小さく「違う…」と囁いた。
膝裏を持ち、彼に見えるように開脚して、滲む視界に映る彼を見つめた。
「い、じわる…しないで…っ…ここに、熱くて太い…健介の欲しい…」
その時、ふと彼の目の色が変わったように思えた。
ふう、と短い息を吐いてから眉間を抑え、熱い視線が私を捉えた瞬間。
膝裏を強く押し上げられて、腰が浮き上がり、全てが彼に丸見えとなる状態となってしまった。
「ひぃっ!?やだやだぁ!?見ないでっ、けんす、けぇ…!」
荒い呼吸で体重を掛けて来る彼に、お腹が苦しくなり、息が詰まりそうになる。
それでも彼は止めることはせず、ゴリっと硬い何かが塗り込むように、ジュポジュポと先端だけ膣の入口に押し当てられた。
早く早く、と期待に胸が高鳴り、彼の手に強く縋り付く。
ふっ、と嬉しそうに笑みを零した健介が、太い陰茎を手に取り、先端に先走りを滴らせたまま、数回陰茎を扱く。
「お望みのものをくれてやるよ。」
グポっと強い衝撃と共に、カリ首から根元まで、膣の中に一気に挿入され、呼吸が出来なくなった。
「んあぁぁぁッ!?そ、こ、やぁ、ぁッ!」
「ん…何が嫌なんだよ…ッ。好きで好きでたまらないんだろ?」
中一杯に満たされる陰茎の太さに、感嘆の声が上がる。
愛液が止めどなく溢れて、彼の陰茎を濡らしていくのが、全て見えてしまう…。
息も絶え絶えに、彼の陰茎が、何度も私の中を往復していく。
それなのに、決して一番奥までは、突いてくれない。
いつもの優しさとは裏腹に、荒々しく突き上げられる度に、どうしようもない興奮が私を襲う。
もっと奥まで欲しいと望んでるのに、中々陰茎を根元まで挿入してくれない。なんで…?
その太いので貫いて欲しいの。
えぐえぐ、と涙を流してしまう私に、彼は何度も額や髪にキスをして、強弱を付けて、中を突き上げてくる。
耐えられないもどかしさに、彼の頭に手を回して強く引き寄せ、何度も食らいつくようなキスを繰り返す。
突然のことに驚いたのか、大きく目を見開く彼と、視線が交わった。
「んぅ、ぅ!も、っとして…!もっと、来てぇ…ッ!深くまで犯して…ッ!」
キュウッと強く彼の陰茎を締め付けると、くぐもった声を上げて、深々と突き上げられた。
余りの突然のことに、飲み込めない悲鳴をあげて身体を大きく震わせた。
プシュプシュッと彼の動きに合わせて、吹き出す潮で、お互いの身体が濡れていく。
彼の逞しい身体に吹き掛かる潮は止まらず、意識が朦朧とし始める。
「や、あぁ!!いやぁ、あぁぁんッ!し、きゅう、きてるぅ…!」
「ここに注いで欲しいんだろ!?何度も俺のペニスに吸い付きやがって!」
彼の先端を目掛けて、何度も吸い付いてしまう子宮口に、嫌々と首を横に振り乱す。
堪えきれない快感に、何度も身体を跳ねさせても、彼は止めてくれない。
彼の動きに合わせて、吹き出す潮が、お互いの間から見えて、顔に熱が集まっていく。
どうしようもない恥ずかしさに、強く彼の頭を抱き締めて、ただただ終わらない快感に、身を委ねた。
「そ、ろそろ…中に出すからな…ッ!」
「ん、ぐうぅッ!きて、ぇ!中に、ドピュドピュ出してぇ…!!」
唇を噛み締めて、顔を歪める彼の額から汗が滴り落ちた。
その姿がやけに魅力的に見えて、思わず息を飲んだ。
グポグポっとやけに大きく響いた水音が、余りにも扇情的で、必死に彼の頭に手を回した。
加速していく腰の動きに、彼の呼吸も徐々に早まっていく。
ぐっ、と唸るような声をあげた瞬間。
ビュルルルッ!!
「ひ、ぃ、んあぁぁッ!!なか、中でぇ…!あつ、いのきてるぅ…ッ!!」
今までにない程、勢いよく吹き出す熱い精子に、キュウッと中を強く締め付けて私も達した。
吹き出す潮がドロドロと彼の精子と混じって、止めどなく膣から溢れでる。
ビクンビクンと震える身体に、そして、いつもより量が多い精子に、嬉しさが込み上がる。
彼とこの先も、一緒になれたら良いのに。
持ち上げられた足を下ろし、彼が私に覆い被さっては、優しく抱き締めてくる。
何度も熱い唇を私の首筋に押し付けて、強く吸い上げられる。
チクリとした小さな痛みを、首筋から何度も感じた。
それすら嬉しいはずなのに、どこか悲しくなる。
「悪い、こんなに出しちゃって…すぐ掻き出してやるから…」
「ううん、まだあなたを感じてたいの…」
グチュグチュと泡立つ膣から、息をする度に溢れる精子を、指で掬いあげて、口に運んだ。
彼の匂いと私の匂いに包まれる快感に、嬉しくなった。
ゆっくりと引き抜かれていく陰茎を、名残惜しく感じながら、彼の首に腕を回して、何度もキスをした。
「ねえ、私のこと好き?」
「ああ、好きだよ。誰よりも一番な。」
「…そう。私もあなたが一番好きよ。」
お互いの熱を確かめ合うように、彼の手が私を抱き上げて引き寄せられた。
強く抱きしめられる感覚に、涙が溢れる。
彼の身体に身を委ね、ベッドサイドに置かれた健介のスマホを見つめた。
いつまで私は、あなたの一番でいられるのだろうか。
既に私とは別の誰かのことを好きでいるあなたが、私を捨てるのはいつなのか。
「愛してるわ、健介。」
溺れるくらい愛している彼に、名残惜しそうに囁いたのだった。
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