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今だけは愛して
私が台湾に出張した時の体験談だ。
これは、私と妻が結婚して5年くらい経った頃の出来事である。
付き合っている期間が長かったのもあって、結婚した実感もないまま、今まで通り可もなく不可もなく、仲良く暮らしていた。
この日常に、刺激的なことは一切なかったのもあって、頭の片隅で刺激を求めている自分がいた。
刺激を求めつつも、安定した結婚生活を謳歌すべきだと周囲から言われた時、数年ぶりの台湾出張が決まったのだ。
その事を知った妻は、少し寂しそうにして「お土産にいいのを買ってきてよね」と少し意地っ張りなことを言って、見送ってくれた。
……しかし、私には、前回の台湾出張で仲良くなった女性がいたのだ。刺激に飢えていた私は、気付いたら彼女に連絡してしまっていた。
この連絡が、その後の関係を大きく動かすターニングポイントになるとは。この時の私は思いもしなかった。
台湾に着き、早速その日にやるべき業務を終えた。そして、宿泊先のホテルに戻ってみると、仲良くなった女性……仮にAさんとしよう、Aさんがホテルのエントランスで待っててくれたのだ。
ただ、その時は、同僚も一緒だったのもあって、Aさんとは目を合わさずに、それぞれの部屋へと戻った。そして、慌てて着替え、エントランスへと向かった。
幸い、Aさんはまだ、その場で待っていてくれたのだ。Aさんは私を見つけると、座っていたソファから立ち上がり、一目散にそばに駆け寄ってきた。そして、エントランスの人目も気にせず、熱いハグを交わす。
「ひさしぶり、あえてうれしい」
(片言ではあるけど、必死に練習したらしい)
日本語で話そうとするAさんのいじらしさに、胸を高鳴らせたものの、数年ぶりの逢瀬になにを話していいかわからないのもあって、とりあえず挨拶をそこそこに、ホテルの上の階にあるBARへと向かった。
そこで数杯のカクテルを胃に流し込みながら、数年前に別れてからの話をお互いにした。
別れてからの数年間で、Aさんは、日本語の勉強を頑張っていたのだ。台湾での日本語教師を目指して。ぽつぽつと練習した日本語を披露してくれて、「わからないとこがある」というところを教えてあげると「せんせい」と言って、くしゃっと笑っていた。
その笑顔がかわいらしくて……当時、妻と付き合っていなかったら、彼女に告白して付き合っていただろう、とも思うくらい、Aさんは魅力的な女性だった。
酔いも回って、お互い良い雰囲気になってきた頃にお会計を済ませ、ふたりで私のホテルの部屋に戻り、部屋に入ってすぐに鍵をかけ、抱き合い、キスをして、シャワーを浴びるなんて考えもなく、ベッドに飛び込んだ。
「ん、ふぅっ……」
ベッドの上でのAさんは、妻と違って若々しい魅力があって、ハリのある肌にまろみを帯びた体型と、たわわに実った大きな胸が特徴的だった。妻のものより大きな胸を、ねっとりと愛撫すると、甲高い可愛らしい声で鳴き喘いだ。
それに興奮して、そろりとスカートの下に隠してある秘部を守るパンティに触れると、しっとりと湿っていて、興奮しているんだ…と嬉しく思った。
パンティの上から割れ目をなぞって焦らすと、Aさんは甘い息を漏らしはじめる。そして、Aさんが自分で、パンティをずらして早く挿れてとねだってきたのだ。その時の表情は、完全に雌の顔をしていて、BARにいた時の、幼く見える笑顔なんて忘れさせるようなもので……とても蠱惑的だったのを、今でも鮮明に思い出せるほどだ。
コンドームを付けてから、焦らすようにパンティをずらす。そして、露出した割れ目を舌で舐って、潮っぽい愛液のぬるつきを舌でもてあそんだ。「早くいれて」とねだってきたので、ぴたぴたと男根を押し当てては離して、を繰り返すと、膣口から、ひくひくと媚蜜液を垂らし始めたのだ。そこに先端を押しつけて、ずぷりとねじ込んだ。
「あぁ、いいっ……!」
歓喜の声を漏らすAさんは、蜜壺をぎゅうぎゅうと締め付けてきて、むっちりとしたヒダも絡みついてくる。コンドーム越しに感じるのがもったいないくらいだが、ナマでヤってしまったら妊娠の可能性もあるし、それはお互い望んでいない結果でもあるから、我慢せざるを得なかった。
ぐぽぐぽと腰を揺らし、ねっとりとした媚蜜液が漏れ出る膣を堪能する……そういえば、妻とは最近セックスしていなかったから、濃いものが出そうだ、なんて頭の中で考えていた。
「いいっ、い、ぁあっ……!」
Aさんがイッたのと同時くらいに私も果て、久しぶりに出した精液を、コンドーム内にぶちまけた。久しぶりの浮気を含めたセックスに、私は背徳感と快感の虜になってしまいそうだった。というより、もはや虜になっていたのかもしれない。
夜が明けるまで、学生に戻ったように、何度も何度もAさんの身体をむさぼりつづけ、朝食の時間に一旦別れて、日中はメッセージアプリ、夜はBARで会ってから、私の部屋へ。というのが習慣になりつつあった。
『体調はどう?』
妻が私の体調を心配するメッセージをくれるので、うっかり間違えたら大変なことになる。
そんなスリルを楽しみつつ、妻とAさんへ順番に返事をして、仕事をこなしていたのだ。しかし、日本に帰る日の晩に、一緒に食事をとっていたAさんから、突然カミングアウトをされた。
「彼氏がいる」
と。
「ごめんなさい」
そう申し訳なさそうに言うAさんには悪いが、私も妻に黙ってAさんとの関係を続けているから、「これは共犯だ」と返して、肉体関係を続けてほしいとお願いをした。
「そんな、あなたも……」
「だから気にしなくていい、むしろこの関係を楽しまないか?」
Aさんをベッドに押し倒してキスすると、ほだされたような表情をするAさん。その大きな胸を揉みながら、朝まで楽しもうと伝え、パンティの下の秘部が、待ってましたと言わんばかりにぬちゃりと濡れているのを確認した。パンティにシミをつけるように、パンティ越しにクリトリスと割れ目を撫でる。すると、Aさんはじれったそうに身体を揺らし、パンティをずらして挿入をねだってきた。
そのおねだりは非常に可愛らしくて、急いでコンドームを付け、男を誘う淫らなにおいを放つ蜜壷に、いきり勃った男根をねじ込んだ。
ほぼ毎日のような逢瀬で、すっかり私の形になった膣を割り開いていくのは楽しいけれど、今回は背徳感が強くてたまらなかった。
Aさんには彼氏、私には妻がいる……こんな禁断の関係に、スリルと刺激を求めていた私が、興奮しないわけがない。
「っん、イ、ィ……!」
Aさんが快感で悶えた瞬間、私のスマートフォンから、着信音が鳴った。
慌てて画面を見てみると、表示されているのは妻の名前。ここで出てみたら大変なことになるんじゃないかと思いつつ、出てみた……この会話は後々、私が酒で酔い潰れる度に、妻にからかわれることになる会話の一部始終だ。
『あ、起きてた?』
「ああ、起きてたよ。」
『明日帰ってくるんだよね?』
「っふ、ん、ん……!!」
通話の最中も、音を立てないように、じわじわと腰を揺らしてAさんを追い詰める。
もちろん、バレないように、冷静さを保って、だが。
『?誰かいるの?』
「っああ、同僚と飲んでてさ……潰れちゃったから介抱してるんだよ。」
『へぇ珍しい、あなたお酒に弱いじゃない。』
「っ、っ、っ……!」
「弱い分セーブできるんだよ。」
『あはは、そうなんだ……明日帰ってくるんでしょ?ごちそう用意して待ってるからね。』
「本当?楽しみだなぁ……そっちはもう遅い時間だっけ?早く寝ておきなよ。」
『うん、結構夜更かししちゃったし……そうするね、おやすみ!』
……この話でわかる通り、私はお酒に弱く、毎回妻と飲む時に酔い潰れてしまうのだ。
今回の出張帰りに飲まされたお酒で潰れた時も、電話の内容を信じた妻が、「セーブできるんじゃなかったの」と笑いながらからかってきた。
がちゃりと切られた瞬間、Aさんは膣をぎゅっと締めて、抗議するように睨みつけてきた。
「いじわる!」
「ごめん、でも気持ちよかっただろ?」
「よかった、けど、いじわる。」
ごつごつと奥を穿ちながらそう言うと、「あ、あ…」と嬌声を漏らしながらも、苦情を入れてきたのだ。
お互い気持ちよければ、なんでもいいとは思うが、繋がった状態でのパートナーとの電話は、よろしくなかったようだ。
謝るように、とんとんと子宮……というよりは、AさんのGスポットを、男根の先端でノックし、快楽を引き出してみようとした。
「っん、そこ、きもち、いい……」
「ここ?もっとこすろうか?」
「もっと、おねがい。」
もっとと言われたなら、と気合いを入れ直す。そして、再度ごちゅん!と音が響きそうなくらい勢いよく腰を打ち付けて、Aさんの快楽を引き出したのだ。
あまりの快感に涙をこぼしながら喘ぐAさんを抱きしめ、私は勢いのまま、キスをしてしまった。
初めてのキスにAさんも最初は驚いていたが、何度か唇を擦り合わせていると、目がとろんと蕩けてきた。次第に舌を絡め合わせ、最大限気持ちよくなろうと、快楽に従順になっていたのだ。
そんなAさんは膣を締め付けながら何度もイキ、私もコンドーム越しに、吐き出せるだけの精液を吐き出した。新しいものに取り替えては、Aさんにフェラチオさせてから挿れたりと、バレたら一巻の終わりなセックスを、何度も何度も楽しんだのだ。
そうやって夜が明けるまで、セックスを覚えたての学生のように、時間と体力を忘れて愛し合い、徹底的に浮気というスパイスをかけた快楽を、二人で共有して楽しんだのである。
Aさんとの関係は、この後もしばらくは、台湾への出張が決まる度に続いていた。ある時、Aさんの結婚の話が出たと同時に、何度も愛し合い、楽しんだ関係は、自然消滅することとなった。
……今でも、Aさんとの関係や浮気の事実は、妻にも、Aさんの彼氏から夫になった男性にもバレてはいない。
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