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暇つぶしの使い方
「いつも言っているでしょう?消灯時間があることを」
まだほんのり明るい病室に入ると、個室なのに煌々と蛍光灯が点いていて、ベッドの上でテレビを見る彼がいた。
イヤホンをしているようで、まじまじとテレビに食い入って見ている彼の傍に近付いた。
やはりイヤホンが耳に付けられており、私の気配すら気づいていないようだ。
そのままイヤホンの片方をゆっくりと抜いていくと、流石にびっくりしたようだ。
大きく体を跳ねさせて飛び起きた彼は、すぐに私の方を見た。
「な、なんだよ!アンタか!」
「消灯時間の確認で電気は消したはずですけど、どうして煌々と電気が点いているんです?」
そう問い詰めるように、腰に手を当てて患者である彼に詰め寄ると、気まずそうに顔を逸らした。
そして枕を抱き締めながら、ブツブツと何かを言い始めた。
「だ、だってよ!病院ってのは幽霊が出るんだぜ!?そんな怖い中で電気点けて寝れると思ってるのかよ!」
必死に訴えかけてくる彼を見て、思わず吹き出すように笑ってしまった。
入院して早々に、あれだけの看護師や女医を口説いてきていたプレイボーイとは思えない程、今の状態は母親に叱られるのを怖がっている子供のように見えた。
そんな彼を見てお腹を抱えて笑う私に、不機嫌な顔をして、拗ねるように枕をバフバフと叩いて抗議してきた。
「個人部屋だから一人なんだぜ!?なんだよ幽霊怖がったら駄目なのかよ!」
怯える子犬のように吠える彼が可愛くて、また更にふふと笑みを零してしまった。
流石の彼もそれにはもう怒った様子で、むくれるようにベッドに沈んでシーツを頭から被った。
そこまで怒らせるつもりもなかったし、この個室も明日で終わりだと言うのに、それすらも我慢できないのかと子供っぽい所にも笑ってしまう。
あれだけカッコつけて、看護師達を口説いている患者とは思えない程の弱りように、笑みを零さずにはいられない。
大柄な体格に似合わない彼の態度すら可愛く思えて、こんもりと出来上がった大きなシーツの山脈を撫で上げた。
「大丈夫ですよ、状態が良ければ明日にでも大部屋に移ることができますから。一人きりで怖がる必要もなくなります」
「…状態が良ければの話だろ?ならもし骨折の具合が悪ければ、また明日も明後日も個室なんだろ!?」
「きっと大丈夫ですよ。状態もこの間よりも断然良いですし」
そう言ってシーツの中から聞こえてくる彼の声に、相槌を打ちながら優しく撫でていると、徐々にシーツの中から大柄な男性が顔をひょっこりと覗かせる。
最初来た時は、あれだけ酷かった傷も治り始めていて、残るは骨折だけだった。
最初は心配ばかりしていた彼も、今では言うことを聞かないイタズラな子供のようだ。
こちらを向いた彼の目線に合わせるように、しゃがみ込んで彼のこんもりとする背中を撫でてあげた。
患者の不安を取り除くのもまた看護師の仕事だ。
不安を抱えながらの治療は心労も掛かるし、傷の治りも遅くなってしまう。
だからこそ、少しでも患者が過ごしやすい環境を整えてあげるのも仕事の内だ。
しゃがみ込んだ私をジッと見つめては、不安そうにシーツから顔を覗かせる彼に大丈夫だと、言葉を掛けた時。
グイッと腕を引っ張られ、シーツの中に引きずり込まれた。
どういうことか訳が分からず、シーツの中で固まっている私に、彼が覆い被さってきた。
「なら…俺の不安も取ってよ」
そう切なげに囁かれてもまだまだ仕事は残っている。
焦る気持ちとは裏腹に高鳴る胸を押さえ込んで、彼の胸板を押して抜け出そうとしたが、男の人の力に私が勝てるはずはなかった。
シーツの中は狭苦しくもあるが、病室の香りではなく彼の匂いに包まれて、下腹部がキュンと一瞬疼いたように感じた。
彼を落ち着かせるように語り掛けた。
「…ッ…駄目ですったら。ふざけたことしないで、ここから出して下さい」
「個室だから退屈なんだよ。ねえ、おねがい。俺の暇つぶしに付き合って」
耳元から聞こえてくる甘い囁き声に、ビクリと肩が跳ねた。
期待に胸が高鳴り、キュンキュンと疼く下腹部。
駄目だとわかっていても、艶かな低い声に囁かれてしまえば、フルッと身震いしてしまう。
それどころか、私を上に乗せたまま彼は意地らしく腰を動かし始めたのだ。
お互いの股間が丁度当たる位置にあり、必然的に彼に下腹部を押し当ててしまう。
ゴリゴリと腰を上下に動かし始める彼の胸板を、今度は強く叩いて抵抗をすると、彼がうっと声を上げて苦しそうに胸を抑え始めた。
「だ、大丈夫ですか!?どうかしましたか!?」
慌てて、ナースコールに手を伸ばそうとした時、むぎゅっと強く彼の顔の前にあった胸に顔を埋められた。
「ひッ!?な、なにするッ、んぐッ!」
声を上げようとしても、彼が突然服の上から胸を揉み出し、乳絞りのようにギュウギュウッと掴み始めたのだ。
演技で私を騙した彼を強く睨みつけようとしても、徐々に体からは力が抜けていく。
突然の強い刺激に下腹部が反応し、甘く痺れるような快感が襲ってくる。
ピクンピクンと僅かに震える体に、嬉しそうにふふと胸を揉み続ける彼の方から笑う声が聞こえてきた。
少し苛立ちを見せながら、彼を睨むように見つめる。
「な、にが…ッんふ…おかしい、のよ…ッ!」
「ん?思ったよりも反応が可愛いなって思ってさ。ただ胸揉んでるだけだよ?それともご無沙汰だった?」
からかうような彼の台詞に、胸を掴む腕を引き剥がそうと試みるが、更に胸を絞る力が強くなり、ふっくらとブラの下から主張を始めていた乳首を指で摘まれて、大きく背を仰け反らした。
ひぐっと上擦った声を上げて、ビクビクと体を痙攣させると、今度はがっしりと腰に腕を回されガツガツと腰を突き上げ始めた。
「んぐッ、んんぅぅッ!」
彼の股間が主張をし始めて、布越しにコリコリと秘豆を突き上げられてしまい、唇を噛み締めた。
感じたことのない強い快感が体を走り、声を押し殺したくても漏れてしまう。
彼の胸板に顔を埋めて、体を駆け抜けていく快感にビクンと腰を跳ねさせるも、すぐにがっしりと押さえ付けられてしまい、彼の股間と私の下腹部がぴったりと密着する。
コリコリと秘豆を布越しに突き上げられてしまえば、感じたくなくても膨張している股間が的確に秘豆を押し上げてきた。
病院着の上からはすぐに彼の股間もしっとりと濡れているのを感じ取り、べっとりと私の股間も濡れているのが伝わってくる。
乱れる呼吸を吐き出しながら、彼は嬉しそうに腰を突き上げてくる。
「は、ッ、はッ…ぁッ…可愛い声出るじゃないか。やっぱり最初からアンタを狙って正解だったな…ッ、ぁッ…」
彼の言葉を理解したくても、突き上げられる腰に、ガクガクと体が震えて、強い疼きが下腹部に走る。
荒い呼吸が頭上から聞こえ始めて、腰を突き上げる速度も上がっていくのが分かった。
待ってと切なげに彼に求めても、夜勤や日勤の疲労感の溜まった体では、強く彼を押し退けることなどできなかった。
ガクガクと腰を揺さぶられながら、必死に彼にしがみついて快感をやり過ごそうとしても、布越しに秘豆を突き上げてくる股間から逃げることなどできない。
「ひッ、ぐ、あぁッ、んッうぅ…!んんッ、んあぁ、ぁぁッ…!」
「ッ、は…も…無理だ…ッ、でそ…ッ」
口元を抑えて必死に上擦る声を押し殺そうとするが、突き上げていた腰が止まり、ゴソゴソと股間を弄り出す。
は、は、と荒い呼吸を吐きながら、ぼんやりとする頭では彼が何をするのか理解できなかった。
するとヌチャッと股間に感じた粘着質な感触と、布越しでも分かるドクドクと脈打つ硬くて、長いモノ。
それは見なくても分かるもので、陰茎だと気付いた時には、服に手を差し込まれて、ズルズルとズボンと下着を下ろされていた。
「や、やッ、!は、なしッ、てッ…!や、ぁッ…!」
キュッと足を閉じて抵抗しても、しっかりと顕になってしまった膣には意味を成さなかった。
声を押し殺しながら、力無く胸板を押して抵抗してもビクともせず、グニグニと閉じられた太ももを割り開き、膣の割れ目に押し当てられたのを感じた。
ヌルヌルとした感触を、膣の割れ目に感じて、顔から血の気が引いていく。
徐々に意識が浮上して、もしこんな状況を人に見られでもしたらと、想像して急に恐怖心が湧き上がった。
離してと、小さく小声で抵抗しても、膣の割れ目に沿ってグニグニとそそり立つ陰茎を動かされ、痺れるような快感が背中を伝った。
嫌々と首を横に振って、抵抗しても突き進んでくる陰茎が、コリッと秘豆を掠める。
「ひ、ぅッ…んん!」
「そんな甘い声出したら、誰か来ちゃうよナースさん…」
ズリズリと秘豆を陰茎で擦り上げられてしまえば、声も徐々に抑えられなくなり、膣内がヒクヒクと痙攣する。
荒い呼吸を吐き出しながら、彼の胸板に顔を押し付けて、首を横に振り必死に抵抗した。
こんな凶悪なモノを中に入れられでもしたら、きっと立っていられなくなってしまう。
まだまだ仕事も残っている。
この後の業務だってまだ残っているのにと、快感の走る体を抑えながら必死に意識を保とうとしたその瞬間。
グポッと強い衝撃と共に、肉壁を一気に抉られ、ヌルつく膣内に深々と陰茎が挿入されたのだと気付いた。
「あ、んぶッ、うぅぅ、ぅぅッ…!!」
漏れそうになった喘ぎ声は、彼の唇に吸い込まれるように塞がれ、トロトロと飲み込めない唾液の溢れる咥内を、嬉しそうにぢゅるぢゅると吸い上げられた。
咥内すら敏感になっているようで、上顎や歯列、舌の根元などをねっとりと舐められながら、ゴリゴリと奥を突き上げてきた。
仕事のことなど頭からは抜け落ちてしまい、ゴリゴリと膣内を責め立てられてしまえば、彼に身を委ねて揺さぶられるだけとなる。
息つく間もなく、離れてもすぐに唇が重ねられてしまい、ビリビリとした強い快感が体を駆け抜ける。
早く欲しい、激しく突き上げて欲しいと望んでしまう体は、いつしか彼の動きに合わせてカクカクと揺れ動いていた。
ぴったりと密着した体と、力の入る足では強く膣内を締め付けてしまい、余計に陰茎の形がハッキリと分かる。
グポグポと肉ひだを掻き分けて押し入って来る陰茎が、徐々に速度を上げていき、最奥ばかりを突き上げられる。
「んぶッ、ん、ッ、んぐッ、んんぅ、ぅぅッ…!」
「ッ、ん…んッ…はッ…で、そう…ッ!」
声を出せない苦しさに目眩がする程の快感。
ガクガクと揺さぶられる体と、ビクビクと膣内で脈打つ陰茎に、自分も彼の唇に必死にしゃぶりつくように、何度もキスをした。
堪えきれない快感が体を駆け抜けていき、肉壁を何度も抉りながら突き上げてくる感触に、もう我慢が出来なかった。
息継ぎも出来ないまま、はふはふと彼の唇に食らい付き、必死に声を抑えながらぎゅうっと中を締め付けて限界が近いことを知らせる。
彼の腕にも徐々に力がこもり、うっとりと私を見つめた彼と視線が交わる。
今度は深いキスではなく、軽いキスをしてバヂュンッと激しい一突きをされた瞬間。
ビュルルッと膣内に吐き出される精液の感触。
子宮口まで届いた精液が行き場を失って、中でトロトロと入口まで逆流してくるのを感じた。
声にならない声を上げて、彼の胸板に顔を押し付けて自分も絶頂を迎えた。
カクカクと震える腰と、痙攣する下腹部にもう快感を抑えることはできない。
数回腰を動かしながら、交わる視線に軽いキスをし続けていると、ふと嬉しそうに彼が笑みを零して、強く腰を掴んできた。
「ずっとアンタのこと狙ってたんだよ…だから、まだ俺の暇つぶしに…付き合ってくれるよな…?」
優しい問いかけを、快感に支配された私には考えることなどできなかった。
ただ彼に言われた言葉に嬉しそうに頷いて、また腰を動かすことしかできなくなっていたのだった。
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