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マッチングアプリ

豹変した彼から愛されて

「…この後どうすればいいんだろう」

私の前を歩く彼に、着いて歩いてはいるものの、不安ばかりが付き纏っていた。

恋人に振られてヤケクソでアプリを利用してみたものの、前の恋人以外と付き合った経験もなければ、抱かれた経験も彼のみだ。

それなのに今日が初対面の彼と、この後どうすればいいかなんて分からなかった。

会った時から声が掛けづらい雰囲気を纏っていた彼は、一緒に歩いていても私に話し掛けることもなければ、特に何かをしてくれる訳でもない。

不安感を抱えながら彼の後を付いて行くと、ふと足が止まった。

「疲れた」

突然の言葉と、私の方へと振り向いた彼に目を丸くした。

嫌な顔をしている訳でもなく、ただ彼は一言そう発したのだ。

「つ、疲れたの…?なら、どこかで…」

「ここがいい」

そう言って彼が指差したのは、少し先にあるまだ新しいラブホテルだった。

そのホテルを見た瞬間に、一気に顔が熱くなり首を横に振って、激しく否定の言葉を並べた。

恋人がいた時でさえ、こんな場所に足を踏み入れたことなどなかった。

突然の言葉に首を横に振って拒否をするも、彼は不思議そうに私を見ながら首を傾げた。

「別にやましい気持ちなんてないけど」

「だ、だってここはやましいことをする為に来る場所なのよ?それ以外に訪れることなんてないでしょ!?」

彼は顔を真っ赤にして拒否をする私を、ただ無表情でジッと見つめたかと思えば、途端に重たいため息を吐いた。

「今の時代ラブホなんて女子会とか、休憩所として使う人の方が多いよ」

彼は物珍しそうな表情に代わり、すぐに無表情に戻った。

30代後半に突入した私と、まだまだ幼さの残る20代半ばとでは、全く時代が異なるらしい。

彼の話に心底驚きながら、休憩所として使うのならと言葉を添えて受け入れることにした。

そのまま彼は私の言葉を待たずに、ホテルへと向かって行った。

その後ろを慌てて着いて行き、初めて入るホテルの中を見て、驚くことばかりだ。

外装もそこそこ新しそうだったが、内装も凝っているようで周囲を見渡した。

真っ直ぐに受け付けに向かい、男性に声を掛けて指定した部屋の鍵を受け取っているのを見た。

私のことなどお構い無しに、前を歩いてしまう彼の後ろを必死に着いて行く。

到着した部屋は、真っ赤な色合いで、なんとも生々しく思えた。

大きなベッドの上にはローションやタオルなどが置かれており、例え休憩で使用するだけと頭で思っていても意識してしまう。

彼はそのままシャワー室に向かい、ただ私はベッドの前で立ち尽くしていた。

周囲を見渡しながらゆっくりと室内を見て歩くと、ベッドサイドに「ご自由にお使い下さい」と書かれているのを見つけた。

引き出しを開けて中を覗いて見ると、そこには綺麗に箱に並べられた避妊具と、未開封のまま置かれている大人の玩具が入っていた。

自分でする時でさえ、こんな物を使ったことはないし、元恋人との行為の時だって使ったことはない。

初めて目にするそれに一気に顔に熱が集まり、顔を勢いよく逸らして引き出しを閉めた。

すると下の段にも引き出しがあった為、ティッシュか何かかと思い、開けて見ることに。

けれどそこに入っていたのは、先程とは比べ物にならないSMプレイをする為の物や、陰茎を象った更に太くトゲトゲしさの増した大人の玩具だった。

全てが初めての物ばかりで、画像でしかこんな物を見たことはなかった。

ロープのような物までしっかりと入っており、これは一体何に使うのだろうかという興味ばかりが湧き上がる。

彼はまだシャワーに入っている為、まだまだ出てこないはずだ。

まじまじと中の物を見つめては、ツンツンと啄いて見たりと、不思議な物で溢れていた。

それを見つめていると、背筋にズシッとした重さを感じ、大きく肩が跳ね上がった。

声にならない声を上げて、硬直する私に腰に腕が回された。

「…それ興味あるの?」

低い声が耳元で囁かれ、大きな悲鳴を上げて腕から逃れようとした。

しかしがっしりと腰に回された腕では、どうすることも出来ず、彼は私に重く体重を預けたまま項にスリッと頭を押し付けた。

しっとりと濡れる髪が、項や髪に触れて体は温かいはずなのに、髪はひんやりと冷たく感じる。

つうっと首筋に滴り落ちてきた髪の水滴に、大きく体が跳ね上がる。

「い、いやらしいことはしないって言ったじゃない…ッ!」

「する気はなかったよ。性欲だってそんな俺ないしね。けど、あなたがそれをまじまじと見てるもんだから使いたいのかなって」

何を考えているのか分からない淡々とした口調で話し始めた彼の言葉に、私の方が顔が熱くなっていく。

まるで私だけが興味を持っているような口ぶりに反論しようとするも、図星を付かれている為に言葉は出てこなかった。

腰に回された腕が徐々に上に登ってきて、ふにっとブラウスの上から胸を撫でられた。

「ッ、ひん…ッ!?」

「はは、可愛い声。今まで出会ったお姉さん達の中で一番可愛い声してるよ」

ふにふにと優しく彼の手に包まれた胸を揉まれ、反論したくても声にならない声が出そうになった。

今まで無表情だった彼の声は、興が乗ったように少し楽しそうで、胸を揉みながら私の首筋を蛇のようにチロチロと舐めてきた。

ひんやりと冷たい髪が項に当たっているのに、首筋を舐める舌は火傷しそうな程熱く感じた。

ゾクゾクとした電気が背筋を走り、顔を俯かせて彼の腕に爪を立てた。

「や、め…ッて…ぇッ…」

「声になってないよ。ほら、お姉さんがそれに興味があるからイケないんだよ?俺が使い方教えてあげるから」

先程までの人とは思えない変貌っぷりに頭が付いてこなかった。

言葉は少しキツいのに、声色には優しさを帯びていて、胸に触れていた手を離し、小脇に抱えるように軽々と持ち上げられて、ベッドへと乱暴に投げられた。

今までの愛撫が嘘のように、乱暴にベッドに放り投げられた体に、受け身など取れるはずもなく。

顔からベッドに倒れ込み、慌てて化粧が落ちていないか確認するように顔に手を触れた。

すると覆い被さってきた彼が、楽しそうに私の両手を掴んで、グルりと体をひっくり返した。

仰向けになった体と視界に広がる、心底楽しそうな彼の表情に、固唾を飲んでどうしてそんなに嬉しそうなのかと聞いた。

「ん?だって今までのお姉さん達は、少し偉そうだったって言うかさ。あなたは全ての反応が生娘みたいで可愛いなって」

彼の言葉に馬鹿にされているような気がして、恋人がいたことや何度も彼と体を重ねたことなどを意地になって伝えても、彼は含んだ笑いをして私を見るだけ。

そのまま両手を頭上のシーツに押さえ付けられてしまい、彼が取り出したのは麻のロープだった。

それを手っ取り早く私の両手に縛り付けると、ベッドに固定し始めた。

「ちょ、ちょっと何よこれ…ッ!離して…ッ!そんな気ないって言ったじゃない!」

「んー…最初はなかったよ。でも、今はお姉さんのもっと可愛い反応が見たくなっちゃったかな」

口端を上げて、楽しそうに笑みを浮かべながら、私のスカートを一気に太ももの付け根まで捲り上げた。

期待していなかった訳ではなかったが、一応のことを考えて下ろしたてのいつもよりも派手なショーツが彼の目の前に晒された。

しかし私のそんな不安さえも彼は気にした様子はなく、動かせない腕で身を捩ってもビクともしない。

彼が口端を上げて楽しそうに笑みを浮かべた瞬間。

位置を分かっているかのように、親指と人差し指で秘豆を摘まれた。

突然ビリッと体に電気が走り、つま先をピンと伸ばして体を跳ねさせた。

その反応さえも彼は嬉しそうで、舌なめずりをして直に触れるようにショーツを横にずらして、顕になった秘豆を強くグニッと摘んできた。

突然の強い刺激に体を仰け反らせて、詰まった息を吐き出した。

じわりと目に滲み出す涙と、ビクビクと震える体に何が起きたのか理解できなかった。

けれど確かに秘豆を摘んでいる感触だけが、下腹部からビリビリと伝わってきた。

「はぁッ、は…ッあ、ぁ…ッ? 」

「…ここが気持ち良いんだ」

滲む視界の中に浮かぶ彼の目が細められて、楽しげに私を見つめたのも束の間。

ぐにっと指がまだ濡れてもいない膣内に挿入され、顔を顰める。

痛さはそこまでなくとも、ヌメり気もない膣内はキツく彼の指を締め付ける。

目を逸らさずに私の顔を見続ける彼が、うっとりと目を細めた瞬間。

親指と人差し指で捏ねるように、コリッと強めに秘豆を摘まれ、背を仰け反らせて絶頂した。

声を上げる間もなく、ビクビクと痙攣する体としっとりと子宮の奥から滲み出すように、愛液が膣内を濡らしていく感触。

「はふッ、あ…ッ…はッ…な、に…ッ?」

困惑する私に、彼はがっかりした様子で私の顔を覗いた。

「お姉さんイクなら教えてくれなきゃ。可愛い声聞けないでしょ?だから、次は可愛い声聞かせて」

徐々に膣内がしっとりと濡れ始めて、キツく指を締め付けてたのが嘘のように、ヂュポヂュポとやらしい水音が下腹部から響いていた。

ジワジワと快感の波が押し寄せて、しっかりと指の感触さえも分かってしまう程、膣内がヒクヒクと畝っている。

押さえつけられた腕では身動き一つできず、身を捩って、快感をやり過ごそうとした時。

グポっと愛液を滴らせた指が引き抜かれて、がばっと勢いよく足を持ち上げられ、大きく左右に開かれた。

彼の目の前に晒されたトロトロと膣内から垂れ流す愛液に、首を横に振って足を閉じようとした。

けれど彼の体が足の間に割り込まれてすぐ、ゴリュッとしたヌルつく硬い何かが膣の入口に押し当てられた。

「ま、待ってッ…ご、むは…ッ?そ、そんな太いの入らなッ…」

「妊娠した時は責任取ってあげるから。一緒に気持ち良くなろう」

足にチュッと軽いキスをされたのを感じ、敏感になっている肌をビクンと小さく震わせた時。

ヌルつく肉壁を強引に掻き分けて、元恋人のものとは比べ物にならない太さの陰茎が挿入された。

「ひ、ッぐ…!?」

グポッと先端が挿入された瞬間、浅い肉壁にカリ首が引っ掛けられた感触を感じた。

入口を出たり入ったりと繰り返すカリ首が、何度もグポンッと勢いよく引き抜かれる度に、快感が駆け抜けてビクンと背を仰け反らせてしまう。

「や、ッ、いやぁッ!そ、こぉッ、ぉ、んぉッ、だ、めぇッ、んあぁッ!!」

何度も出たり入ったりと繰り返すカリ首が、浅い所を引っ掛けては抜けていく感触に、ビクンビクンと腰を跳ねさせる。

それを楽しそうに笑みを浮かべながら喜ぶ彼が、私の足を持ち直したのを感じた瞬間。

ゴンッと強い衝撃が体中に走った。
はひっと詰まった息を吐きだして、背を仰け反らせながらガクガクと体が痙攣する。

「はは…根元までしっかりと入ったのお姉さんが初めて」

囁くようにうっとりと私の下腹部を一撫でして、すぐにゴンゴンッと子宮を突き上げてくる陰茎に、涙がボロボロと溢れた。

逃がすことのできない快感が体を駆け抜けて、限界はすぐそこまできていた。

ゴリゴリと激しく突き上げられる度に、ビクンビクンと体を痙攣させて、自分のものとは思えない甘い喘ぎ声を上げていた。

「んひぃッ、!あ、ぁぁッ…ん、あ、ぁッ、やだやだッ!も、もぉッ、むりぃッ!いぐッ、い、ぐぅッ、うぅんッ!いっちゃ、ぅぅ!!」

彼は満足そうに私を見つめ、がっしりと足を抱え直して深々と突き上げては、呼吸を荒くした。

「ッ、可愛いよ…ッ可愛い…大丈夫、俺が責任取ってあげるからね、我慢しないでイって…ッ!」

表情を変えなかった彼が、顔を顰めてゴリゴリと子宮を押し上げながら、突き上げる速度を早めた瞬間。

ビクビクと陰茎が脈打ち、ドプドプと膣内に吐き出される感触を感じ、あまりの強い快感に腰を浮かせて体を痙攣させて達した。

荒い呼吸を整える間もなく、彼は更に腰を深々と突き上げてきて、うっとりと目を細める。

体力のない私にとって、思ってもみなかった突き上げに情けない喘ぎ声が口から漏れた。

「やッ、だ…やだや、だッ、!も、ぉ、むりぃッ…!」

「ごめんね、性欲ないって言ったけど…あなたの前だと性欲湧くみたい」

そう言って嬉しそうに笑みを浮かべて、また二回戦目が開始されるのだった。

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ichigomilk

つたない文章ですが、みなさんの心に届きますように!どうぞよろしくお願いします!

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