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雨宿りの激しい出来事
6月の梅雨入りの前だというのに、昨夜からふりつづいている長雨がやむ気配もなく、一定の調子で降り注ぐ。
ある日曜日。恵美は、一日中部屋から出ることもなく外の雨音に耳を傾けていた。明日は女子大の授業があり、交通機関で通学する予定の恵美は、憂鬱な気持ちを隠しきれずに、外の様子をぼんやり眺めていた。この線状降水帯の降らせる雨の調子は、ハラハラとした気持ちにさせる何かがあった。気にしていても仕方がないとわかっていながらも、雨に気を取られてしまう。ニュースで見るように、きっと明日も、通学道路は浸水跡で泥まみれだろうな…そんなふうに考えると、明日は学校なんて休んでしまおうか?なんて思う始末。眠れぬ夜を過ごしながら、憂鬱な時間を過ごした。
おはよう〜。
家族に向かって挨拶をしたものの、恵美の心は憂鬱なまま朝を迎えた。
「恵美?今日は気をつけて行きなさいね」
母親が子供扱いをする様に優しく声をかけてきた。
「うん、大丈夫よ、じゃあ行ってきまーす。」
タンカを切って家を出ると、駅に向かって歩き出す。
道路は湿気ており、土のにおいがする。ああ、やっぱり…。多分ここも昨日は浸水していたんだわ。今は水は引いてるけれど。なんて思いながら通り過ぎ、無事に地下鉄に乗り、ガタガタと車両に揺られていた。窓から見えた外の世界には、再び雨が降り始めている。
「えー冗談じゃないわよ。またあの雨なの!」
心の叫びが顔に現れてしまい、周囲の人たちが驚いていた。そして恵美は仕方なく、とぼとぼと雨が降りしきるなかを、小走りで歩く。すると、恵美の背後から声がかかる。
「恵美ちゃん!」
「あっ祐一君、どうしたの?」
親の強い勧めで女子大に通っている恵美、声の主は、恵美の入部しているサークルのスタッフのひとりで、他大学の学生だった。
2歳年上の祐一、恵美は昔から2歳年上の異性になぜか弱い。恵美の姉がちょうど2歳年上という事情もあり、憧れてしまう年齢だった…。
「今日これから恵美ちゃんの大学に新入部員の勧誘に行くんだよ。」
「そうなんだ…。知らなかった。言ってくれたらよかったのに。」
「うん、そうだったね、恵美ちゃんの大学は広いから、一言連絡を取らないと会えないもんね。恵美ちゃん、車に乗っていけば?」
「うーん、どうしようかな。」
「なにを迷ってるの?バスよりもずっと早いし、この雨じゃあ車の方が楽だよ。」
恵美が一瞬迷う理由は、そんなことではなかった。恵美は祐一という男の車に、女の子ひとりで乗ることについて迷いが生じていたのだ。いくら相手が知り合いでも、世の中なにがあるのかわからないもの…。家政学科に通う恵美はとても奥ゆかしい性格で、それは恵美の母親譲りでもあった。
「うーんそうねえ、乗せてもらうわ。」
「恵美ちゃん、その前に俺、朝食、食べてないから、ちょっと寄っていってもいい?」
「うん。それくらいいいわよ。」
「恵美ちゃんにも奢るから。」
ふたりはファミレスに入り、ほんの30分程度の寄り道をしていた。祐一は和食、恵美はパフェを奢ってもらい、二人で食べた。まるで家族のようにしっくりとくる、祐一とのひととき。
「そろそろ行こうか?」
祐一が切り出した。ファミレスを出ると、ざーという音が響く。
「えーさっきより雨脚が強くない?」窓の外を見た恵美がいう。
「恵美ちゃん、今日学校行く人少ないんじゃないかなあ…」
「そうねえ…実は今日ズル休みしようと思ってたんだよね…」
「じゃあさ、もう今日は帰ろうよ。この天気じゃあ…学校行っても仕方ないと思うよ。」
恵美の通う女子大は、山の中の敷地に建っているだけのキャンパスで、みんなが憧れるような、近代的なビルではなかった。大学の敷地内では、移動中に雨が降れば当然ながらも、濡れてしまう。
「よし!今日は帰ろう。祐一君お願いできる?」
「いいよ。じゃあ後部座席に乗って、ゆっくり寝ていていいよ。」
「うん…」
内心では祐一というひとりの男のことを警戒している恵美。
誰だってそうでしょ。女性であるならば…。
「恵美ちゃん…恵美ちゃん、着いたよ、起きて…」
「ん?ああ、家?ついたのね…。ようやく到着したのね…」
どのくらい眠っていたのかわからないくらいに、恵美は車の中でぐっすりと熟睡してしまっていた。
雨の日はとにかく疲れて仕方がない…。今日の疲れだけじゃない、昨日から雨のせいで、ハラハラさせられていたからだ。
「ありがとう、祐一君、せっかくだからお茶でもどうかな?家族にも会っていってね。」
「じゃあ少しだけね。」
ただいま!あれ?ママはいないのかな。台所へと入ると、冷蔵庫の前のメモを見つけた。買い物と用事に出ています。帰宅は夜の7時ごろ…
なんだ、ママは留守か…。
祐一と恵美は、リビングでお茶を始めた。
「これハーブティーだけど、口にあうかしら?」
「恵美ちゃんって、家では話し方が変わるんだね…」
「ああ、hahahaha!これね、両親の躾というところかな。ほら〜うちって女子校、家政学科に通わせるほどだから。将来はお嫁さんになって欲しいみたいよ。」
「へー。そうなんだ…。今時珍しい親御さんだね。」
「そうでしょ?そのせいであたし、女子大の環境に慣れちゃって、もう男性社会には適応できないかもっていつも考えてるのよ。」
「ははは。。それは大変だね。」
祐一は優しく微笑んで、一口ハーブティーを口にした。
祐一君は、どうしてこんなに優しいのだろう。この先もしかしたら、彼以上に恵美の気持ちを汲んでくれる異性は、現れないかもしれない。これまでの恵美の人生でも、祐一のような異性には出会っていないのだから…。祐一を逃すと幸せになれないかも。そんなふうに恵美は考えていた。
「祐一くん?実はね、あたし…前からあなたのことが好きだったの…」
ティーカップを持つ祐一の手がピタリと止まった。
「恵美ちゃん?」
「あたしは、本気よ。」
「…」
「俺も恵美ちゃんのこと、好きだよ。」
「じゃあ…あたしに今ここでキスしてほしいの。」
恵美は自ら告白した。優しい祐一なら、相手をしてくれるだろう…。という恵美の計算だった。
恵美は恋愛経験はないけれど、女心は、恋愛小説にエッセイと、多方面から情報収集していたし、自爆だけは避けないと!なんて、ちゃんと我慢を心得ていた。
ハートが開くと、異性の少しの言動で傷ついたりしてしまう…。だからこそ、恋愛には指南書が必要よ。
恵美の綺麗なリップグロスの上に、祐一の唇は重なる。
まるで間接キスのような軽い感触のキス。このフレンチキスでは、恵美の好奇心は満たされなかった。キスって、こんなもんなんだ…と少し裏切られたような気持ちになってしまった。
「やっだめ…!!」
声に驚いたのは祐一の方だった。
「だめ…、エッチはだめよ。」
祐一は恵美の胸を弄り、洋服の上から大きな手で覆う。
恵美もまんざらで嫌ではなかったけれど、祐一の目的をすぐに悟って、ノーと言った。時すでに遅し。祐一の手はすでに、恵美のお気に入りのレース柄の下着の上に、優しく触れていた。
「あぁん……あっあっ」
指先が恵美の胸の突起物を摘んだ瞬間、恵美の全身には、電流のような衝撃が走った。ハートと下半身には、痺れるような感覚。これまでに体験したことのない感覚だった。
それにこれはなに?恵美の秘部が痛むように、下半身はムズムズしてしまう。この感じはなに?
祐一は恵美の異変に気がつき、パンティを探るように触れた。
「恵美ちゃん。乳首の刺激が感じやすいんだね…こんなに濡らして気持ちいい?もっとしてあげようか。」
パンティを強引に脱がせると、ベットリと愛液が付いてきた。
恵美はその瞬間の祐一の強引さに、男を感じてしまう…。そしてさらに、恵美の秘部からはじっとりとして、パンティのない下半身が濡れていくことに、自分でも気付いていたのだ。うち太もも周辺は恵美の愛液で、じっとりと湿っている。
他人がいるのに、こんなふうに濡れちゃうなんてえ〜。
はあはあ…恵美は肩で息をするほかなかった…。
恵美の愛液のその匂いは、女の性臭というよりも、もっと良いかおりだ。年齢なのか、女の気持ち次第で臭いが変わると聞いたこともある祐一は、甘くすっぱいような芳香に酔いしれてしまう。
そして、恵美の愛液のかおりを鼻から目いっぱい吸い込む。
「はあああ。恵美ちゃん…すごい。俺もう我慢できない…。」
興奮する祐一とは逆に、初めての出来事に少し戸惑う恵美。
戸惑う恵美をリードする様に、祐一は言った。唯一の祐一からの意地悪だと恵美は気づいた。されども、それが恵美にとっての媚薬になる。恵美の顔は火照り、もじもじとしながらブラウスを脱いだ。
「恵美ちゃん?」
たわわな恵美の胸が祐一の目の前に現れる。ブラジャーのレースは、美しいフィルムを包むように映えている。まるで、桜の花びらのように薄いピンク色の突起をつけて。
さすがの祐一も恵美の胸を目の前で見れば、視覚で興奮してしまい、恵美の上半身を抱えるように抱いた。ふくよかな胸の温かみを味わう祐一。
「ん…んふぅ……。恵美ちゃんの美味しいよ。」
「やだ…。エッチ。」
恵美の突起を口に含んだ祐一は、ご満悦の様子だった。
「祐一くん、あたし、身体の方がなんだか…変なのよ。はあはあ…」
恵美は祐一の膝の上に座るようにまたがっている。恵美は無意識に、あそこを祐一の身体へと擦りつけていた。興奮している恵美には、いつものお相手である女性用のおもちゃでもいいからって思うくらい、必要に迫られていた…。
「はああん、もうぅ、……ねぇ…欲しい。」
「お願い、祐一君のそれを入れてくれない?」
「…うん。俺も恵美ちゃんの奥味わってみたい。」
恵美は一瞬その表現にひいてしまうけれど、もう理性は効かない…。
恵美は自ら祐一の硬くなったものを出して、我が身にあてがうように、騎乗位の姿勢でスタンバイした。
「ん、もう少しうしろ、後少し横かな。入りそう…んん。ああ、んいい。」
「恵美ちゃんの中、熱くてトロトロだよ。」
「そういうこと言わないで……、いじわる。」
品行方正に育てられた恵美には、祐一といえども、男特有の露骨な表現は苦手だった。それでも恵美の欲望に火をつけた祐一は、恵美の奥にすんなりと、はまってしまった。まるでふたりは、ガラスの靴と持ち主のようだ。違和感なく、サイズが合うのだった。
「ねえ恵美ちゃん、このまま抜かずにしばらくこうしている?」
「ううん。動かして欲しいの。もっと、ゆっくりでいいから…動かして。もう中でイきたいの。」
「ゴムつけてないから無理だよ…」
「ねえ、あたしピル飲んでるから…お願い。中で出して…?」
とにかく中でイきたくて仕方がない恵美は、ムズムズしている。子宮が疼くとでもいうのか、ひとりエッチの時も、女性用のおもちゃで、ナカイキを試みたり…中じゃないと我慢できない様子。お嬢様の恵美は意外とエッチなのに、彼氏すら作れずにいたためか、かなり溜まっていたのだ。
「え?ピル?」
祐一は何事もよく考えて行動するタイプなので、恵美のピル発言も気になった。
恵美はお尻をあげて自ら祐一のものを抜いた。ぷるんと恵美の奥から出た祐一のものを、恵美は口に含む。
「恵美ちゃ…!んあぁっ…」
驚いたのは祐一の方だった。
女というものは、一旦自分の中へと招いたものは、平気で舐めてしまえる。まるで自分の体の一部と化したように錯覚してしまうらしい。
「はああんん、どうしても、ほしくて…くちゅう…」
恵美の小さな舌で祐一自身を舐める。竿から先端の亀頭という部位にまで。男の人ってどこが一番気持ちいいのかしら…。
恵美は祐一の硬くなったままのものを咥えた。
「…!!恵美ちゃん、ごめん!」
勢いよく恵美の顔に出してしまった祐一は、恵美に謝った。綺麗な顔の恵美を汚した罪を感じている。祐一はやっぱり、優しい男だった。
「うん、大丈夫よ、だって中出しよりもいいでしょ?それにこの匂い、独特の匂いってそそられるの。誰に言えないけれど。」
男にとってという意味で、恵美は聞いてみた。
祐一からの返事はなく、ことを終えた時には、窓の外はまだ雨が降り続けていた。2人の声を雨がかき消すように。いったいいつまで降るつもりかしら…?恵美は心の奥でつぶやいた。
祐一は恵美をバックの姿勢にし、後ろから挿入した。後ろつきタイプの恵美は、お尻を突き出すようにして挿入を待つ。
「恥ずかしい、ほんと。ねえ…これって動物もとる姿勢よね?あたし、一番苦手かも。」
「でも、男はバックが一番好きなんだよ。恵美ちゃんのお尻エロくてそそられる、いいよ。」
「やだエッチすぎる。ほんと、いやねえ男って。征服欲かしら…?」
「かもね。」
「祐一君はどうなの?」
「征服欲かもね。お尻をみると入れたくなるサガが男だから。」
「えー、あなたもなのお?」
恵美と祐一の冗談めいた会話は延々と続いていきそうだった。その途端、
「あっ!ん!いやああぁぁ」
突然会話が途切れて恵美が叫ぶ。祐一のものが奥の方まで突き上げたらしく、恵美の表情は曇り、ウエストから下を、もじもじとしている。ぷるんぷるんと恵美のおっぱいが揺れている様子を祐一は満足気に眺めている。
「恵美ちゃんすごくエロい…」
恵美の方はというと、苦しいような痛いような不思議な感覚と、昔、直腸検査でカメラを挿入した時の子宮の痛みを思い出した。
「祐一くん…あたしバックはダメかも。…まだ正常位の方が恥ずかしくないわ。」
「大丈夫?痛ければやめよう?」
優しい祐一は欲望を果たす際中でも、止めてくれたのだ。
「バックって難しいよね。」
「うんそうだね、映画やビデオではすごいけどね。」
「え?恵美ちゃん、どこでみたの?」
「やだあ、もう、冗談よ。」
「ねえ、今度会う時まで体位を調べておこうかなあ〜。もっと色々試してみない?」
「俺はいいけれど…。いいの?俺は恵美ちゃんのマシュマロにような、おっぱいさえ有れば、満足だけど…」
祐一は恵美の綺麗なおっぱいに視線を注いだ。
もしかして、祐一くんってそっちのタイプ?恵美は疑いを持ってしまう。男性にも、エッチはタンパクでおっぱいフェチがいるから…。恵美の情報収集の幅は広い。マザコンタイプの人でも、エッチは好まず、女性の胸に終着する男は意外と多いらしい…。
なんて、恵美の想像力は膨らむばかり。
「恵美ちゃん?」
まだ裸のままのふたりは、バックから次の体勢へと持て余していた。
「あたし今のところ、騎乗位が好きかも。」
「え。恵美ちゃんって結構攻めるね。」
「恵美ちゃん、お願いがある。恵美ちゃんのはいてたパンティ、持って帰っていいかな?」
「あんなのどうするの?」
「恵美ちゃんを思い出すとき使うよ。」
恵美はその言葉の意味を、すぐに理解した。
こんな感じでふたりの温度差が開いてゆく。確かに祐一君はいいやつで、恋愛相手にも好ましい。ただ、エッチしてみると、ちょっと違うような気もする…。
祐一君は、セフレには向いてないわ…。少し賢すぎるのよ。もっとエッチだけの相手じゃないと現実的になっちゃう。それに理性が働きすぎる相手も、どうかしら。
恵美は心の中で一人思い悩んでいた。
恵美には姉がいる。高校生から早熟な姉は、彼氏と共に家を出てしまい、両親には勘当されていた。唯一妹である恵美を、親の理想通りに育てていた。恵美にだって、姉と同じ血が流れてるんだから、女子大生にもなって経験の一つくらいはしてみたかった。祐一と恵美は、この雨の日の出来事以来、何も起きていない。なぜなら恵美の方から、祐一に恋人としての関係を求めないから…。
まさに雨の日の出来事として、さっぱりと後腐れなく流れていた。祐一は結婚相手には適していそうだけど、まだ若い女子大生の恵美には、ちょっと物足りないくらいに感じてしまったのだ。
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