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マッチングアプリ

男性からの熱いアプローチに欲情して

「あ、この人よさそう」

私は日下部莉々(くさかべりり)。

ただいまマッチングアプリで絶賛彼氏捜索中。

保育士をやっているんだけど、なかなか出会いには恵まれない。

職場に来るのはもちろん既婚の男性か未成年(笑)。

合コンをしても保育士ってあんまり需要ないみたい…。

でもこの広い世界、きっと私とぴったり合う人がいるはず。

そんなことを考えながら手っ取り早くマッチングアプリで素敵な相手を見つけている。

ピロン♪

アプリからの通知が鳴る。

DMだぁ。

わくわくしながら開く。

「相馬琉斗(そうまりゅうと)さん…」

プロフィールを見ると飲食店経営らしい。

でも…。

「なんかこの写真…。いかついなぁ」

なんか苦手だなぁこういう“漢(おとこ)”って感じの人。

『初めまして、理想の人にピッタリなのでぜひ俺とお話ししてください』

うわぁ。メッセージもダイレクトだなぁ。

オラオラ系っていうの?

ちょっと無理かなぁ。

私は軽い気持ちで少し保留にしていた。

でも次の日もまたメッセージが来た。

『何度もごめんなさい。よかったら少しお話ししたいのですが?』

うーん。このままにはしておけないし。

そう思ってお返事をする。

何となく冷たくあしらえない。

これって保育士の性(さが)なのかなぁ?

「“初めまして。お返事遅くなってごめんなさい。メッセージありがとうございます。”っと」

ピコン♪。

うわ、返信早!

『お返事嬉しいです。少しお話しませんか?』

なんかかわいいなぁ。

ちょっと必死な『お話ししませんか?』の連呼に笑ってしまう。

どれだけ私と話したいんだろう。

『プロフ見て、すごいタイプで、一発で好きになりました!』

いやいや、怖いって(笑)。

「ありがとうございます。」

『保育士って大変なお仕事ですよね?小さな命を預かるっていうか…。』

へぇ、そんなイメージなんだ。

「そうですね。親御さんとのかかわりもありますし」

『あぁそれも大変ですね。お子さんが好きなんですか?』

「まぁそうですね。子供といると毎日が新鮮で刺激的なので」

『刺激的…ですか。いいですね』

「相馬さんのお仕事はどうですか?」

私のことばかり聞かれるので話題を変える。

ちょっと相手のことも気になるし。

『まぁお客様相手ではありますけど、自分はホールにはあまり出ないので。普段は主に事務的な仕事が多いですね』

まぁその見てくれじゃ、確かに接客って感じじゃないかも。

そんなふうに思って1人で笑ってしまう。

それからというものほぼ毎日相馬さんからメッセージは続いた。

まだ一度もあったことのない私に、とっても熱心にアプローチしてくれる。

今まで避けてきたタイプだけど、相馬さんとは顔を合わせてないせいか会話もスムーズにできた。

2週間ほどやり取りをした後、

『良かったら会いませんか?』

というお誘いをいただいた。

どうしよう。

正直悩んでしまう。

だってもともと苦手なタイプだし、実際あったら怖い人だったらどうしよう。

「すいません。少し考えさせてください」

私の返答にいつも即リプをくれる相馬さんからのリプがない。

あぁなんか冷められちゃったかなぁ。

何だか残念な気持ちになる。

なんだろう?このもやもや。

次の日起きるとアプリの通知があった。

相馬さん?

私は急いで見てしまう。

うきうきしてしまう自分に驚く。

『返信遅れてごめんなさい。前向きに検討してもらえるとうれしいです。日下部さんの喜んでくれそうなプラン考えて待ってます』

こんな返信にホッとして嬉しくなる。

嫌われてなかった。

そう思ったときに彼のことが気になっていることに気づいてしまう。

もう迷うことはないだろう。

その日の夜。

仕事終わりにメッセージを送る。

「私も相馬さんにお会いしたいです」

彼からは即リプが来る。

『ありがとうございます!』

ふふ。

喜んでくれてるみたいで私も嬉しくなった。

『一週間後に』

そう言われてから約束の日までとても待ち遠しかった。

なんか遠足前の園児たちみたいで、自分でもおかしいと思ってしまう。

水族館―。

どんな服装にしよう。

彼の服装の想像もつかないからロングスカートにTシャツ、スニーカーを選ぶ。

少し緊張しながら待ち合わせ場所に向かう。

市民ホールの駐車場で待ち合わせる。

片隅に停められた黒のRVから、紺のシャツにべージュのバンツを履いた長身の男の人がおりてきた。

「日下部さんですよね?」

いかつい顔には不似合いな満面の笑顔が私に向けられる。

「は、はじめまして」

そう言うのが精一杯だった。

小柄と言われる私から見ると、まさに見上げる大きさ。

すっぽり隠れてしまうほどのガッチリした体付き。

心臓がうるさいほど高鳴る。

「実際会ったらもっと好きになりました」

まだ会ったばかりの私に目を細める相馬さん。

恥ずかしげもなくストレートな言葉をぶつけられて頬が熱くなる。

「今日は時間を作ってくれてありがとうございます。よろしくおねがいします!」

「こ、こちらこそ」

照れくささと嬉しさでぎこちなくなってしまう。

「大丈夫ですよ。取って食べたりしませんから」

そんな私の様子に相馬さんが笑いながら言ってくれた。

エスコートされて車にのって水族館へ。

子供達とくるのも楽しいけど、仕事だと気を配っているから、純粋に楽しめるのは嬉しかった。

そのせいか、かなりはしゃいでしまった。

相馬さんの視線に気づいてちょっと恥ずかしくなる。

「あ、あのはしゃいじゃって、ごめんなさい」

「いいんですよ。楽しんでもらえて自分も嬉しいです。」

そう言って微笑んでくれる相馬さんに紛れもなくときめいてしまった。

1日はあっという間に過ぎてしまう。

「最後にイルカショー見ましょう」

濡れてしまうからと後回しにしていたイルカショーに誘われて、あぁもうすぐこのデートも終わりか、と寂しさを覚える。

ショーが始まるまで2人で会場のベンチに並んで座る。

「今日、自分ほんとに楽しかったです」

相馬さんがふとつぶやくように話す。

「なんか自分と日下部さんって“美女と野獣”みたいな感じで見た感じ釣り合わないし、日下部さんなんとなく自分のこと苦手かなって感じてました」

す、鋭い。

「でも、今日1日一緒に過ごして、やっぱり日下部さんのこと好きだなって…」

うつむいたまま話し続ける。

「はじめはほんとに顔がタイプで、でも話してたらどんどん好きが大きくなって」

ふっと向けられた視線はとても真剣で熱いものだった。

それにドキッとしてしまう。

「よかったら真剣に俺と付き合ってもらえませんか?」

いつの間にか一人称が“俺”になっている。

「絶対に日下部さんに後悔させないから」

じっと見つめられて空気が張り詰める。

そこでタイミングよくショーの開始を告げるアナウンスが流れる。

相馬さんはニコッと笑って、

「イルカ、見ましょうか」

と言った。

相馬さんのあの眼差しが目に焼き付いて、可愛いイルカにあまり集中できない。

でもショーの最後に

ピシャ!

と水しぶきをかけられる。

「キャッ」

と小さく叫んだ瞬間、相馬さんが私をかばってくれた。

濡れた髪をかきあげて、

「ふう」と息を吐いてわらう。

「結構強烈でしたね」

そう言って濡れて肌に張り付いたシャツを片手でバサバサと仰ぐように剥がした。

その仕草に私の鼓動はマックスになる。

「大丈夫ですか?」

そう言ってバックからハンカチを取り出し、ぬぐうふりをしてさり気なく彼に触れた。

「大丈夫ですよ、それより日下部さんが濡れなくてよかった」

笑顔を見せる相馬さんから目が離せない。

「さ、ショーも終わったし帰りましょうか」

帰りの車でも相馬さんは会話を弾ませてくれる。

けど、私のドキドキは全然おさまらない。

「日下部さん大丈夫ですか?」

うつむいたままの私を相馬さんが心配そうに覗き込む。

二人きりの社内。

近付く距離。

もう限界……。

「相馬さん、あの…」

言いかけると、

「ちょっと待って日下部さん」

相馬さんに制される。

「あんまりやばいこと言わないで。俺今まじでドキドキしてるから。もし日下部さんに甘いこと言われたら、押し倒して襲ってしまう…」

はだけた胸元に視線が釘付けになる。

あんなに苦手だったガッチリとした胸板に今は包まれたいと思う。

「いいの…。おそわれても…」

口に出してからハッとする。

初めてのデートでこんなことを言う女なんて軽いと思われちゃう。

「あ、あのごめんなさい!ちがう!違うんで…」

「もう遅いから…」

相馬さんの表情が雄のそれになる。

車を急発進させてマンションらしき駐車場に入る。

車を降りて助手席のドアをあける。

「降りて、ここ俺んちだから」

そう言って手を引かれて、彼にされるがままにマンションの1室に入る。

そのまま背中をドアに押し付けられ思いがけないほど優しいキスをされた。

唇が離れた後私達は視線を絡ませ合う。

「俺は日下部さんのこと本気で好きなんです。その意味わかってますよね?」

熱い視線で射抜かれたままに言われて私は静かにしっかりと頷く。

「一回きり、一時の感情とか、体の関係だけの遊びじゃないんですよ?」

その言葉に私は背伸びをして、彼の肩に手を置いて顔を近づける。

「私もどうしようもなく相馬さんに惹かれてしまうんです。だから軽い女なんて思わないで」

そう告げてキスをした。

そのキスは彼に捕らえられ深く激しく、でもじっくりと私を溶かす。

そのあとはそのままベットルームへと流れ込み、本能のままに求めあう。

相馬さんは力強い腕とは不似合いなほどやさしく私の服をはがしていく。

不器用に外されるブラジャー。

そのせいで何度もふくらみの先端をかすめる相馬さんの腕や手のひら。

「はぁ…」

そのたびに甘い吐息がもれてしまう。

私も目の前にある相馬さんの胸板に見惚れる。

焦れるように残っているボタンをはずしてその中にある肌を求める。

タンクトップをめくりあげやっと触れることができた肌にまたため息が漏れてしまう。

「日下部さん、くすぐったい」

私の手の上に自分の手を重ねて相馬さんがささやく。

「あ、ご、ごめんなさい」

離そうとするとしっかりと手をつかまれて彼の胸にしっかり押さえつけられる。

「もっと、もっといっぱい触ってください」

そんなふうに言われたら抑えきれない。

相馬さんのベルトに手をかけてズボンから外す。

その隙間から手を滑り込ませておしりを触る。

「あぁ…。」

可愛い反応にぞくぞくしてしまう。

そう思っていると相馬さんの手が私の胸を包む。

やわらかく優しく包まれてそのまま揉まれて彼の手の中で私の胸は自在に形を変えていく。

「あ、相馬さん…」

「気持ちいいですか?」

コクっとうなずくと

「じゃ、これは」
と言って私の乳房にむさぼりつく。

「ひゃっ!あん!」

「甘い気がします」

私の反応を楽しみながら相馬さんは体をぐっと近づけてきた。

「…!はっ!」

密着した体の中心にあるその熱と大きさに息をのむ。

「日下部さんのせいですよ」

大きくなった相馬さんのソレに私が気付いたのをわかって、相馬さんは嬉しそうにささやく。

視線の先にある猛りにゆっくり手を伸ばすと、相馬さんは起き上がって私に触らせてくれる。

「うっ!」

触れた瞬間相馬さんから声が漏れた。

その根元からゆっくりと包むように手を動かす。

「…日下部…さん」

相馬さんが苦悶の声を発する。

私に触れられて“むく”っと質量が増す。

「これ、気に入りました?」

やっとのことで相馬さんが言葉を絞り出す。

「ほしいですか?ほしくないですか?」

そう聞いてくるそのつやっぽい表情に思わず息をのむ。

「ほら、」

そう言って私の手を外しその棒の先端を私の中心にあてがう。

ぬちゃ。

私の蜜口から湿った音がした。

「あ…。」

「ふっ。欲しいんですね?こんなになって…。」

相馬さんは私の下着をはがし直接熱を押し当ててくる。

はぁ…。ちょっと動いたら入っちゃう…。

「すぐにあげますよ」

そう言って一度離れてゴムを付ける。

そのしぐさもじっと見てしまう。

「そんなもの欲しそうにされたら俺頑張っちゃいますよ」

そう言いながら私に覆いかぶさる。

「いいですか?」

見降ろされそう聞かれても、私にはOKの選択肢しかない。

自分でもわかる。

私のアソコはよだれを垂らして相馬さんのモノを待ちわびているのが。

相馬さんに抱き着いてぐっと腰を寄せる。

「ちょうだい」

そういうと相馬さんは一瞬目を見開いて、すぐに優しく微笑む。

「じゃ,いくよ」

ぬちゃっ!

「あぁぁん!」

声と同時に奥まで一気に貫かれる。

のけぞってその熱を咥えこんだ。

あぁん、いい。

このまま、ずっとつながっていたい。

「中、さいこう」

そう言って相馬さんは律動を始める。

もう隅々まで舐めまわすように腰をグラインドさせる相馬さん。

体全部が性感帯になったみたいに揺さぶられてどうにかなっちゃう。

「はぁはぁはぁ…。」

相馬さんの熱い息が私の耳をくすぐる。

「もっと、ねぇもっとぉ。」

どうしてだろうこんなに満たされてるのに、もうこれ以上は溶け合えないのに、それでもまだ欲望が駆け上がってくる。

「いいよ、いっぱいあげるから」

たくましく鍛えられた体と男らしい行為に、どんどん翻弄されていく。

「あぁん、いっぱい出ちゃう…」

「ほんとだ。俺と日下部さんつながってるとこ、びしょびしょだ…。」

何度も何度も中をさすられ彼のモノに絡みついてしまう。

「あぁ…ごめんなさい俺、イキたくない…」

私も同じ気持ち。

でももうすぐそこまで波が来ているのもわかる。

せめて一緒に。

私の中に搾り取ってしまいたい。

「りゅう…と」

思わず名前を呼ぶ。

すると中で彼が膨張する。

「あんっ!」

「あ、だめだ。もう…。」

そう言って私をぎゅっと抱きしめる相馬さん。

「いくよ、りり」
名前を耳元で呼ばれて体の中で何かがはじける。

「あっ!いや!」

「…っ!ふっ!うっ!」

あらがおうとしてもあらがえない大きな快感に包まれて、私は彼と同時に果てた。

ドクンドクンと何度も彼の欲望がゴム越しに私の中で放たれているのを感じながら、彼を強く出し寄せた。

どのくらいたっただろう。

ずるっと私の中から彼のモノが引き抜かれる。

「あぁ…ん…」

「大丈夫?」

横にぐったりと倒れこんだ相馬さんが優しく頭をなでてくれる。

起き上がって吐き出したものを処理している相馬さんの背中をじっと見つめる。

あんなに苦手だったごつい背中にそっと触れる。

「ん?」

ゴムを捨てて振り向く相馬さん。

「幸せ」

そう告げると、

「俺もだよ」

そう言っておでこにそっとキスをしてくれた。

これからも私は相馬さんのやわらかい笑顔に、心も満たされてしまうのだろう。

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Akari

皆さま、読んでくださり、ありがとうございます!順次新作をお届けしますので楽しみにお待ちください! 【おすすめ掲載】 ・打ち上げ花火に照らされて(純愛) ・僕たちの初恋(BL) ・夏の暑さに酔いしれる(不倫)

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