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不倫

私じゃない誰かを愛するあなたとの行為

「あら、今日は早いのね。」

当直室のドアを開けて、お目当ての人物に向かって真っ直ぐと駆け寄った。

「そりゃあ、そうだろう?なんたって君との大切な時間なんだから。」

カルテに目を通しながら、俺を見つめてくる彼女に生唾を飲み込んだ。

切長な目を覆う長いまつ毛に、ふっくらとした真っ赤な唇。

全体的に華奢な身体なのに、明らかに目を奪われる豊満な胸。

程よく突き出た臀部なんて、魅力に溢れすぎている。

静かに彼女に近寄って、カルテを奪い取り、椅子に座っている彼女の身体を抱き上げた。

ソファーに座り込み、自分の膝の上に向かい合う形で座らせた。

長い髪を耳に掛けて、うっとりとする目で俺を見つめてくる彼女の腰を引き寄せて、視線を逸らさず唇を重ねた。

何度も求めるように重なる唇が離れた頃、お互い唇からは糸を引いていた。彼女は強気な眼差しで舌なめずりをしてくる。

「ふふ、あなたとのキスって好きよ。熱くて、火傷しそう…」

「俺も好きだよ。こんなに強い目してるのに、あんなに可愛い顔して、乱れるなんてさ…」

目を細めて、ゆっくりと挑発的に俺の首に腕を回す彼女に、陰茎がズボンの中で主張し始めている。

彼女はそれに気付いたようで、自ら白衣を捲り上げて、股間に膣を押し付けてきた。

グニグニッと細い腰を前後に揺らして、ショーツ越しに膣に当たるように何度も腰を揺らしていた。

そんな姿を見て我慢など出来るはずがない…。

彼女の腰をがっしりと強く掴んで、激しく前後に揺さぶった。

「あ、ぁッ、きっもち…ぃッ…」

「可愛いよ、先生…ほんとたまらない…」

布越しでもお互いの熱をしっかりと感じ取っては、何度も激しく腰を前後に揺さぶった。

甘い喘ぎ声を漏らしながら、快感に喜ぶ身体に笑みが零れる。

背を仰け反らせて快感に震える細い腰をがっしりと掴んで離さずに、行為に溺れるのだった。

***

「あれ、今日も残業ですか?」

「そうよ、カルテの入力が間に合わなくてね。」

小さくため息を吐きながら、パソコンと向き合う私に、後輩は大きなため息を吐いて、ジトッと恨めしそうにこちらを見てきた。

「ホント先輩ってお肌も綺麗だし、髪も綺麗で羨ましいです。おまけに彼氏持ちで、ほんとできる女って感じですよね!」

「早く寝るのが大切。それに自分の為だもの、綺麗でいたいじゃない。」

「ほんと尊敬しますよ、先輩って。」

そして、ふと何かを思い出したように私に駆け寄ってきた。

「そういえば先輩、あの噂…知ってますか?」

「何よ、噂って。」

「だからその…えっと…先生の噂ですよ」

彼女は言いづらそうに、言葉を濁しながら「先生」と言った。

またその話か、と、さくため息を零した。

何度聞いたか分からないその言葉に、首を横に振って流すように聞いていた。

「あの人は私と結婚したいって言ってくれたのよ?彼に限ってそんなことないわよ。ただちょっと女癖があるって言うだけで…とにかく彼に限ってそれはないわよ。」

再三伝えても、私の言葉を誰一人信じてはくれなかった。

彼女もまたその一人のようで、私の言葉を素直に聞き入れてはくれていないようだ。

顔を俯かせても言葉を続けようとする彼女に近付いて、頭を優しく撫でた。

「彼のことを信じてるから、心配しないで。きっと誰かが良からぬ噂を流したのよ。」

「そうだと、いいんですけど…」

彼女の頭を乱暴に撫でながら、ナースステーションを後にして見回りがてら、廊下に出た。

嫌という程聞いた噂話。

新しく赴任してきた美人の女医と、自分の恋人である高瀬さんが愛し合っているという噂。

最初は耳を疑ったし、過去に何度か二人きりで女性とデートに行った経験のある高瀬さん。

しかし、彼はその後、きっぱりと女性との交際は止めて、私一筋に心を入れ替えてくれていた。

その為、例え男性看護師や、男性医師、それに患者達が目を奪われるような美人であろうと、私は高瀬さんのことを信じていたのだ。

廊下を歩き、見回りをしているとふと見慣れた姿を見つけて駆け寄った。

胸に湧き上がる嬉しさを押し殺しながら、仕事の雰囲気を装って、彼に近付いた。

「高瀬さん…!」

「ん、?あ、ああ、結衣ちゃんか。どうかした?」

「いえ、ただ今日はまだ会えていなかったなと思いまして…その…寂しかったなって…」

素直に自分の気持ちを伝えると、彼は困ったように笑って、私の頭を撫でてくれた。

それが嬉しくて、周囲に人がいないことを確認して、彼の胸の中に飛び込んだ。

それを嫌がることもなく、受け入れてくれて、優しく抱き締めてくれた。

しかし、その時にふとふんわりと甘い香りが彼から漂ってきたのだ。

「…何か甘い匂いしませんか?」

「え?あ、甘い匂い?そんなものしないけれど…」

すると、高瀬さんは一瞬首を傾げたが、少し考え込む素振りを見せて、したり顔で私を見た。

そして私の腰に腕を回して、埃っぽい薄暗い物置部屋に引き込んだ。

そのままガチャンっと鍵を閉めた高瀬さんに、私は首を傾げた。

真っ暗の中で、何があるのかも分からない状況に、不安が押し寄せた途端。

腰に回されていた彼の腕が離れて、どこにいるのか分からなくなった。

「た、高瀬さん…?」

湧き上がる不安感に、手探りで探して見るも、彼の身体に当たることはない。

しかし、その瞬間。

背後から強く抱き締められて、胸をまさぐられた。

「ん、ぁッ…!ちょ、っと…たか、せさんッ…!」

「君と早くセックスしたかったから、身体から甘い匂いが出てたのかも…ッなんて…」

上下に揺さぶるように執拗に胸を揉まれ、次第に下腹部にキュンっと甘い疼きを感じた。

背後に確かに彼の声は聞こえるのに、姿が見えない状況に恐怖心よりも、次に与えられる快感のことに期待してしまっている。

「ひ、ん…ッぅ…や、めッ…まだしごと…あるから、ぁんッ…」

「可愛い声出てるよ?聞こえちゃうかもね…」

囁くように聞こえた彼の声に、背筋に痺れるような快感が走る。

2ヶ月ぶりの彼の熱と、彼の手の感触に、どこもかしこも甘い痺れが流れ出す。

チュッと項に軽いキスをされながら、何度も強く胸を揉まれたかと思えば、今度はその手が下腹部に伸びてナース服の上から、コリコリと秘豆を押し潰された。

彼と性行為をして以来、一切快感を感じていなかった身体が、突然の強い刺激にガクッと力が抜けて、その場にへたり込んでしまいそうになった。

しかし、彼の腕が身体に回り、軽々と私を支えながら、強く腰を押し付けてきた。

たったそれだけの感触にさえ、身体は快感を拾い、大きく跳ね上がってしまう。

ナース服の上から秘豆を弄っていた指が離れてすぐ、ズリっとズボンを下ろされ、ショーツの上から秘豆を強く弄られた。

「あ、ぁッ、んぐッんん…!?」

「あー…駄目駄目…声聞こえちゃうでしょ?」

漏れてしまいそうになった喘ぎ声が、突然口内に挿入された2本の指によって阻まれた。

指の腹で、上顎や歯列をなぞるように指が動き、ビリリッと甘い疼きが身体に走る。

くすぐったいような、何とも言えない快感。私は、手探りで彼の腕を掴んだ。

支えを失った身体はガクガクと震えて、今にも崩れ落ちてしまいそうだ。

「ねえ、そこに壁があるから、腰突き出して。」

いつもよりも熱を含んだ甘い声に言われるがまま、おずおずと手を前に突き出してすぐ壁に触れて、そのまま力無く壁に手を付いた。

腰を突き出すような形になり、暗がりだとしても想像をするだけで脳が甘く痺れるように、恥ずかしさを覚えた。

背後でゴソゴソと聞こえ始めたかと思えば、ヌルリとした感触が、布越し感じた。

ひ、と小さく悲鳴を上げてしまい、グリグリと押し付けられる硬い先端が、膣の入口を刺激し始める。

「ん、んぐッ!んん、んぅ、うぅッ…!」

「もう濡れてるね。そろそろ挿れていいかな…?」

股の間を何度も往復して、まるで素股をされているような感覚に、腰はガクガクと震え出した。

本当はこんな所でしたくない。

もっと甘い囁きで、ベッドで二人乱れるようなセックスをしたかった。

それでも、忙しい合間をぬって私を求めてくれる彼に、嬉しさが込み上がった。

ジワッと愛液が滲み出し、徐々に粘着質な音が室内に響いている。

グチュグチュとしたいやらしい水音が耳に届いて、顔に熱が集中してしまう。

ビリビリとした強い快感が身体を駆け抜けて、甘ったるい吐息が何度も口から漏れ出す。

「ひ、んぅ、んんッ、う、ぅぅ…ッ」

スリスリと股の間を行き来しながら、時折グリッと強く膣の入口を刺激され、大きく身体が跳ね上がる。

もう我慢の限界だった。

ゆったりと自身も腰を揺らして見せては、彼の陰茎に膣を押し付ける形で彼を求めていた。

ビクンッと質量が増したように陰茎が震えて、ポタッと何かが滴るような水音が聞こえた瞬間。

グッと乱暴にショーツを横にずらし、太く脈打つ陰茎が少し乱暴に押し込まれた。

滑り気を帯びた膣内はすんなりと彼を受け入れてはいるものの、ヌルヌルとなだらかに前後に動き出す陰茎にガクガクと腰が震えてしまう。

くんっと後ろ手に髪を引かれ、彼が髪を掴んだのだと気付いた。

チュッチュッとリップ音が聞こえて、張り詰めるように吐息を吐き出す音。

根元まで膣内に収まった陰茎が、浅い所から深い所まで無遠慮に、激しく突き上げてくる。

わざと肉壁を抉るように上向きに突き上げられて、コリっと膨らんだ敏感な箇所を掠められ、ひぐっと情けない喘ぎ声が漏れてしまった。

口の中に入ったままの彼の指からはポタポタと飲み込めない私の唾液で濡れていた。

「ひぐ、んぅうッ!?ん、ひぃッ!んん、んぶ、うぅんッ!」

「そんな声出したらバレちゃうでしょ?結衣ちゃん。てか、そんなに俺とセックスしたかった?こんなに濡らしちゃってさ…可愛いね。」

彼の声が耳元で聞こえる度に、ヒクヒクと膣内が陰茎を締め付けて喜んでいる。

愛しい人から求められる喜びに、自分も自然と腰を揺らしながら、必死に弱々しく壁に手を付いて快感に耐えていた。

何度も深々と奥を突き上げられる度に快感が身体を駆け抜けて、大きく背を反らして、何度も無意識に陰茎を締め付けている。

ゆったり動いてみたり、時折深々と強く最奥を突き上げられたりされて、堪えきれないように愛液がトプトプと溢れ出しては、粘着質な音を響かせ始める。

彼の先走りか、それとも私の愛液の音なのか。

既にどちらかも分からない粘着質な音は、確かに下腹部から聞こえてくる。

一気に浅い所まで引き抜いて、わざと膨らんだ敏感な箇所に雁首を引っ掛けて、勢いを付けて最奥にグポッと強く突き上げられた。

「ひ、んぅ、んんぐッ!!ん、ぶぅ、んんぅ、うぅぅッ!!」

首を振り乱し、逃げられない快感にビクビクと膣内が痙攣し、激しく腰を震わせて大きく背を仰け反らし、絶頂した。

きゅうっと強く陰茎を締め付けた瞬間、ビクビクと激しく脈打った陰茎から、ドプっといつもより勢いのない精液が吐き出された。

腰を支える腕に強く力が込められて、すうっと項の匂いを嗅ぐように、彼の吐息を感じた。

張り詰めた呼吸を目一杯吐き出すように、浅い呼吸を繰り返して、口からやっと指が引き抜かれ、強く身体を抱き締められた。

「愛してるよ、結衣ちゃん。ずっと俺の傍にいてね。」

「わた、しも…好き…ぃ、たか、せ…さんだけ…あいして、る…ッ」

熱い吐息を吐きながら、今度はお互いに顔を見合わせる形で2戦目に入ろうとした。

甘いキスを何度も繰り返し、時折髪を手に取ってはチュッと口付けをされたり、甘い一時を繰り返す。

それが嬉しくてとろけてしまう頭の中で、ふと彼の首元に何かが付いているのに気付いた。

暗闇に慣れた目に映るぼんやりとした痣のような何か。

しかし、それをジッと確認することも出来ないまま、強い衝撃と共に勃起した陰茎が挿入され、何も考えられなくなるのだった。

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Akari

皆さま、読んでくださり、ありがとうございます!順次新作をお届けしますので楽しみにお待ちください! 【おすすめ掲載】 ・打ち上げ花火に照らされて(純愛) ・僕たちの初恋(BL) ・夏の暑さに酔いしれる(不倫)

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