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彼との秘密のお約束
「ねえ、そろそろ俺に絆されてよ。ずっと俺待ってるんだよ?」
「何を馬鹿なこと言ってるのよ。関係は関係でしょう。それ以上先には進めないって言ってるじゃない。」
「ホント頑固なんだもんなあ…少しぐらい折れてくれてもいいじゃないか。」
まだ外は薄暗い。
それでも、早々に終えた行為に名残惜しさも感じることなく、下着やピアスを身に着けたりと、身の回りを整えていく。
支度をしながら、私の腰に手を回す彼の頭を優しく撫でつつ、腕を離そうとした。
だが、どうしてか、今日ばかりはいつもよりも拗ねているようで、何度も「帰らないで」と引き止められる。
いつもと変わらない回数をこなして満足するかと思ったが、今日は少し違うようだ。
そんな彼の腕を引き剥がすように、ポンポンと軽く叩いて、帰る支度を続けた。
「ほら離してちょうだい。これ以上遅くなると、また旦那に怒られちゃうわ。」
「…もう愛してないんだから良いだろ。」
そう静かに聞こえた声に、応える間もなく、グンッと後ろ手に引かれ、勢いよくベッドに埋もれた。
そしてすぐに彼の両腕が顔の横に置かれ、押し倒されたのだと気付く。
飲み屋で出会った時から子供っぽく感じていたが、彼と身体だけの関係を繰り返すようになってからは、余計に子供っぽさを感じている。
ワガママで融通が利かず、我慢もできないのだ。
嫌なものは嫌だとハッキリと答える性格も相まってか、最近では余計にその性格に拍車が掛かっているように思えた。
小さくため息を吐いて、起き上がろうとしたが、軽く肩をトンッと押され、ベッドへと舞い戻ってしまう。
「…ふざけないでよ。これ以上旦那にうるさく言われたくないの。離れてちょうだい。」
「でも、今日はいつもよりもイクの早かったよね?」
「…は?何を言って…」
「なんで今日イクの早かったの?いつもと抱いた回数は変わらないよね?それに首のここにある痣…もしかして、昨日旦那さんとセックスした?それとも無理矢理された?」
真っ直ぐに見つめて来る彼の視線に息を飲んだ。
私達の間では、ある程度のルールが出来ていた。
彼に抱かれる前の日は、旦那との行為は断ること。
彼と会う時は、彼の好みの香水を付けてくること。
それと、彼のお気に入りの下着を身に付けてくること。
それら全ては、初めて行為をした際に、彼から言われた彼なりの独占欲だった。
けれど昨夜は、寝ている間に旦那に犯されたのだ。
下半身の違和感で目が覚めて、飲み会で酔ったままの彼に散々に抱かれてしまった。
誠実で、やさしくて、いつも私のことを気にかけてくれる旦那には良いところが多い。
しかし、ただ一つ私が許せなかったのは、お酒の入った彼の性格だ。
性欲が溢れるのか分からないが、無理矢理抱かれたことも少なくない。
それに、AVでも見ているのか、まるで何かの台詞のような乱暴な言葉遣いで、私のことを攻め立ててくるのが、心底嫌いだったのだ。
徐々に仕事が忙しくなるにつれて、飲み会も増えていき、お酒を控えてと伝えても守ってくれたことはなかった。
そのせいか、彼とのセックスで満足できなくなり、それどころか、彼とも距離を置くようになっていたのだ。
それが仇となったのか「避けないでよ。」と、怒鳴られながら、昨夜は抱かれた。
「…昨日は飲み会の後だったのよ。気付けば、押し倒されて抱かれてたの。排卵日も近いからゴムはして欲しかったのに…約束を守れなくてごめんなさい。」
観念するように彼に正直に伝えると、呆れるような大きなため息を吐いて、私の身体の上にのしかかってきた。
「だからあんなにイクの早かったんだ…。じゃあ、今日の朝方までもしかしてセックスしてた?中も柔らかかったし。」
旦那とのセックスはいつも長く、たとえ夜遅くに帰宅して抱かれたとしても、そこから数時間は離して貰えない。
息も絶え絶えに抱かれ、散々中にも出され、失神しても尚、すぐに意識を引き戻される。
そんな乱暴なセックスは、正直苦手だった。
快感に溺れすぎることが、怖かったのだ。
自分ではなくなってしまうような気がして、いつも最後は涙でボロボロになりながら「止めて。」と散々悲願して、解放されるのがオチだった。
明らかに拗ねる彼の頭を撫でようと、髪に指を通した所、グ二ッと下腹部に違和感を感じた。
「ひ、ッ!?ちょ、っとなにして…ッ!」
「俺との約束守れなかったんだから、少しぐらいのわがまま…聞いてよね。」
グニグニと布越しに膣の入口を押され、先程入念に洗ったはずの愛液がまた溢れ出す感覚を感じ、ビクンと身体を跳ねさせた。
「ダメ、だってばッ…んッ…もうシャワーも浴びたのに…ッ!」
「やだ、帰さない。だってここだって、まだ中に欲しいって言ってるよ?」
しつこく膣の入口をグニグニと指先で押され、先程までの快感が戻って来るように、いつもよりも敏感になった腰がビクビクと震え出してしまう。
徐々に乱れる呼吸を整えようとしても、冷め始めていた快感がぶり返され、トロッと愛液が膣から溢れ出し、ショーツの隙間から滲み出てきた。
内ももを伝い落ちて、ベッドのシーツを濡らしていく。
彼は、目を細めて栗色の髪を掻き上げながら、舌なめずりをして私を見下ろす。
その表情が扇情的で、いつもの子供っぽい彼とは思えない程、男らしさを感じた。
思わず息を飲んでその光景に目を奪われていると、突然両足を片手で一纏めにされて、持ち上げられた。
そのままスルスルとショーツを脱がされ、ポトリと床に投げ捨てられた。
膣から糸を引いて離れたショーツを見て、自分がどれほど感じていたか分かってしまい、急に恥ずかしくなった。
全裸だったこともあって、彼がどれほど興奮しているのかは、既にそそり立った陰茎を見て知る。
血管の浮き出た太い陰茎を数回上下に擦り、息を張り詰めた。
「は…ッ…俺との約束破ったらどうなるか、教えてあげる。」
うっとりと目を細めて口端を上げて笑みを浮かべて見せた彼に、熱い息が漏れた。
先程までお互いの欲をぶつけるような行為にふけっていたのが、鮮明に頭によぎってゴクッと生唾を飲み込んだ。
期待に高まる胸と、いつの間にか熱を孕んでいた呼吸。
グッと陰茎の根元を持ち上げて、標準を合わせるように膣の入口に先端を押し当てられた。
愛液も垂れ流し、先程までの行為で柔らかくなっていた膣に、一気に勃起した陰茎が押し込まれていく…。
「ひんうぅ、ぅんッ」
「はは…やっぱりまだ柔らかい。でも、もう締め付けは…いつもよりも強いね?君って、少し乱暴にされる方が、中ヌルヌルになるよね。」
「い、わなぃ、でぇ…ッん、ぅ…」
「何を今更恥ずかしがってるのさ。さっきまで散々、ここの中と…ここに出してあげたでしょ。」
旦那と違って突然激しく動く訳でもなく、彼はうっとりとした目で気持ち良さそうに笑みを見せた。
そして私の下腹部を優しく撫でて、そのまま腹部から上に指を滑らせ、唇をなぞられた。
思い出すだけでも口の中に広がる精液の苦い味。
妊娠してしまいそうな程、沢山出された濃い精液の感触。
先程までの行為を全て思い出して、顔に熱がこもる。
あまりの恥ずかしさに耐えきれなくて、ふと顔を逸らし、一向に動こうとしない陰茎に、じれったさを感じる。
無意識に腰を捩り、熱い息を吐きながらピクピクと腰を震わせた。
すると、楽しそうにクスッと笑みを零すのが見えて、じとりと不満気に彼を見た。
「ごめんごめん、あまりにも可愛くてさ。いつもなら君が主導権を握ってるのにって思ったら凄い可愛くて。」
「ッ、ばかに…んぅ、しないで…ッ…はや、く…うご、いて…ッ、んひぃ!?」
突然感じた強い衝撃に、ピュルッと陰茎の隙間から愛液が噴き出した。
仕方ないな、と小さく零して、ゆったりとした動作で腰を前後に動かし始めた。
しかし、いつものようなガツガツと激しく揺さぶられるような感覚が足りない。
じれったさに高く上げられた足がピクピクと僅かに震えてしまう。
したり顔で私を見下ろしたまま、彼は至極ゆったりとした刺激を与え続けてくる。
深い所だけコリコリと軽く刺激するのみで、陰茎の先端がねっとりと子宮口にチュッと何度も吸い付いては、ゆっくりと離れていくのを繰り返している。
「ひ、んぅ…ん、うぅッ…!」
「ん?いつもより可愛い反応するね。ゆっくりされるの気持ち良い?」
ヌチャヌチャと何度も子宮口に吸い付いては、ゆっくりと離れていき、強い快感ではなく、甘く痺れるようなじれったさを感じる刺激に、涙が滲む。
もう充分にほぐれているのだから、激しく突き上げて欲しいのに…。
唇を噛み締めながら、快感が身体を突き抜けて、いっそのことなら激しく突き上げて欲しいと思うほどだった。
ずっと痺れるような快感だけが身体に走り、どこもかしこも敏感になっているようで、シーツが肌に触れるだけでも、甘い痺れを受けてしまう。
は、は、と浅い呼吸を繰り返し、きゅうっと膣内に力を入れても、顔色を一切変えずに、腰をゆったりと動かす彼に、もう限界だった。
「ひ、ッ、ひぃ…ッ…あ、ぁぁぁッ!!うご、いてぇッ!うご、いてよぉッ…!ひぐ…ッ、も、やだぁ…ッ…」
ボロボロと止めどなく流れてくる涙に、ふはと嬉しそうに彼が笑みを零した。
ピンッと伸びきった足を私の顔の横まで下ろし、ググッと根元まで陰茎が挿入され、ひゅっと息が詰まった。
私の額にキスをして、心底嬉しそうな顔を見せる彼。
「なら、要望に応えてあげないとね。」
にんまりと口端を上げたのを見た、その瞬間。
ゴリリッと強い衝撃が膣内に走った。
今までの緩い動きからの突然の強い突き上げに、ひぐっと情けない声が漏れて、背を仰け反らせた。
緩やかだった刺激からの強い突き上げに、腰がガクガクと痙攣し、プシュッと潮のように愛液が噴き出るのがモロに見えた。
マングリ返しのような体勢にされ、お腹も苦しく感じるのに、痺れるような強い快感が身体を駆け抜けて、気持ち良さだけに支配される。
「んあ、ぁあッ!、あぁぁッ、や、やあぁッ!そ、んなぁ、ッちゅよ…ぃぃッ!あひ、ぃぃッ!」
「旦那より気持ち良いでしょ?ねえ?ゆっくりだったから…俺も…は、ッ、でそう…ッ」
スクワットのような体勢で中を刺激され、初めての快感に頭のてっぺんまで甘い快感が駆け抜けていく。
ズルルッと一気に引き抜かれ、カリ首だけを浅い所に引っ掛けて、一気に深々と根元まで挿入されるのがまざまざと見えた。
ドロドロとした透明な粘つく体液が、何度も抜き差しされる度に噴き出て、私の下腹部を濡らしていく。
私の足を掴む力が強くなったと気づいた時には、張り詰めた息を吐き出すような唸り声が聞こえて、ビクンと陰茎が痙攣し始めた。
「で、る…ッ…」
「んあぁッ、あ、ぁぁ、ッきて、だしてぇッ!」
自分が何を口走っているのか分からない程、快感だけに溺れて、舌を突き出して、笑みが零れた。
早く濃厚な精液を中に出して欲しい。
ドピュドピュと子宮口に掛かる程、出して欲しい…。
深々と突き刺さった陰茎を、根元深くまで押し込んだ瞬間。
ドピュッと凄まじい勢いで、膣内に吐き出された。
「ひぐぅぅッ、うぅ!?きてるぅ、ぅッ!」
ガクガクと震える彼の腰と同じく、ピンと伸びきった私の足も痙攣してしまう。
ドクンドクンと脈打つ陰茎の感触がたまらなくて、帰る時間すらも忘れて甘い一時を堪能する。
甘ったるい喘ぎ声を出したせいか、喉も僅かにピリピリしていることに気付いた。
ぼやける視界に映る彼に腕を伸ばして首に腕を回した。
やっとゆっくりと自分の足が降ろされた。
「もぉ、むりぃ…ッ、きもち、いぃ、の…いら、なぃ…ッ…ひ、んッ…」
「は、ぁ…ッこれで、分かったでしょ…?俺との約束破るとどうなるか…。だけどごめんね、まだまだ満足出来ないんだ。」
よいしょっと掛け声をあげて、左右に大きく足が開かれ、大量に出したはずの陰茎で、子宮口を再び突き上げられた。
敏感になっている膣内の突然の衝撃に、大きく仰け反り、絶頂してしまった。
「やだッ、やだッぁ…!も、いらなッ…かえるぅぅッ、!」
「ダメだよ。まだ、満足してないから。ほら、俺と一緒にもっと気持ち良くなろうね。」
そう言って、強く腰を引き寄せられて、旦那に連絡することも忘れて、快感に飲み込まれるのだった。
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