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乱交の入り口はマッチングアプリだった
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マッチングアプリ……それは出会いの場のひとつ。
そんな出会いの場を悪い理由で利用して乱交パーティーを開催する者も少なくはなく、我々はそれらを取り締まる「正規マッチングアプリ乱交パーティー捜査官」だ。
「正規マッチングアプリ乱交パーテイー捜査官」とは、実際に乱交パーティー会場に潜入し、主催者を犯すことで取り締まり、二度と乱交の入り口として正規のマッチングアプリを使わせないようにしてから、乱交パーティー用のマッチングアプリを普及させるのが目的の組織である。
捜査官に選ばれる者はそれぞれ男根力と膣力のある優秀な捜査官たちが多い。
乱交パーティー会場の摘発には時間がかかる。個人経営の喫茶店のオーダー並である。だが、一個一個確実に潰していかなければ正規マッチングアプリの風紀を乱し乱交パーティー用マッチングアプリの普及率が上がらないので入念な捜査が必要となる。
それらをこなして潜入することとなった乱交パーティーの会場は今日だけでも複数あるが、捜査官は複数名にわかれて摘発するつもりだ。
そして私の潜入する乱交パーティーは、とある女性主催の乱交パーティー。この女性初めての摘発となる人物だと調べはついている。
他の捜査官は常連の人物の摘発であり、私はある意味初物を掴ませてもらった形になった。
乱交パーティーの会場付近まで来ると(歴戦の捜査官ならわかることだ)乱交パーティーの気配がしていて、会場周辺には多分参加者らしき男性が数名うろついている。
もしやここの人物たちはこれから摘発されるなんて思いもしないのだろう、浮かれた様子で時間になると複数名の男性が会場に入っていった。
……ここからは私も正規マッチングアプリ乱交パーティー捜査官の仕事として、乱交パーティーに潜入する。
会場ではもう乱交パーティーが始まっていて、雰囲気ができあがっていた。
その雰囲気に溶け込むようにして中央で男根を弄ぶ主催者のそばに移動して主催者が食いついてくるその瞬間まで待機する。
「あ、おにーさんのおっきいなァ……!」
食いついた途端にぶるん! と勃たせたイチモツを女性側に差し出して見せつける。
笑う主催者の女性に対して冷静に、しかし確実に挿れるために機会を伺う。
「ね、ね、おにーさんのちんぽ挿れてよォ……」
乱交パーティーのマナーも守れないとは、もしかして乱交パーティー初心者か?
乱交パーティーにおいて、ちんこを指名して挿入してと口に出すのはマナー違反となる。
それをやっていいのはお互い知った顔同士の乱交パーティーだけとされているため、これを乱交パーティーのマナー講師の前でやったら怪訝な顔をされるであろう。
(……ひとりで来て正解だった)
本当はもうひとり、新人で今回が乱交パーティー初潜入となる者を連れてくる予定だったらしいのだが……。
私の行く会場より他の会場で「摘発はこのようにするんだ」という雰囲気を掴むため、私の班から外れて単独潜入していたのだった。
「いいんですか?」
あえて乗り気な風に声を出してみる。
「いいよォ、だって他の人のちんぽちっさいんだもん」
これもマナー違反、ちんこの大きさや形は十人十形、比較するものではない。
しかしこの女性を摘発するには挿入するしかなく、コンドームを被せてしかたなく挿入準備を進める。
「はやくゥ……まちきれないィ!」
「うぉっ!ま、てっ……!」
主催の女性は肉食動物の狩りのように勢いよく私のちんこに飛びついて、ばくりと口にほおばった。
急な出来事に驚いているとバキュームフェラチオが始まった。
想定外のバキュームフェラチオは刺激的だが、この程度で快楽に落ちていたら捜査官失格だ。
バキュームフェラチオに耐えながら、がちがちに勃たせたイチモツを主催者の女性と周囲の者たちに見せつけるように、さらに硬さを増していく。
そして、主催者の女性の頭を掴んでぐいっとバキュームフェラチオからイラマチオに発展させる。
このまま乱暴なイラマチオを続けてもいいが、それでは完璧な摘発にならないので挿入するための用意をこちら側で進めていく。
「んぶっ、ん、ん、んっ……!!」
「抜くぞ」
「ぶ、ぐっ…………ん、もォいれてくれるのォ?」
「ああ、挿れる」
勃たせたまま期待で濡れるあさましい膣に先端をくっつけて、一気に挿入した。
「あ、ぁ~っ……すご、おっき、ィ……!」
しっかり根本まで埋まったキツマンはぎこちなく締まり、ぎゅうぎゅうと私のちんこに媚びるが、締め方が若い気がする。
経験の浅いキツマンかそうじゃないのかの境界線を探りつつ、子宮をちんこの先端でノックして媚び具合を確認する。
「お、ぉっ……ほぉっ……!!」
「……っ、正規マッチングアプリ乱交パーティー捜査官だ!」
そう大きな声で言い放った瞬間、言葉の意味のわかる者たちはざわめいて、なにも知らない者たちは困惑していた。
逃げようとする者を外で待ち構えている仲間たちが捕らえていって、残された主催者含めた数名を反省させてわからせるまで止まらない。
「おほ、っ……しきゅ、う、ゴンゴンするのォっ!やめ、てェ……!!」
「やめていいのか?」
「〜っ、ごめ、ごめんなさいっ!まっちんぐ、あぷり!でェっ!らん、こ、うっ!してェっ!ごめん、なさいぃっ……!!」
「反省してるならキツマン締めて私に奉仕しろ!」
「あ、ぁ〜……!!」
キツマンが締まり、媚びたタイミングで再度子宮を叩いて入り口とくっついた瞬間を逃さず射精の振動を伝えるようにびゅくびゅくとコンドーム越しに射精する。
その振動で主催者はドライでイクどころか潮を吹いて白目をむいて身体を震わせていた。
泣き喘ぐ主催者に鉄精制裁をしてから残りの男性陣に目を向けると怯えた様子で謝ってきた。
「すみません!このパーティーが違法だと知らなくて……!!」
「言い訳は聞きたくないな」
「ひぃい!や、やめてくれぇ!!」
襲いかかれば相手は容易に捕まる。
あとは簡単に犯してしまえるのでこのまま続けてしまおう。
**
「お、ぉ、お、っ……!!」
「あー……またやってるよ」
先輩に連れられて元々僕が配属される予定だった摘発会場に向かうと、ひとりの男性(僕を指導する予定だったらしい先輩だ)が会場にいる人間を手当たり次第に犯している。
会場は阿鼻叫喚の地獄絵図、笑っているのは先輩と回収班だけという有様だ。
うわぁと引き気味に呟くと、先輩はいつもの事だと言ってきた。
誇り高い正規マッチングアプリ乱交パーティー捜査官としての行為から逸脱したものに驚いた。
この先輩に摘発の手順を聞いていたら確実に間違えていた、そう言い切れる乱暴さだ。
「ふー……」
「もう、落ち着いた?早く片付けて撤収しますよ」
もうひとりの、今回僕の指導をしてくれた先輩捜査官が声をかけて、萎えたちんこを男の尻から抜いた先輩捜査官は息を整えながら衣服も整える。
周りの光景からすると、主催者であろう女性がひっくり返って泡を吹き、周りに数名の男性が犯され尻から血と精液を垂らして倒れているような状態だ。
こんなその辺にいそうな先輩捜査官が作り上げたとは思えない異常な光景に震えが止まらない。
「あの……生きてますか?」
「ぁ、あへ……」
「これ、正規の乱交パーティー検索アプリのQRコードです……今度からはこちらを使ってくださいね」
そっと主催者の女性のそばにQRコードのプリントされた紙を置いておいたものの、彼女が紙を手に取れるかどうかは怪しいものだ。
***
処理班と回収班が片付けを済ませて主催者の女性の処置を済ませたものの、まだ足りない。
もっと人を犯したいという気持ちを抑えて衣服を着て身支度を済ませる。
「もう行けそう?」
「……ああ、迷惑をかけた」
すべてを犯し尽くすまで止まれない自分の弱さを実感する。
もっと意志が強くなければと思うが、なかなかうまくいかないのが現実だ。
悔しいけれど、我慢するしかない。
「気にしないでって言いたいけど……今度からはもっと手加減してやってよね」
上司の女性にそうたしなめられて、反省する。
反省はするが、生き方は変えられない……どうしても犯したい衝動が抑えられず、今のままでは捜査官を辞めざるを得ないかもしれない。
だが今この仕事を辞めてしまったら今度は刑務所行きかもしれない。天職のここを辞めるわけにはいかないが……。
「まぁ、摘発もこういう乱暴なやつがいないとやりにくいからさ、気にしないでいいからね」
そう言ってはくれるが、直さないといけないだろう。
****
私の部下には乱暴で犯したがりの強姦魔がいる。
この男が出動するのは稀だ。普段は呼び出しもかからないくらいの乱暴者だが……たまに初物の脅しに使われるような男だ。
可哀想ではあるが、そういった立ち回りの人間も必要だということだ。
「あ、ぁ……サクライ、せんぱい、ぃ……」
「乱交パーティーのマナーは身体に叩き込めたかな?」
「は、ぃ……!」
今回の摘発は新人研修を含めてのものだったが、なかなか刺激的だった。
新人たちはあの強姦魔を見て震え上がったようだが、私にはとてもちょうどいい脅しになったと思っている。
ただ、こういうのを模範として真似るのはよくないと思っている、だからこそ今回の研修は失敗した。
模倣犯が増えないように再発防止を含めた改善案を提出したものの、なかなか通らない。
「サクライ、また提出書類ボツくらったのか?」
「ええ、また経過観察です」
「またかぁ……別にいいが、あんまり熱を入れすぎると仕事に差し障るぞ」
「はい」
……もっとうまく書類を作ろう、そしてもっと彼に対して危険性とくれぐれも彼をまるごと参考にしないようにと新人に通達しなければ。
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